いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

2020-01-01から1年間の記事一覧

「クソゲー」を語るメディアと、改変され続けている「歴史の記憶」について

news.yahoo.co.jp すごく誠実な記事だなあ、と思いながら読みました。 たかがゲームの話じゃないか、と感じる人も多いのかもしれませんし、僕も「なんか当時の自分の記憶とは違うことが書いてあるけれど、懐かしいゲームが採りあげられているだけで、ちょっ…

『もののけ姫』も映画館で観てきた話

もののけ姫 [DVD]発売日: 2014/07/16メディア: DVD 柳の下にドジョウが二匹、と思われるかもしれませんが、新型コロナウイルス禍のなかでのスタジオジブリの名作再上映観賞の第二弾として、『もののけ姫』を観てきました。 第一弾『風の谷のナウシカ』はこち…

「隣人訴訟事件」と「誰かを責めずにはいられない人々」

『あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン』(住吉雅美著/講談社現代新書)という本で、こんな事例が紹介されていました。 あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン (講談社現代新書)作者:住吉雅美発売日: 2020/05/20メディア: Kindle版 1970年代半…

「と学会」と「note」とクリエイターの「老害化」について

kakuyomu.jp anond.hatelabo.jp 僕は「と学会」の本を読んで、『ノストラダムスの大予言』というのは、どうも当たらないというか、けっこういいかげんなものらしい、ということに自信を持てるようになったのです。『水からの伝言』(水に『ありがとう』など…

75年目の「終戦の日」に読んでみてほしい「あの戦争」を知るための12冊の本

いまから5年前、2015年の8月15日に、こんなエントリを書きました。 fujipon.hatenablog.com あれから、5年。 最近は、入院している患者さんもほとんどが昭和以降の生まれになっていますし(僕が仕事を始めた時には、明治生まれの人がけっこういたのです)、…

ブログには、物語にはない、人生の中途半端さが溢れている。

toyokeizai.net インターネットの文章は、この世にインターネットが存在するかぎり、消滅することなく、クラウドの海を漂い続ける……みたいなことを、僕も20年前には考えていたのです。 ブログは僕にとって「長すぎる遺書」みたいなものだと、ずっと思ってき…

あるアニメ映画で、スマートフォンの「画面割れ」が描かれていた理由

このあいだ、家で、『空の青さを知る人よ』という映画のDVDを観ていたのです。 映画館で予告編を観たときには、「また死んだ人が生き返る話かよ」って思っていたのですが、なんとなく観たくなって。 吉岡里穂さんの、キャラクターに沿ってわざとやっているの…

『風の谷のナウシカ』を、はじめて映画館で観た話

風の谷のナウシカ [DVD]発売日: 2014/07/16メディア: DVD 腐海(ふかい)と呼ばれる毒の森とそこに棲む蟲(むし)たちに支配された世界。辺境の王国・風の谷には、自然を愛で、蟲とすら心を通わせる少女ナウシカがいた。腐海を焼き蟲を滅ぼそうとする大国の…

『ファイナルファンタジーVII リメイク』について、少しだけ語らせてほしい。

ファイナルファンタジーVII リメイク - PS4発売日: 2020/04/10メディア: Video Game 発売が2020年4月10日だったので、一応のエンディングを見るまでに、3ヵ月半くらいかかってしまいました。プレイ時間は、寄り道はサブクエストはほぼ全部こなして45時間くら…

矢部浩之さんの「新幹線で席を譲ってくれた人の話」

少し前に、矢部浩之さん復帰後の『ナインティナインのオールナイトニッポン』を聴いていたら、矢部さんが「最近あった出来事」として、こんな話をされていました。(以下は僕が記憶をもとに書いていますので、矢部さんの話とはディテールが違うところがある…

『づぼらや』の思い出

www.fnn.jp 僕がまだ小学生の頃、家族で大阪に旅行したことがあった。 大阪城とか通天閣を観たあと、「じゃあ、ご飯食べに行こうか」と連れていかれたのが、この『づぼらや』だったのを覚えている。 このふぐの看板は、当時の僕にはすごくインパクトが強いも…

『連ちゃんパパ』と「人間のクズ」という最強のコンテンツ

『連ちゃんパパ』というマンガが、ステイホーム生活のなかで、けっこう話題になっていた。 www.mangaz.com (こちらは2020年7月31日で、削除されるようです) 連ちゃんパパ【合冊版】(1) (ヤング宣言)作者:ありま猛発売日: 2018/03/29メディア: Kindle版こち…

「アフター・コロナ」の映画館の現状について

そういえば、しばらく映画館に行っていないな、と思ったのです。 最後に観たのは、この映画で、もう3か月も前になるのか…… fujipon.hatenadiary.com 東京では、まだ緊急事態宣言が明けてからそんなに時間が経っていない、という感じなのでしょうけど、僕が住…

ある新米投資家の「コロナショック」体験記

www.cnn.co.jp b.hatena.ne.jp 「はてなブックマーク」のコメントで多くの人が指摘しているように、株価がいちばん下がっていた3ヵ月前と比べれば、株価が回復してきた分だけ、資産が増えたことになるのでしょう。実際は「コロナ以前の状態に戻りつつあるだ…

「やりたいことが見つからないときには、まず、お金を稼ぎなさい」

新型コロナウイルスの感染予防のため、ステイホーム生活が2か月くらい続いていたわけなのですが、その間、新たにYouTubeをはじめた人もたくさんいました。僕自身は自分で動画配信をやることはなかったのですが、こういうときに、新しいことを始めてみようと…

山里亮太さんは、罪を犯したのだろうか?

www.sponichi.co.jp www.sponichi.co.jp 山里さんは、「毒舌」や「当意即妙な返し」で評価されてきた芸人なのですが、自伝『天才はあきらめた』でも、けっこう赤裸々に、自らの妬み嫉みや相方へのパワハラ、そして、飽くなき努力を語っています。 fujipon.ha…

「二度死んだ少年」と『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

www.msn.com mainichi.jp 僕が子どもの頃、父親が買ってきた手塚治虫の『ブラック・ジャック』で、「二度死んだ少年」という回を読みました。 あらすじを思い出して書こうと思ったのだけれど、検索していたら、『はてな匿名ダイアリー』に、この話のことを書…

インターネットで「悪役(ヒール)」として生きるということ

b.hatena.ne.jp fujipon.hatenablog.com あの件に関して、僕の率直な感想は「結局、人が死なないとわかんないんだな」ということでした。 いや、人が死んだってわかっていない。センセーショナルな死は、まとめサイトを活性化し、多くのブログのネタにされ、…

「頑なにどうぶつの森をやろうとしない人」にも、たぶん、それぞれの理由や事情がある。

anond.hatelabo.jp 僕もニンテンドースイッチの『あつまれ どうぶつの森』を持っていて、たまに遊んでいるのですが、正直、最初のころの「何もない状態でチュートリアルとかを言われたとおりにこなしている」のがめんどくさくて、励んでいるとは言い難い状況…

『鬼滅の刃』の完結と「終わるべきときに、終われる時代」(『鬼滅の刃』のネタバレなし)

natalie.mu かつて、『北斗の拳』や『ドラゴンボール』などの週刊少年ジャンプを支えたマンガたちが、マンガ家側の意に反して、「人気があるから」という理由で、けっこう強引な形で連載を続けられ、結果的に尻すぼみというか、「読者にも飽きられて連載終了…

『ドルアーガの塔』で学んだ、「ゲームがうまい人は、何を考えているのか?」

www.youtube.com 「ゲーセンミカド」の休業中配信より。 外出自粛期間中は、家で缶ビールを開けつつ、本を読んだり、昔のゲームの動画などをたしなんでおりました。 『ドルアーガの塔』懐かしい。そして、今でもこうしてほぼノーミスでクリアできる人がいる…

「人の命を守ること」と「人の命でお金を稼ぐこと」

www.asahi.com マスクの品薄状態も、どんどん解消されてきているようです。 ただし、僕が住んでいる九州の地方都市では、まだ、ドラッグストアではなかなか見当たらず、イオンの薬局には山積みされている、という状況でした(5月9日調べ)。 4月の半ばくらい…

平田オリザさんのことは嫌いでも、舞台演劇や役者さんたちのことは、嫌いにならないでほしい。

oriza.seinendan.org b.hatena.ne.jp 平田オリザさんへの批判が止まらない。 というか、こうして自ら追加燃料を投下しているのをみると、「雉も鳴かずば撃たれまいに……」と思うのです。 僕は7年くらい前に、平田さんの「コミュニケーション論」を読んで、も…

「風俗嬢とカツオの刺し身の違い」について

anond.hatelabo.jp b.hatena.ne.jp 冒頭のエントリを実際に読むと、「風俗嬢とカツオの刺し身の違い」というタイトルは端折りすぎで、「新型コロナウイルスの感染拡大にともなう不況で困っている人がサービスや商品を『大安売り』するのを『ラッキー!』と喜…

岡村隆史さんと矢部浩之さん。そして、「ホームでの過信」のこと。

www.oricon.co.jp togetter.com 個人的には、岡村さんが自暴自棄になって、ラジオ番組や芸能界を投げ出す、ということにならないでほしいな、と思っていました。 あの発言はひどすぎるけれども、僕は岡村さんのことが、かなりめんどくさい人みたいだというと…

絶望の時代だからこそ、希望の格差が浮き彫りにされている。

メディアも、メディアが取り上げる「在宅ワークができる人」や「医療従事者」も、仕事を続けられなくなって家にいるしかなくなった人からすると「この状況下でなお仕事がある人」だという自覚をメディアの人間は持たないと何も届かないとよく思う。— 朽木誠…

「外出自粛生活」は楽勝のはずだった、インドア人間の現状

anond.hatelabo.jp 僕は自他ともに認めるインドア人間なので、この「外出自粛」は、全然苦にならない……はずだったんですよ。 医療が仕事なので、万が一のことも考えて、ひとりで隔離生活を送っていることもあり、「よし、この機会に、積みまくっていたゲーム…

新型コロナ禍の時代の『銀河英雄伝説』

いま、NHKのEテレで、『銀河英雄伝説』の新しいアニメ版が放映されています。 高校時代に出会って以来、大好きで、ときにちょっと嫌いになったこともあった『銀英伝』。 www6.nhk.or.jp fujipon.hatenablog.com 現在は、2周くらいして、やっぱり好きだなあ、…

糸井重里さんは、なぜ、「責めるな。じぶんのことをしろ。」と呟いたのか?

わかったことがある。新型コロナウイルスのことばかり聞いているのがつらいのではなかった。ずっと、誰ががが誰かを責め立てている。これを感じるのがつらいのだ。— 糸井 重里 (@itoi_shigesato) 2020年4月9日 責めるな。じぶんのことをしろ。 https://t.co/…

「教育格差」「文化資本」という「呪い」について

topisyu.hatenablog.com これを読んで、思ったことなど。 僕は以前、こういう話を書いたのです。blog.tinect.jp 『下り坂をそろそろと下る』 (平田オリザ著/講談社現代新書)のなかで、平田さんは、今後の日本の「教育改革」においては、ペーパーテストでは…

アクセスカウンター