メモリや開発費の高騰、プレイステーション5も値上げされたことから、Switch2の価格改定(値上げ)の話は出ていましたが、ついに発表された、という感じです。
もともと日本市場向けのSwitch2は、任天堂の地元ということもあり、海外より安く設定されているといわれていましたが、これまでの49980円(税抜き、以降の価格表記も同じ)から、2026年5月25日より59980円と、1万円の値上げはけっこうインパクトがあります。
この影響を受けて、各所でSwitch2の現行価格での「確保」がはじまっており、在庫はかなり乏しくなってきているようです。
そりゃ、同じものが5月24日と25日で1万円も違えば、そりゃそうなるよね、欲しい人は値上げ前に買うよね。
2026年5月8日に、任天堂が2026年3月期の連結決算と2027年3月期の予想決算を発表しました。
任天堂が8日発表した2026年3月期の連結決算で、純利益は前期比52.1%増の4240億5600万円となった。アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(4039億8300万円)を上回った。2027年3月期の純利益は前期比26.9%減の3100億円を見込む。QUICKコンセンサスの4270億4200万円を下回る。
今期までの利益は順調だったけれど、来年度は厳しそう。
イランでの戦争の影響や人件費・資材をはじめとする経費の増大もあり、今春の各企業の決算は、軒並み厳しめの来期予想を出しているところが多いようです。
半導体関連だけがやたらと元気で、日経平均株価をぶち上げています。
なんなんだ63000円って。
キオクシアの株価高騰をみていると、中世オランダのチューリップバブルってこんな感じだったのだろうか、とか考えてしまいます。
いや、キオクシアやチューリップに罪があるというわけじゃなくて、こういうのは、実際の価値以上に、買う人が多くてどんどん値上がりしていくからさらに買う人が増える、という「お祭り状態」だということなのでしょうけど。
メモリ不足で関連企業の業績が上がっているのも事実ですし。
それにしても、最近の物価の上昇は、いち消費者としてはつらい。
以前はコンビニでお弁当とおにぎりと飲み物、デザートまで買って1000円もかからなかったと思うのですが、いまはそれなりの具が入ったおにぎりだと1個で200円代半ばくらいになりました。
えっ、このくらいでもう1000円オーバー?と、わかっているはずなのに驚いてしまいます。
お弁当も量は変わらないか少し減っているくらいなのに、軒並み100~200円くらいは高い。
カップラーメンも高くなったよね。
コンビニに限らず、その他の食材、加工食品も軒並み値上がりしています。
日本経済は、1990年代はじめのバブル崩壊から、失われた20年、とか30年と言われていて、長年デフレに苦しめられ、賃金も上がらず、株価も低迷していました。
その後の、いわゆる「アベノミクス」によって、日本経済はある程度立ち直ったのか、格差が広がっただけなのか?
高市総理には「急激に上がっている物価対策」が期待されているのですが(僕も少し期待していました)、実際はガソリンの価格などには配慮している、というくらいの印象しかありません。
アベノミクスから高市さんの経済政策の基本方針は、お題目としては「物価の上昇を許容し、それにともなって労働者の賃金も上げていく、それによって国は経済成長し(GDPが上がり)、みんなが豊かになる」だったのです。
でも、僕自身の目からみえる今の社会と経済の状況は、「給料は全然上がらないのに(まあ50代半ばですから、急激に下がらないだけでも感謝すべきかもしれないけれど。サービス業の時給はかなり上がっているみたいですし)、物価は青天井に上がり続けている」のです。
収入は上がらないのに、任天堂のハードやゲームソフトは値上がりしてしまう。
その一方で、Steamではセール価格で買える機会がかなり多くて、定価で買うのはためらってしまうし、ニンテンドーeショップでさえ、頻繁にセールをやっています。昨今では、発売後3ヵ月くらいで、10~20%割引価格、なんてゲームも珍しくない。
「物価上昇の抑制」「物価対策」とは言うけれど、現在の「日本経済の成長戦略」そのものが、まず値上げありきなんですよね。
これまで、安くないと売れなかったから、と賃金や経費、材料費をひたすらケチってものの値段を下げようとしつづけてきたのを、もうやめよう、ちゃんと適正な値段をつけて、その分、労働者に還元しよう、ということだと僕は解釈しています。
しかしながら、現状は、一部の大企業やサービス業では働いている人への還元が起こっているものの、多くの人に行きわたっているとは言い難い。
むしろ、中小の経営者からは、「値上げしても経費も上がっているから経営も苦しい、還元できない」という答えが返ってくることが多い。
価格を改定しても「値引きクーポン」とかが配られたり、セール価格が常態化したりしていて、それで本当に「デフレ脱却」が進むのか?とも思いますし。
それでも、消費する側としては「社会のために高いものを買おう」とはなりません。
経済の専門家には「日本はサービスも商品も長いデフレの影響で(国際基準で)安くなりすぎた」と言う人がいます。
僕が子どもの頃、1980年代くらいの日本では、ヨーロッパのブランドショップで日本人観光客が「爆買い」をして、その国の人に白眼視されている、というニュースをたくさん見ていたのです。
日本はそこから、「爆買いされる国」になり、いまは物価が上がって「爆買いされるほど安くはないが、品質は評価されている分野が多い」という感じでしょうか。
この「インフレを許容しての経済成長」という国際基準に乗っかるのは、はたして正解なのだろうか?
身内にアメリカで生活している者がいるのですが、あちらは日本に比べてとにかく物価が高い。ビックマック指数、というマクドナルドのメニューでその国の物価をはかる数字があるのですが、アメリカのマクドナルドは、日本の2~3倍します。
ニューヨークやロサンゼルスでは年収1800万円が「貧困ライン」だという記事もみかけました。
住居費も物価もべらぼうに高い。ふつうの人がふつうに働いていても、フードスタンプ(食糧費補助)を受給しなければ食べていけない。
アメリカは好景気だ、米国株投資ばんざい!という人がネットには大勢います。
でも、いまのアメリカは「平均値は高いけれど、中央値は低い。そして格差はどんどん広がっている社会」です。
勉強をして稼げるようになろうとしても、高額の学資ローンでずっと苦しめられることになる。
学歴がなければスポーツや芸能の世界以外で成功するのは難しいし(とはいっても、スポーツも芸能も高学歴エリートの割合はかなり多い)、学歴をつけても成功するのは至難の業。
僕は最近、考えてしまうのです。
日本は「アメリカのような経済成長」を目指すべきなのか?
そもそも、「経済成長」だと思い込まされてきたものは、本当に、人を幸せにしているのか?
いまの日経平均株価なんて、まさにそうですよね。
日経平均への寄与度が高い、一部の半導体銘柄が爆上がりして指数を押し上げているけれど、63000円という数字のインパクトのわりには、ほとんどの人の生活はまったく変わらない、むしろ苦しくなっている。
日経平均への寄与度が高い銘柄には、半導体などの値がさ株が多く、東京エレクトロンは5月8日の終値で1株52000円台。アドバンテストは30000を少し切るくらい、レーザーテック43700円台、ファストリテイリング(ユニクロ)は7万5000円、ソフトバンクグループは分割後で6131円。
5万円の株を株主総会での投票権がある100株買うと、500万円です。
現在は、1株単位での取引が日本でもだいぶ浸透してきましたが、それでも5万円ですからね。1株単位だと手数料も高くなりやすいし、売買のタイミングも制限されることがあります。
日本の株価が上がっている、といっても、上がっているのは一部の「お金持ちや投資機関、ボラリティ(値幅)の大きさを許容できる投資家向けの銘柄」が中心で、任天堂やトヨタの株はメモリ不足や戦争の影響などで下がってきているのです。
「持てる者」は、リスクも取りやすく、さらに豊かになっていき、「持たざる者」は、どうあがいても、自分の檻の中から出られない。
新NISAとか資産形成とか言うけどさ、株を買えるくらいのお金の余裕がある人ばかりじゃない。
資産が1億円あれば年利1%でも年間100万円何もしなくても入ってくるけれど、資産100万円だと年間1万円しかもらえない。
いまの日本の経済政策って、「経済成長」というよりは、トマ・ピケティのr>gを推し進めているだけにしか見えない。
正直なところ、僕は「労働が安く買い叩かれていたかもしれないけれど、贅沢をしなければそれなりに安上がりに暮らせたデフレの日本」って、そんなに悪い国だったのだろうか?と、考えずにはいられないのです。
もちろん、世界の情勢的に、日本だけそんな「鎖国的なデフレ社会」を維持することは難しいとは思う。
でも、副業を薦めまくってまで稼ぐことに追われる(しかも、「持てる者」は「資産形成」で黙っていてもお金が増える)国になっていく(というか、もうすでになっている)ことが「成長」なのだとしたら、そんなのつらいだけだよ。
この物価上昇局面を辛抱すれば、賃金が上がり、みんなもっと豊かになる。
それが幻想なのは、同じ道をたどってきたアメリカの現状をみれば明らかなのに。
結局、格差が広がっていくだけなんじゃない?
安いものはまだまだ探せばたくさんあるし、テレビゲームでいえば、最新作を発売直後に遊ぶ、というのさえ我慢できれば、クオリティの高い、発売後しばらく経ったゲームを割安のセール価格で買えばいいんでしょうけどね。
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