いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

2019-01-01から1年間の記事一覧

インターネット時代の「読書」を殺すのは、幻冬舎なのか、書店なのか、それとも、読者なのか?

togetter.com 僕にできることは、津原さんの『ヒッキーヒッキーシェイク』のハヤカワ文庫版を買って読んでみることくらいではあるのです(単行本とKindle版は幻冬舎から出ているので、気をつけてね)。ヒッキーヒッキーシェイク (ハヤカワ文庫JA)作者: 津原…

村上春樹さんのエッセイ『猫を棄てる 父親について語るときに僕の語ること』を読んで

www.asahi.com 村上春樹さんが、「父親」について語ったエッセイが掲載されていると知って、ふだんは、芥川賞受賞作の掲載号しか買わない『文藝春秋』の最新号を読みました。 文藝春秋2019年6月号出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2019/05/10メディア: 雑誌…

10歳の不登校ユーチューバーと「子供がやりたくないことをやらせる大人」

headlines.yahoo.co.jpwww.nikkansports.com いろんな意見が出ているところに、僕も「いっちょ噛み」してしまうのですが、個人的には、「よその子の人生だからなあ」というのと、「こういう子の将来がどうなっていくのか、このまま見届けてみたい気がする」…

「風呂場で涙した66歳男性」と「他人に自分の価値観を押し付けない」ことの難しさ

dot.asahi.com 昨夜、これを読んで、ずっと考えていたのです。 この66歳の男性は、自分の20年後の姿ではなかろうか、でも、僕は自己肯定感が低いので、そんなに自分の価値観を他者に押し付けてはいないはず……とか思っているのは自分だけで、周りからみれば、…

何がめでたいのかよくわからない「令和フィーバー」について

「令和」がはじまった。 とはいえ、僕自身は合間に仕事の日があって大型連休を満喫しているとはいいがたいし、そもそも、元号が替わったからといって、何かが劇的に変わるわけでもないのだ。 しばらく、書類に「平成」と書いてしまってため息をつくくらいの…

僕にとっての「平成」は、「インターネットと個人主義(というか、家族主義の崩壊)の時代」でした。

こんな10連休なんて、全部休めるのはごく一部の人だけだし(僕も半分くらいは仕事です。まあ、入院している人を10日間放置なんていうのは、「なんでも主治医がやらなければならない」というのが当たり前だった時代じゃなくなっても、現実的ではないよね)、…

自分が気持ちよくなるためだけの、「なんでそんなウソをついたんだ!」は、平成の時代に捨てていこう。

hochi.news 中日・与田剛監督(53)は23日、NPBから回答の届いた21日のヤクルト戦(ナゴヤD)の判定について納得のいかない姿勢を示した。「『見てました』と言っていた方が見てなかったと認めたのであれば、それに対してちゃんと答えを出さないと…

『ゲームボーイ』と「平成」という時代

www.4gamer.net 平成31年4月21日で、初代『ゲームボーイ』が発売30周年を迎えたそうです。 『ゲームボーイ』が大ヒットされる前までは、家庭用ゲーム機は据え置き型が主流で、任天堂は、『ゲームボーイ』によって、『ゲームウォッチ』で止まっていた時計の針…

小池一夫先生が、師匠として、堀井雄二さんに教えたこと

www.nikkansports.com 小池一夫さん、亡くなられたのか…… 僕は『子連れ狼』にはあまり縁がなかったのですが、若手の頃、当直室においてあった『クライングフリーマン』にハマってしまい、ただでさえ少ない睡眠時間を削ってしまったのを思い出します。 小池さ…

マツコさんの「ネットのプラットフォームビジネス論」への共感と疑問

news.careerconnection.jp このマツコ・デラックスさんの話を読んでいて、僕は大学のときの部活の遠征で泊まった旅館で、そこの経営者に「こんなに安い値段で、さらに旅行会社にたくさんマージンを持っていかれるので、ウチとしてはやってられないよ」と、長…

2019年に蘇った『トロッコ問題』について

togetter.com この『トロッコ問題』、僕はマイケル・サンデル教授がとりあげていたのが印象に残っているのですが、「僕だったら、これは『運命』みたいなものだから、と、自分で線路を切り替えることはないだろうな」と思っていました。僕も「自分で選択する…

広島カープの落日と『堕落論』

昨夜のカープも残念だった。岡田は年に何度かこういう四球連発でゲームを壊す投球をすることがあるのだが、この数試合でこちらも気が立っているだけに、見てはいられず早々にチャンネルを替えてしまった。岡田、良いときは日本代表クラスのピッチングをする…

2019年の「第16回本屋大賞」は、瀬尾まいこさん『そして、バトンは渡された』

www.asahi.com 下馬評通り、という結果でしたね。 ちなみにノミネート10作の順位はこちら。 www.hontai.or.jp 2位が『ひと』、3位が『ベルリンは晴れているか』、4位『熱帯』、5位『ある男』と続くのですが、点数をみてみると、『そして、バトンは渡された』…

2019年「ひとり本屋大賞」発表

本屋大賞 www.kinokuniya.co.jp 「2019年本屋大賞」は、明日、4月9日の夜に発表されます。 というわけで、今年も人の迷惑かえりみず、やってきました電線軍団! もとい、「ひとり本屋大賞」!(恒例のオヤジ前フリ) 僕が候補作全10作を読んで、「自分基準」…

「電子書籍への漠然とした不安」について

note.mu 『解体屋ゲン』の電子書籍版って、こんなことになっていたのか……と読んで驚いてしまいました。 いまやマンガにとって、電子書籍というのは「紙の本と並立している主戦場」なのに、これだけ知られているマンガでも、読者に読みやすい状態で届かない状…

「生んでくれてありがとう」を、右から左へ受け流す。

kasasora.hatenablog.com 「生んでくれてありがとう」 先日、「2分の1成人式」に出席してきたのだが、僕も正直、違和感というか、「本当にそんなことをこの年齢の子どもが思っているわけないよな」と感じていた。 でも、その一方で、時間と手間をかけて「感…

インターネット時代の新元号「令和」フィーバーへの雑感

www.nikkansports.com www.msn.com 「平成」から「令和」へ。 おお、もう「令和」に一発で変換できるようになってる!インターネット社会すごい。 思えば、昭和から平成にかわったときには、インターネットはまだほとんど普及しておらず、昭和天皇の崩御に伴…

地方大学の医学部を出た田舎者から、「東京の人」の増田さんへ

anond.hatelabo.jp 釣りかもしれないエントリ、なのだけれども。 僕が地方大学の医学部に通っていたのは、もう30年も前の話になってしまうので、たぶん、全然違う世界なんだろうなあ、と思いつつも、当時のことをいろいろ思い出してしまいました。 fujipon.h…

僕の「平成の10冊」を紹介します。

fujipon.hatenablog.com このエントリを書いたときに、僕なりの「平成の30冊」を挙げてみようと思ったのです。 しかしながら、30冊というのは、無理ではないのですが、書くほうは大変だし、読むほうも冗長で印象に残らないのではないか、ということで、僕の…

イチロー選手の引退会見と「孤独感」を支えにしていく、ということ

full-count.jp イチロー選手、往生際が悪いなあ…… 正直、僕はそう思っていました。 年齢的にも、これからパフォーマンスが劇的に改善していくことはないだろうし、チームには、出番を求めている、イチローよりも若くて結果を残している選手がいる。にもかか…

自分の立場からの「いま、オススメの本」をシンプルに紹介してみます。

anond.hatelabo.jp b.hatena.ne.jp 人に歴史あり、人におすすめの本あり、というところでしょうか。 正直、よく知らない人に本をすすめる、というのは難しいところがあるのですが、「自身の立場から」という前提であるならば、これをおすすめしておきたいと…

ピエール瀧さんと小田嶋隆さんと中島らもさんの「ドラッグと作品」の話

snjpn.net ピエール瀧さんのコカイン所持・使用による逮捕にともなう、作品の「お蔵入り」には、いろんな意見が出ています。 社会的な影響(憧れてドラッグに近づく人びとを増やさないため)や「ドラッグのおかげでできた作品」に価値はない、という人もいれ…

『JUDGE EYES:死神の遺言』を責めないで

www.famitsu.com 僕は発売日にパッケージ版を買ったので、直接この販売自粛の影響を受けるわけではないのですが、まあなんというか、芸能人の不祥事に対して、その人が関わったコンテンツはどこまで責任を負わされるべきなのか、考え込んでしまう事例ではあ…

TSUTAYAの閉店ラッシュとネットでの映像配信が変えたもの

wasteofpops.hatenablog.com TSUTAYAの閉店ラッシュが止まらないみたいです。 いや、「止まらない」というよりは、もう「戦略的撤退モード」に入っているのか。 最近、比較的近場のショッピングモールに入っているTSUTAYAが、毎週金曜日から日曜日の「新作・…

朝日新聞「平成の30冊」への雑感

book.asahi.com book.asahi.com 「平成の30冊」か…… もうすぐ「平成」も終わりを迎えるわけですし、こういう企画も出てきますよね。 平成になったときには、「将来、『昭和生まれ』なんて若者にバカにされるなんて嫌だな」と思っていた僕なのですが、あらた…

いわゆる普通の14歳だわ 女の子のこと 知らなすぎるのあなた

www.huffingtonpost.jp はてなブックマークでは、これは母親の意見だろう、子どもを利用するな!という批判の声がけっこう多いようなのですが、まあ、なんというか、「うんざり」する話だなあ、という感じです。 b.hatena.ne.jp 僕は望月記者が最初に登場し…

「読まれなくなった」三島由紀夫さんと、「読まれている」星新一さんの話

anond.hatelabo.jp 三島さんの作品は、大きな書店に行けば、文庫でひととおり揃っていますし、夏目漱石や太宰治に比べたら「読まれていない」かもしれませんが、それは、「教科書に小説が乗っている=読んだことがある」とカウントされているのも大きいので…

『はてなダイアリー』が静かに幕を閉じた翌日に

2019年2月28日、『はてなダイアリー』が、16年の歴史を終えた。βテストから『はてなダイアリー』を書き続け、2016年に『はてなブログ』に移行したあとも、はてなユーザーである僕にとっては、感慨深いというか、人生の何分の1かが終わってしまったような気分…

「理屈としての正しさ」と「処世術としての正しさ」

togetter.com delete-all.hatenablog.com 僕自身、「何者にもなれなかった」中年男なので、これを読みながら、「自分が言われたら、きっついだろうな……」と思っていたのです。 fujipon.hatenadiary.com でもまあ、「何者にもなれなかった」という言葉を使う…

「平日の日中に男一人で楽しめること」大全

anond.hatelabo.jp b.hatena.ne.jp 僕も最近、他の家族は仕事か学校で、日中は自分ひとり、という平日があるので、実際に自分でやってみて楽しかったことを紹介してみたいと思います。 僕の場合は、だいたい週に1日そういう日があるので、役場での手続きとか…

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