一昨日の日曜日、ようやく、PS4の『新サクラ大戦』をクリアした。といっても、ようやく一度エンディングを見た、というだけで、「全キャラのエンディングを見ないと『クリア』じゃないだろ」とか、「全トロフィーをコンプリートしないと認めない」という人もいるかもしれないが。
『サクラ大戦』の一作目がセガサターンで発売されたのが1996年9月27日なので、もう24年も前になるのだ。
僕は仕事をはじめたばかりで、毎日消耗しまくっていて、合間になんとか1話ずつ進めていった記憶がある。まだ20代半ばくらいだったので、つらさを解消するために遊ぶ元気があったのだ。
ちなみに、もうすぐリメイク版が発売される『ファイナルファンタジー7』がプレイステーションで発売されたのが、1997年1月31日のことだった。
僕のなかでは、『サクラ大戦』と『ファイナルファンタジー7』には「同じ時期に出たゲーム」というイメージがあって、この2つの名作が、セガサターンとプレイステーションのその後の路線を決めたような気もする。
「初代」から四半世紀経ってリメイクされた『ファイナルファンタジー7』を遊ぶというのは、なんだか自分もけっこう長く生きたのだなあ、と感慨深い。今作では、〇〇〇〇が生きているルートとかがあるのだろうか。バレットとデートとかできるのかな。
脱線してしまったのだけれど、今回の『新サクラ大戦』、2005年にPS2で『サクラ大戦V 〜さらば愛しき人よ〜』が出てから、15年ぶりの新作になる。
本当に久しぶりの新作ということもあり、かなり期待も高く、僕はこれまでの作品のCD付きの初回限定版を買ったのだが、発売されてみると昔からのファンからは不満の嵐になってしまった。
キャラクターデザインの変更や戦闘パートが「無双」タイプのアクションゲームになってしまったこと。
正直、このアクションゲームは心底つまらない。ただ指が痛くなるだけだ。これまでのファイアーエムブレム風のタクティカルバトルもそんなに面白くはなかったのだけれど、なんでこんなことを『サクラ大戦』でやらなくてはならないのかとうんざりする。
仲間の機体の性能差が大きすぎるし、自動照準がないので、空中の敵にはひたすらストレスがたまる。「強い敵」も、ただ「硬い」だけ。
ストーリーは思わせぶりで大風呂敷が広げられるものの、伏線っぽいものは「なーんちゃって」みたいな感じでスッキリしないまま終わるし、帝都のいろんなところに行けるのも、行けるだけ、という感じだ。
まあでも、今回プレイしていて痛感したのは、僕自身の「枯れ」ではあった。
天宮さくらをはじめとする「帝国華劇団・花組」のメンバーとプレイヤーの隊長は、さまざまなコミュニケーションを通じて「親密度」をあげていくのだが、そのためにイチャイチャするのが、ひたすら恥ずかしく、つらいのだ。こんなにみんなと仲良くしていたら、『ときメモ』だったら爆弾爆発しまくりだろ、とか思うのだが、そういえば『ときメモ』って新作が出てないよなあ。ああいうゲームシステムそのものがポリコレ的にマズイ、ということなのか、それとももう売れないのか。そういう意味では、『新サクラ大戦』というのも、「ハーレム的な状況を楽しむゲーム」ではあるのだが。
いや、さすがに40代後半のオッサンがやるのはキツイぞ『新サクラ大戦』。僕が中学生くらいで、父親がこれをやっているのをみたらドン引きしそうだ。それとも、今の中学生は、そんなことを気にしないのか。
ただ、なんのかんの言っても、エンディングまでは行ったのだから、それなりに遊べるゲームではあったのだろう。
途中、こっちにすればよかった……と何度も思ったけれども。オッサン的には、『デス・ストランディング」だったか。
ただ、あらためて考えてみると、『新サクラ大戦』は、15年ぶりの新作であるがゆえの批判にさらされているような感じもする。
これまでの作品をプレイしていた人たちは、けっこう年を重ねてしまい、「ハーレムゲーム」に対しても、「世の中そんなに甘くないよな」とか、「これ、ポリコレ的にどうなの?」とか、ふと考えるようになってしまった。
ゲームがダメになった、つまらなくなった、というよりも、プレイヤーの感受性の変化のほうが大きいのではなかろうか。
そもそも、15年前と同じものをつくっても、今のゲームソフトとしては、通用しないだろうし。
まあでも、「こんなものじゃないだろ」というのと、「ここで新作を全否定すると、シリーズも完全に終わってしまうかもしれないな」というのが入り混じってはいる。
最近は年に5本くらいしかゲームをクリアしない僕がエンディングを見たくらいなのだから、それなりに楽しんだともいえる。
これまでの長年のファンの落胆の声が大きすぎて、この『新サクラ大戦』で、シリーズをはじめて遊んだ、という人がどんな感想を持ったのかが伝わりづらくもなっている。
こんな時代だからこそ、ゲームの中でくらいは、「モテる」のを体験してみたい、のかもしれないし。
正直、僕が褒めたいところは、音楽と恒例の『次回予告』くらいなのだが、新作が出たことそのものに価値がある、とも思う。
まあでも、『スター・ウォーズ/エピソード7』みたいな手触りのゲームだったな……
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