いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

『三國志14』の発売日に、35年前の初代『三國志』を思い出す。


三國志14 - PS4

三國志14 - PS4

三國志14

三國志14



 本日、2020年1月16日は、コーエーテクモゲームスの『三國志14』の発売日です。PS4版とPC版。『三國志』シリーズとしては、4年ぶりの新作とのことです。
 最近のコーエー歴史シミュレーションゲームは、『信長の野望』と『三國志』が交互に発売されるのみで、僕が大好きだった『ジンギスカン』シリーズは絶えて久しく、スーパーファミコン版をオートモードにして見ていたら、3日3晩経っても延々と続いていた『提督の決断』もいつのまにか新作が出なくなり、水滸伝とかナポレオンとか源平合戦とか項羽と劉邦をモチーフにしたものもなくなってしまいました。
いまさら『団地妻の誘惑』とか『オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか?』の続編が出たら、それはそれで驚愕しますけど。


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ジンギスカン』シリーズの続編が出ない(出しにくい)理由について、シブサワ・コウさんがこの著書のなかで触れられていて、海外での売り上げの割合が増えているコーエーテクモにとっては『ジンギスカン』は、売れにくいテーマみたいです。

ひたすら相手を「説得」する『維新の嵐』とか、『太閤立志伝』シリーズも興味深い作品でした。


三國志14』は、「シリーズ35周年記念作品」と銘打たれているのですが、あらためて「あれから35年も経ったのか……」と感慨深いものがあるのです。
三國志』のパソコン版(PC8801版)が発売されたのは、1985年12月10日でした(その後さまざまな機種に移植されています)。

あの吉川英治横山光輝、NHK人形劇の世界がゲームで体験できる、ということで、発売当時は、ずいぶん話題になったものです。

このゲームが発売当時にもうひとつ話題になったのは、その価格の高さ。
フロッピーディスク2枚組で、定価14800円!!
当時のマイコンゲームの相場でも、倍くらいの価格設定でした。
ゲームソフト1本で、ファミコンの本体が買える。
シナリオ1本だけが遊べて、10000円を切る、「抄本三國志」というのもあったのです(フロッピーディスクが1つしかなくても遊べました)。

僕もフロッピーディスク付きのX1G(シャープ)というパソコンと同時に買いましたよ「三國志」。吉川三國志の大ファンだったし。
ずっとカセットテープの初代X1を使っていたので、ディスク版のゲームで遊びたい、とずっと思っていて。
なかでも、『人形劇三国志』『吉川三国志』にハマっていたため、光栄の『三國志』を遊ぶためにX1Gを買った(というか、買ってもらった)ようなものでした。
このゲーム、当時はほんとに寝食忘れるくらい面白かったです。当時は高校の寮に入ってたので、週末に家に帰った時は一日中やっていて、親にあきれられていました。

なかでも夢中になったのは「武将コレクション」。人材登用コマンドで、敵国の武将を引き抜けるのですが(知力の高い軍師のアドバイスがあれば、なお簡単)、史実からいくと絶対に考えられない曹操孔明とか、劉備―司馬慰とかの組み合わせが可能となるのです。これでオールスター武将軍団をつくるのは、楽しかったです。

初代は「火計」が強くて、敵の兵糧に火をつけて、兵糧を守っている敵将が逃げたところで兵糧を奪って離脱し、敵の大兵力を兵糧切れで敗北させる、という「山賊作戦」とかあったよなあ。「軍師が『われわれのために働いてくれるでしょう』と言うまで引き抜きコマンドを繰り返す」とか、昔のゲームには、裏ワザというか、緩さ、みたいなものがあって、それがけっこう楽しかったのです。

コンピューターに全君主を任せて、0人プレイで、ずっと眺めていしたりもしたなあ(ちなみに、0人プレイで決着がついたことは一度もありません。どんどん武将が寿命で死んでいって、時間だけが過ぎていくようになります)。
その後、続編も出て、システムもグラフィックも進化しているはずなんだけど、いちばんプレイしてて楽しかったのは、この「初代」だったような気がします。

あれから35年、か……
たぶん、全作なんらかのハードで買ってはいるのですが、最近のものはあまり印象に残っていないのです。
コーエーも同じ『三國志』シリーズのなかで、いろいろと試行錯誤していて、君主として陣取りをしていくもの(『三國志14』もこのタイプみたいです)や特定の武将になって、その人生を追体験していくものもあり、「州」単位のマップもあれば、「拠点」単位のものもある。
武将の武力重視の作品があれば、知力無双のバージョンもある。
グラフィックはどんどん進化しているのですが、その一方で、どんどん戦闘に手間と時間がかかるようになってきて、自分の時間が無くなっていくのにしたがって、コーエーの歴史シミュレーションとは疎遠になっていったような気がします。
いまのゲームとしては、それなりにリアルなグラフィックや多数の武将が必要なのかもしれませんが、最近の「新武将」とか、どこから連れてきたんだその人、って感じですし。
ちなみに、『14』では、『銀河英雄伝説』とのコラボレーションが企画されており、ヤン・ウェンリーラインハルト・フォン・ローエングラムが登場するそうです。
なんでもあり、だな、と苦笑してしまうのですが、これは、『銀河英雄伝説』の人気が高い中国市場へのアピールでもあるのでしょうね。

この35年間、新作が出るたびにプレイし、そのたびに、「なんか違うんだよな……」と思い続けてきたこのシリーズ。
それでも、また新作が出るというだけで、やっぱりワクワクしてしまうのです。
ヘタに手を出すと、「ちょっとだけやってみる」つもりだったのに、休みが潰れ、午前3時くらいになっているのだよなあ。


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三国志全一冊合本版 (吉川英治歴史時代文庫)

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  • 発売日: 2016/12/14
  • メディア: Software Download

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