昨夜、ついにプレイしてみました『ファミコレADV「シュタインズ・ゲート」』。
何それ?と思った方も大勢いらっしゃると思うのですが、これ、ニンテンドースイッチ版の『シュタインズ・ゲート・エリート』の特典として付いてきたもので、「ファミコンのアドベンチャーゲームを再現すること」に徹底的にこだわった作品なのです。
ちなみに、シナリオの基本的なところは『シュタインズ・ゲート』なのですが、この「ファミコレ版」を先に遊んでしまうと、本編のネタバレ+ディテールがかなり端折られているので、何が何だかわからないままストーリーが進んでいく、という悲劇を味わうことになりますのでご注意ください。
(要するに、先に本編をプレイしておきましょうね、ということです)
あと、この「ファミコレADV」は、完全限定版だそうで、ダウンロード版は発売日前に予約しておかないと付属せず(今からダウンロード版を買っても付いていません)、パッケージ版も購入前に特典付きかどうか確かめて購入することをおすすめします。
ちなみに、ダウンロードコードの有効期限は「2019年9月19日」です。
オープニングの「ファミコンで頑張って描いた感」を忠実に再現したグラフィック(『水晶の龍』とか『メタルスレイダーグローリー』を思い出します)と、あのオープニングテーマをPSGで可能なかぎり再現したサウンドに、まず感涙です。
ほんと、PSG音源って、なんでこんなに沁みるのでしょうか。感傷だと言われればそれまでですが。
ひらがなで語られるテキストも、あの頃感満載です。
そのわりには「常考」はちゃんと漢字になっているんですよね。
そこにシビれる、憧れるぅ!
ゲームそのものも、中途半端に次世代幾的ではなくて、僕が子どもの頃に腐るほど遊んだ、正統派「総当たりフラグ立てコマンド選択式ADV(アドベンチャーゲーム)」でした。
もちろん、途中でディスクの読み込みはないし、マップ内でキャラクターが滑らかかつスピーディに動くし、操作性は当時よりずっと良くなっています。
「おつかい」でも、これだけスムースに動ければ、めんどくささも半減です。
というか、このゲームから「おつかい要素」をとったら、一瞬で終わっちゃうだろうし。
間違って階段を上ってしまったばっかりに、1時間のロードを待たなければならないシャープX1のテープ版ザナドゥを知る僕にとっては、まさに隔世の感。とか言いながらも、『ゼルダの伝説』のときは、吹っ飛ばされて洞窟に入ってしまい、8秒のロード時間に「キィーーッ!」となっていたので、人というのは、便利にはすぐ慣れるのです。
粗いドット絵なのに、誰が描かれているかすぐにわかる登場人物の表現の妙や、短い字数で世界観を極力再現しようとするテキスト、ほうおういんきょうまの「たかわらい」!
神宮寺三郎の魔法のコマンド「タバコ すう」を思い出します。
神宮寺さんも、いつまでタバコを吸っていられるのだろうか。
「iQOS すう」に変わる日も近づいているのではなかろうか。
じっくり遊ぶつもりだったにもかかわらず、夢中になってクリアを目指してしまい、結局、2時間もかからずにトゥルーエンディング(たぶん)を迎えたのですが、僕はすごく満足しました。
これからも半年に1回くらいはプレイしようかな、と思うくらいに。
この特典って、「あの頃」に思い入れがある人以外にとっては、どう見えているのだろうか。
ふーん、もうこれで終わりなのか……とガッカリした人とかもいるのかな……
懐かしさ補正、ファミコンでよくぞここまで補正(実際に動いているのはSwitchなのですが)がなくても、「これはすごい」と思えるものなのか。
『シュタインズ・ゲート・エリート』PS4版の特典は「『STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム HD』のDLコード」なので、こちらであれば、少なくとも「ファミコレADV」の3~4倍くらいの時間は遊べそうだし。
もっとも、すでに人生の復路をひた走っている僕には、「早く終わってくれるゲーム」というのは、かえってありがたく感じます。
『ドラゴンクエスト11』とかも、「そんなにやり込み要素とか、サブクエスト要らないよ……」って思います。
「それならやらなきゃいいだけじゃないか」と言われるだろうけど、なんか気にはなるんですよ「やり残し」があると。
あらためて考えてみると、テレビゲームの世界で、RPGとADVの人気に決定的な差がついたのって、この2つのジャンルが、ファミコンでどう進化していったか、が大きいのではなかろうか。
結局、『ポートピア連続殺人事件』から劇的な進化を遂げることがなかったAVGと、『ドラゴンクエスト』から、見せ方、ストーリー、ゲームシステムと多彩な分岐と発展をみせたRPG。AVGの場合、レベル上げにかかる時間がなかったため、プレイ時間が短くなりがちだったのも、ゲームが少ない時代には、マイナスだったのではないかと思われます。
アドベンチャーゲームがその後、「ファミコンAVG的なコマンド総当たりのフラグ立てゲーム」から脱していったきっかけは、「魅力的なグラフィックと多数のキャラクターと膨大なテキストを用意して、物理的に『読む時間』をかけさせることによって、長いプレイ時間を提供する」というスタイルを確立したことだったんですよね。
その最高峰のひとつが『シュタインズ・ゲート』だったわけで、その作品が、ここで、「ファミコレADV」になったということには感慨深いものがあります。
昔のファミコンのアドベンチャーゲームって、すぐ終わるものがほとんどだったのだけれど、僕はあの時代のAVGが、とても好きでした。
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※SFC版のディレクターズカット、公式チャンネルの動画です。
fujipon.hatenablog.com
fujipon.hatenadiary.com
※伝説の「ウソ技」、『水晶の龍』の野球拳の話など。
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