なんかもう、タイトルだけで「出オチ」って感じの話なんですが。
先日(というか3日前)、うどん屋で肉うどんを注文し、運ばれてきたんですよ。
そこで、箸を割り、いざ、食べ始めようとしたのですが、さっきまでその辺りをプンプン飛んでいた数ミリくらいの小さな虫が、いなくなったことの気づきました。
よそに飛んでいったん……だよね……
と自分に言い聞かせつつ、うどんを確認すると、なんと、汁の中に、小さな虫がダイブしていたのです。
汁がかなり熱かったためか、虫はすでに息絶えており、僕はそれを割り箸でつまみあげ、しばし考えました。
僕は、このうどんをどうするべきなのか?
思い出したのは、大学時代(って、もう25年くらい前になりますね)、豪傑として知られた先輩が、学校の近くの弁当屋で買った弁当のご飯の中に、小さなゴキブリを発見したときの話でした。
先輩は、そのゴキブリと周りのご飯をよけて、あとは通常どおり、その弁当を食べ進めていったそうです。いや、味は変わらなかったよ、って。
その話を聞いた周囲の人たちの多くは「ええーっ!そんなのよく食べられますね!」「お店に持っていって抗議すればよかったのに!」と驚いていました。
とは言うものの、400円くらいの弁当のために、わざわざ店に抗議をしに行って、説明したり謝られたりするのはめんどくさい。場合によっては「あなたが入れたのでは」なんて不快な揉め事にならないとも限りません。
僕も、その話の輪に加わり、口では「それは食べられないですよねー」なんて言いながら、「さすがに食べないけど、そのまま捨てるだけだろうな」なんて考えていたのです。
僕はなぜか、「食べようとしたものに、虫がダイブしてくる」星の元に生まれてしまったみたいで、以前、『CoCo壱番屋』のカレーにハエがダイブしてきたこともありました。
いやちょっとまてなんなんだお前、そんなことしてもオレもお前もなに一つ得しないじゃないか!カレーまみれで死んでいくなんて、そんな人生(じゃなくてハエ生)むなしすぎるだろ、もっと佇むべきところが、お前にはあったはずだろ、なんてことしてくれるんだよ……
予想外の着地地点の感触に、そのハエも驚いたのか、ひたすらもがくのですが、もがけばもがくほど、カレーの海にめり込んでいく!
「ハエのレミング化について」という症例報告を書こうかと思いましたよ、というか、なぜカレーに着地する!しかも僕の!!
まあ、カレーの場合には、着地点付近は汚染されているが、周囲にはそれほど浸透していないはず、だと思われるんですよ。
でも、うどんの汁の場合には、拡散しますよね、虫エキスが。
とはいえ、数ミリ程度の小さな虫だったし、先輩のときのように、蓋をあけたらゴキブリが入っていた、というのならともかく、虫が勝手に飛び込んできたものを店に抗議する、というのも筋が違う気がします。
これには口をつけずに、新しいのを注文するか、あきらめて帰れば良いのか。
そうすると、店の人は「なぜこの人は注文したうどんに全く手をつけずに、新しく注文するのか」あるいは「口もつけずに帰るのか」疑問になるでしょうし、「何か不都合がありましたか?」と尋ねてくるにちがいありません。
その際に、謝られたり、謝るようなことじゃないですよ、と返事したりするのは、大変めんどくさい。
そもそも、僕は店で、あまり自分を印象づけたくないのです。
「常連扱い」とかされたら、もうそこには行きたくなくなる。
で、僕がどうしたかというと……
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噓です!
わざわざそんなことしないし、させません! この文章がすでに「めんどくさい」以外の何ものでもないことは自覚しております。
結局、スープにはなるべく口をつけないようにして、そのまま食べてしまったんですよね。
最初は、箸で少し麺をかき回すくらいで誤魔化そうかと思ったのですが、時間とともに、膨張してくるんだよ牧○うどん!(北部九州在住者向けネタバレ)
いや、牧○うどんが悪いわけじゃない。ただ、僕の運が悪いだけなんだ……
大丈夫、いかりや長介さんは、アフリカでハエを追い払いながら食べてたし!
あの先輩も、あれからずっと元気だし!
そもそも、あの小さな虫に、毒性なんてないはず!
万が一不都合な成分があっても、多量の汁で拡散し、薄められているにちがいない!
いやしかし、こういうのって、知らずに食べたら、どうってことなかったと思うのですが、意識しながら食べると、気持ち悪くなってくるんですよね。それは食べ物そのものというより、僕の気分の問題でしょう。
まあねえ、向こうは命がけというか、命を落としてまでダイブしてくるわけですから、あんまり責めるのも大人気ないとは思うのだけれども、ほんと、なんで僕ばっかり、みたいな気がしてくるのです。
実際は、みんな同じような体験をしているのだけれど、冷静に「交換して」って言ったり、食べずに会計したり、黙って汁まで飲みほして、静かに去ったりしているのだろうか。
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