いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

「宝石みたいなお菓子」についての覚え書き

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 「宝石みたいなお菓子」か……
 僕は大人になってからは、あまりお菓子に縁のない人生だったので、マカロンも「たぶん何度か食べたことがあったはず……」というくらいで、とくに印象にも残っていないんですよね。
 似たような名前の人が、最近フランスの大統領になったな、とかいう感じです。

 でも、子供の頃は近所の駄菓子屋に毎日のように出入りしていたので、「宝石のような」といえば、「宝石箱」ってアイスが昔あったよなあ、と、これを読んで思い出したのです。


宝石箱 (アイスクリーム) - Wikipedia

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売られていたのは1978年から83年だったそうなのですが、このCMを観て「懐かしい!」と思う人とは、しばし語り合えそうです。
そういえば、当時はコーラのヨーヨーもやたらと流行ったよなあ。

あの頃は、なんだかすごくキラキラしすぎていて、小学生男子としては、かえって買いにくかった「宝石箱」なのですが、今みると、「案外地味だな」という気もしますね。
何度か食べた記憶はあるのですが、残念ながら、あまり記憶には残っていません。


あと、「宝石箱のようなお菓子」というのを聞いて、僕の心に浮かんだのが、米原真里さんが『旅行者の朝食』というエッセイで紹介している「ハルヴァ」というお菓子でした。


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 蓋を開けると、ベージュ色のペースト状のものが詰まっていた。イーラ(小学校時代の米原さんの友達のロシア人の女の子)は、紅茶用の小さなスプーンでこそげるように掬うと、差し出した。
「やっと手に入ったの。一人一口ずつよ」
 こちらが口に含んだのを見てたずねる。
「どう、美味しい?」
 美味しいなんてもんじゃない。こんなうまいお菓子、生まれて初めてだ。たしかにトルコ蜜飴の百倍美味しいが、作り方は同じみたいな気がする。初めてなのに、たまらなく懐かしい。噛み砕くほどにいろいろなナッツや蜜や神秘的な香辛料の味がわき出てきて混じり合う。こういうのを国際的に通用する美味しさというのか、十五カ国ほどの国々からやって来た同級生たちによって、青い缶は一瞬にして空っぽにされた。
 たった一口だけ。それだけでわたしはハルヴァに魅了された。ああ、ハルヴァが食べたい。心ゆくまでハルヴァを食べたい。それに、妹や母や父に食べさせたいと思った。ハルヴァの美味しさをどんなに言葉を尽くして説明しても分かってもらえないのだ。


 これを読んで以来、一度この「ハルヴァ」を食べてみたいと思い続けているのですが、いまのところ口にする機会はありません。 
 日本でも、どこかで売っているのだろうか。
 そもそも、こんなにおいしそうなお菓子なのに、なぜ、日本ではあまり知られていないのだろうか。輸入されるか、同じようなものがつくられていても良いはずなのに!


 ちなみに、僕のお菓子ライフでいちばんインパクトがあったのは、『ドンパッチ』でした。


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「はじけるキャンデー ドンパッチ!」
 これは1979年発売で、2000年まで売られていたそうです。
 そういえば、大人になってから、「まだあるのか……」って思った記憶がおぼろげながらあります。
 CMで大変話題になったのですが、これ、袋を開けると、もうすでに中で小さなキャンディがパチパチと飛び交っているんですよね。
 第一印象としては、「これ、本当に食べられるのか?」でした。
 とりあえず僕はまだ生きているので、食べても大丈夫だったみたいです。
 これ、お腹のなかでパチパチいってたら、どうするんだろう……とか心配になりましたし、イカの生き造りも苦手だった(でも、天ぷらにするとおいしい)僕としては、この「生命っぽい感じ」がとても不安だったのです。
 キャンディとしては、そんなにおいしくもなかったし。
 でも、インパクトとしては、やっぱりこれだよなあ。
 ドンパッチの場合は、「宝石」というよりは「ばくだんいわ」みたいな感じではありますが。



旅行者の朝食 (文春文庫)

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Amazonでは売ってるんですね、ハルヴァ。米原さんが食べたのと同じものかどうかはわからないけど。
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