いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

15年近く書き続けてきた僕の「ブログが続いた7つの理由」


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1年で30%の継続率というのは、15年近くブログを書き続け、読み続けてきた僕も「そのくらいかな」と納得できる数字です。
fujipon.hatenablog.com


でもまあ、趣味なんてそんなもんじゃないかな、という気もするし、続けたら偉いってものでもないんですよね。
こういうことには向き不向きがあるし、僕の場合は、これだけ書いている時間、英会話の勉強をしていたら、とか、論文を書いていたら、とか、いろいろ思うところもあります。
僕の場合、続けてきたというより、その日その日に思いついたことを書いているうちに、いつの間にかこんなに時間が経っていた、という感じです。
そういう、行き当たりばったりなところが、あまり成果をあげられていない理由なのでしょう。


ブログって、アップロードしたものに対して、すぐに結果が出てくれるところがあるから、試行錯誤が癖になるところはあるけれど、よっぽど積み重ねていかないと、なかなか「客観的にみた財産」にはなりにくい。


とりあえず夏休み期間に入ったみたいなので、ブログを長く続けるコツ、というより(というか、頑張って続けなければならないような人は、無理してやるより、他にもっと自分に向いた趣味やサイドビジネスがあるんじゃないかと考えてみたほうが良いと思います。ブログって、間口は広いけど、それだけに競争が激しいから)、どうしてブログを長く続けることができたのか、を書いてみます。



(1)はじめた時期が早かった。


 ほんと、ファミコン版の『ダービースタリオン』と同じくらい、ブログの世界も「逃げ・先行優位」なんですよ。

fujipon.hatenablog.com

 マストドンはどこへ行った?という感じなのですが、どんなサービスでも、最初はみんな積極的に仲間をつくろうとするし、コミュニティに参加しようとします。
 そういう時期にブックマークしてもらったり、読者登録してもらえると有利なんですよね。
 そして、名前が知られていることや、すでに読者数が多いということそのものが、けっこう宣伝になるのです。
 しかし、最近のネットでは、どんな新しいサービスでも、同じような人たちが手を挙げて場を占拠してしまうし、有名人も参入してくるしで、新しい人がのし上がるには、よほどの実力があるか、大炎上商法を繰り広げるしかなくなっています。



(2)はじめて時間が経たないうちに、それなりの反応が得られた。


 僕の場合は「お金」というより、コメントとかトラックバックとかブックマークとかアクセス数だったわけですが、さあやるぞ、という時期にノーリアクションが続くと、なかなか続けられないものだと思います。
 「最低3カ月、100記事」とか言われても、まったく反応がない状況でそれができるのは、よっぽど向いている人だけでしょう。



(3)書き続けられる鉱脈をみつけたこと。


 読書感想とか毎日の食事とか日記とかっていうのは、インプットしたものをそのままアウトプットしやすいし、似たような話を書いても「また同じようなもの書きやがって」と言われにくいのです。
 ある程度定型化できるもののほうが、続けやすい。
 マンガでも、オリジナリティのあるギャグマンガ家は短命だって言うじゃないですか。 
 面白さを追求するブログというのは、ひとりでやっていると、そんなに長続きするものではありません。



(4)コンピューターやタイピングが好きなこと。


 デバイスとの相性、みたいなのって、絶対あると思うんですよ。
 僕は小学校時代、マイコンのキーボードを押すと画面に文字が出るということそのものに関心したクチなので、こうやってリズミカルにキーボードを打つことそのものが楽しいのです。紙の日記帳だったら、こんなに長続きしていない(というか、長続きしていなかった)。
 


(5)過疎にも人気にもなりすぎない。


 率直なところ、ブログって、「これから何かをやろうとする人」と「何かをやってきて、とりあえず落ち着こうという人」の踊り場、という感じがします。
 ものすごく力がある人は、ブログをステップにして、他の仕事に結びつけているし、枯れていく人は、ブログからも去っていく。
 人気になりすぎると、いろんなバッシングをされたり、めんどくさいことに巻き込まれたり、一度稼げるようになった収入を維持するために、どんどん歪んでいったりするのです。
 ちきりんさんみたいに「ブログが中心で、本もブログへの集客目的」という人もいるのでしょうけど。



(6)読んでくれる人と適度な距離を保つ。


 つかずはなれず、見て見ぬふりをする、そういうのって、波風を立てないためには、とても大切です。
 ブログに限った話じゃありませんが。



(7)長い間続けていることが、さらに続けるためにはプラスになる。

 
 長い間やっていると、急に話題になって盛り上がることもありませんが、多少的外れなことを書いても、大目にみてもらえる可能性は高いのではないかと感じるのです。
 そして、「過去の蓄積を利用して、新しいエントリを書ける」というのは、けっこう助かるんですよね。
 読む人はどんどん入れ替わっているし、昔のエントリを語尾だけ変えてアップロードする「ひとりバイラルメディア戦略」とかも、たぶんやろうと思えばできるんじゃないかな(僕はとりあえず、やらないけれど)。
 まあ、わざとじゃなくても、同じような話ばっかり書いているな、とは自分でも思います。


 こうして挙げていくと、ブログを長く続けられるか、なんていうのは、本人の実力や努力というよりは、相性と運とタイミングであり、タイミングという点では、いまからブログをはじめるのは有名人でもないかぎり有利とは言い難いので(そして、いまが旬の有名人にとっては、自分の言葉でブログを書くのはリスクが高すぎることが多い)、富や名声をお望みなのであれば、他の方法のほうが(あるいは、他の方法を実現するための手段のひとつとしてブログを使うほうが)近道ではないかと思う次第です。


 個人のアルバムとしてのブログはさておき、ブログで「社会的な成功」をおさめられるとアピールする人たちは、「契約メーカーのシューズを買ってもらうために、『マラソンって素晴らしい、みんなやるべき!』って言っているマラソンランナーみたいなもの」だと思っておけば、間違いないんじゃないかな。
 向いてない人はやらなくてもいいし、ずっと続けている人の大部分は「続いてしまった」だけだから。
 こういう時代だからこそ、ブログよりも、「結果が出るのに時間がかかる、勉強や研究」のほうが、長い目でみれば人生をマシなものにするんじゃないかな。


 ブログを書きながら勉強や研究をしても良いのだけど(相乗効果を生むこともあるし)、ブログは「何もやっていないのに、何かをやったつもりになりやすい」ツールだということは、忘れないほうが良いのではないかと思います。


fujipon.hatenadiary.com

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