この記事を読んで、僕はちょっと意外だったのです。
『ぐるりみち。』を読んでいて、2017年にいちばん印象に残ったのは、この記事だったんですよ。
ブックマークもたくさんついているし、この本は何位だったんだろう?
あれ、ランクインしていないのか……
僕も読書感想のブログをけっこう長い間やっているのですが、感想を書いている側の思い入れや評価と、その本がブログ経由で売れるかどうかというのは一致しないものなのだろうか、と疑問になったので、自分のブログ経由で売れた本を調べてみました。
いやまあ、そんなにものすごく売れているわけでもないし、別に僕のブログ経由で買ってくれなくても、近所のリアル書店で手にとっていただければ十分なのですが。
とりあえず、自分が紹介した本を読んでくれる人がいる、買ってくれる人がいる、というのは、読書感想ブログ冥利に尽きるところではあります。
2017年に『琥珀色の戯言』『いつか電池がきれるまで』経由で売れた本(紙の本、Kindle合計)ランキング
<第10位>国会女子の忖度日記: 議員秘書は、今日もイバラの道をゆく
fujipon.hatenadiary.com
<第9位>人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?
fujipon.hatenadiary.com
<第8位>もうひとつの浅草キッド
fujipon.hatenadiary.com
<第7位>江戸の長者番付
fujipon.hatenadiary.com
<第6位>未来の年表 人口減少日本でこれから起きること
fujipon.hatenadiary.com
続いて、1位から5位です。
<第5位>バカ論
fujipon.hatenadiary.com
8位にもツービート時代ことをビートきよしさんが書いたものがランクインしているので、たけしさんの話に興味を持つ人は多いということを思い知らされます。
<第4位>女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと
fujipon.hatenadiary.com
もともと話題になり、売れてもいた本で、人生の指南書として役に立つ一冊。
ある意味、売れるべくして売れた本、ではありますよね。
これはこれで、「西原理恵子さんのように生きる」のも、けっこう大変ではあると思うのですが。
<第3位>読者ハ読ムナ(笑): いかにして藤田和日郎の新人アシスタントは漫画家になったか
fujipon.hatenadiary.com
これは、今回調べてみて、予想外に売れていた本。いまちょうど「漫画家とアシスタントの関係」が話題になっていますが、こういう「人を育てることをやりがいのひとつにしている漫画家」もいるのだなあ、と。「あの人の下で勉強したおかげで、自分はモノになった」という気持ちになれば、若いころの厳しい指導や経済的な条件の悪さって、埋め合わせができてしまうものなのではありますよね。
この本が上位だったのは、このエントリのほうが効いたのかも。
<第2位>サピエンス全史
fujipon.hatenadiary.com
本は面白かったし、感想もけっこう読んでもらえたし、売れたしで、なんだかもう言うことなし、という感じでした。
仮想通貨バブルって怪しいよな、と思うのだけれど、この本のことを思い出すと、「通貨」そのものが共同幻想ではあるのですよね。
<第1位>サギ師が使う 人の心を操る「ものの言い方」
fujipon.hatenadiary.com
実は、このエントリを書いたのは、1位がこの本だったのが、僕にとってはものすごく意外だったからなのです。
☆三つだし(最高は☆5つ)、そんなに熱心に紹介したわけでもないのに、かなり売れていて驚きました。
参考までに、『琥珀色の戯言』の2017年のベスト10を御紹介しておきます。
fujipon.hatenadiary.com
ベスト10のなかで、売上でも10位以内に入っているのは『人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?』だけでした。
紹介する側がヒートアップして「これいいですよ!」って長すぎる感想を書いている本というのは、案外、手にとってもらえないことが多いみたいです。
むしろ、一歩引いて「こんなことが書いてありますよ」っていう紹介をしたほうが興味を持ってもらえる。
そして、「私はこんなに感動しました!」よりも、「こういう人に役に立つ内容です」「あなたにとって、プラスになるはず」という本のほうが、売れるという傾向がありそうです。
あらためて考えてみれば当たり前のことで、思い入れがありすぎる本の紹介というのは、誰も聞いてくれない選挙演説のようになりがちです。
聞く側は、「この話、自分に何かメリットはあるのか」で判断するのが当たり前ですよね。『ぐるりみち。』さんのランキングをみていても、深刻な話やノンフィクションよりも、自己啓発書や処世術のほうが売れやすいのではないかと。
(マンガに関しては、僕はあまり採りあげないし、詳しくもないので言及を控えます)
感想を書いていると、「こんなに良い本なのに、がんばって感想書いたのに、反応ないなあ」って思うことが少なからずあるのです。
でも、それは「必然」というか、「熱くなりすぎているからこそ、うまく伝わらない」のかもしれませんね。
ネットで本の感想を書いているひとりとして、こういう「温度差」があるのだなあ、というのが興味深かったので、便乗して書いてみた次第です。
こういう話、ネットで「売りたい」人には、参考になるところもあるのではなかろうか。
読者ハ読ムナ(笑) ?いかにして藤田和日郎の新人アシスタントが漫画家になったか?
- 作者: 藤田和日郎,飯田一史
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/09/30
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: ユヴァル・ノア・ハラリ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/09/16
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (14件) を見る
サギ師が使う 人の心を操る「ものの言い方」 (イースト新書Q)
- 作者: 多田文明
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2017/10/05
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る