いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

2018年の『いつか電池がきれるまで』を振り返る


2018年も、残りわずかになりました。
年末恒例の企画として、2018年の『いつか電池がきれるまで』のなかの10個のエントリを紹介しつつ、今年を振り返ってみます。



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 何物にも依存せずに生きていくっていうのは、本当に難しい、というか無理だと僕は思うんですよ。
 そんななかで、何を生きる杖にしていくべきか。
 さすがに、パチンコは「生きがい」としては薦めがたいけれど。



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 予想外に反響があって驚いた記事。いまの基準で古典芸能のアウト、セーフを語るべきなのか。今後も落語は地道に聴き続けていこうと思います。



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 何者かになる/ならない/なれない、というのは、いまの時代を生きている人間にとって、ずっと大きなテーマであり、プレッシャーになり続けているような気がします。


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 今年、国境なき医師団の人たちの本を読んだのですが、本当は、「本気で他人のために役に立とうという意思と覚悟があれば、人は『何者か』になれる」のかもしれませんね。



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 これも、ぜひ知っておいて、というか、どこかでこんな話を見た、ということだけでも、記憶の片隅に置いていただければ、と思います。
 職場の飲み会でもアルコールを無理にすすめられるようなことはなくなり、だいぶ世の中は変わってきている感じはしますが、その一方で、ストロングゼロが大ヒットしていて、「ひとりでアルコールに溺れてしまう人」は増えているのではなかろうか。



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 相変わらず、僕はミッドライフ・クライシスを生きています。
 年を取れば心穏やかに過ごせる、なんて嘘だよなあ、と毒づきながら。



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 僕は川上量生さんという人に対して、「身勝手で一方的なシンパシー」を抱き続けているのです。
 川上さんの善意と今持っている力を、もっとうまく活かす方法がないものか。



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 「私たちは、複雑さに耐えて生きていかなければならない」
 きっと、年号が変わっても、このことは変わらないのだろうと思います。



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 この話を避けては通れない、と思う一方で、こういうことさえ、コンテンツにしてしまおうとする自分の業の深さを考えずにはいられませんでした。



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 良くも悪くも、何かを言おうとすれば、それに対する反応があるのは当たり前のことなのでしょう。
 結局のところ、他人に「行儀よくしろ」なんて言う権利も言われる筋合いもない。
 ただ、この行きつく先は「俺に批判させろ」vs「金のためなら炎上上等」のインターネットではなかろうか。



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 インターネットって、言葉の世界であり、「論理的であること」や「相手を論破すること」が重んじられやすいと僕は感じています。
 その一方で、その「論理」の根拠は、本人たちが思っているよりも、ずっと脆弱で、限定的であることも多いのです。
 頭がいい、賢い人だからこそ踏んでしまいやすい地雷、自分自身を洗脳してしまうきっかけみたいなものが、いまの世の中には、オウムの時代よりも、たくさん埋められている。
 その危険に「気づく」きっかけもたくさん存在しているのだけれども。



 というわけで、2018年に書いた、10個のエントリを並べてみました。


 僕にとって、いちばん長く生きてきた「平成」という時代が終わっていって、環境が変わったり、気力・体力の衰えの自覚と、それでもまだもうひと踏ん張りしなくては、という気持ちが入り混じったりしているわけですが、昔からのネット民のひとりとして。


 いま、ちょうど紅白歌合戦で、松任谷由実さんがステージで歌っておられます。
 僕は、それを聴きながら、大学に入学したとき、同級生の女の子が、よく聴くCDとして、ユーミンの『Delight Slight Light KISS』の話をしていたのを思い出しました。ああ、この子は僕より、ちょっと大人なんだな、という気がして、少しせつなかった。
 aikoさんが泣いちゃう気持ち、なんかわかるなあ。
 たぶん、こういう「他愛もないけれど、自分にしか書けない記憶の断片」みたいなものが、僕にとって、「書き残しておきたいこと」なのでしょう。たとえ、誰にも読まれなくても。


 いつか、電池がきれるまで。


 それでは皆様、よいお年をお迎えください。


Delight Slight Light KISS

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約束された場所で (underground2)

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