いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

『よゐこチャンネル』とテレビ、ラジオ、ネット動画の未来

natalie.mu
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 あの「よゐこ」がYouTuberに!
 とはいえ、もともと、任天堂公式チャンネルの『〇〇生活』(マインクラフトなど)で大人気でもあり、子どもたちには、テレビ(『めちゃイケ』も終わってしまいましたし)よりも、動画でふたりを見ることのほうが多いのかもしれませんね。
 去年の大晦日に、テレビ朝日系列で「無人島」が放送された際も、番組と並行してYouTubeで生中継されていましたし、昨年の秋から今春まで、プロ野球のオフシーズンの間に、毎週木曜の夜にニッポン放送でオンエアされていた『よゐこオールナイトニッポン』のなかでも、濱口さんは「よゐこの放課後トーク的な芸風は、YouTubeとすごく合っている気がする」と仰っていました。
 
 僕は『よゐこオールナイトニッポン』を毎週楽しみに(ラジコで)聴いていたのですが、プロ野球開幕とともに、終わってしまって寂しかったんですよね。
 まさか、こういう形で「ラジオ番組とYouTubeの動画」の合わせ技みたいな番組を始めることになるとは。


 これまでも、人気芸能人がYouTuberとして活動する、というのは少なからずあって、元SMAPの3人のメンバーは、かなり精力的に活動しています。
 そのほかにも、自己啓発系のコンテンツをやっている人気芸人もいますよね。

 そんななかで、よゐこが自らのチャンネルで立ち上げたコンテンツは、「動画付きのラジオ番組」という印象を受けました。
 もちろん、視聴者のニーズに合わせて、これからはゲームへの生挑戦というような「十八番」のコンテンツも登場してくるかもしれませんが、それはそれで、いまの彼らにとっての生命線である『ゲームセンターCX』や『ニンテンドーチャンネル』との利益相反になる恐れもありますよね。
 個人的には、ふたりの雑談的なものがいちばん好きなのですが、YouTubeだと「絵がある」ことで、かえって難しいところもありそうです。


 『よゐこチャンネル』を観て(聴いて)いて感じたのは、これまでの芸能界では、「番組制作者に認めてもらって、地上波(あるいはCS)で起用してもらう」ことが必要だったのが、これからは、「自分たちでコンテンツ(番組)を勝手につくって、直接視聴者にアピールする時代」になっていくのではないか、ということでした。
 もちろん、地上波のお金をかけた番組などと同じようなところを目指すのは難しいところはあるのでしょうけど、ラジオ番組であれば、局のオーディションを受けて番組を持つよりも、自分たちで先に番組をつくって配信してしまったほうが、手っ取り早いですよね。
 正直、この『よゐこチャンネル』に関しては、よゐこの大ファンである僕の長男(小5)も、「ゲームをやらないといまいち」とか「長すぎる」と言っていますし、僕も「うれしいけど長いな」と思ってはいるのです。
 YouTubeの動画って、「密度」がけっこう求められるところがあって、個人的に見やすいのは10分から20分くらいの長さなのです。
 そのあたりは、今後、最適な時間、内容というのが試行錯誤されていくことになるのでしょう。

 よゐこクラスの芸能人でも、テレビやラジオの番組の枠を獲りに行くのではなく、ネットでコンテンツを配信するようになってくると、テレビやラジオとネット動画の境界というのは無くなっていくのでしょうね。
 それは刺激的なことではあるけれど、既存のYouTuber、あるいは、これから新規参入を考えている人たちにとっては、「すでに多くのファンを抱えている人がどんどんやってくる」というのは、脅威にちがいありません。
 その一方で、スイッチを入れればすぐに観られるテレビというコンテンツの「強さ」を再認識させられることも多いんですよね。
 正直、ネット動画がテレビより「強い」のは、現状、下世話なコンテンツかゲーム配信かヒカキン的なものかギャンブルしかない、というのが僕の実感です。

 ただ、コンテンツによっては、「ネット動画のほうが、ラジオ番組よりも多く観てもらえるし、出演者もお金を稼げる」というくらいのスケールにはもうなってきていると思うし、ラジオ番組としては難しいけれど、同じことをネットでやれば、十分にコストを回収できる事例もあるはずです。
 ネットでは、芸能人にとっても、観客側にとっても「ちょうどいい小商い」が成立する可能性があるのです。

 『よゐこチャンネル』って、けっこう、大きな変化のきっかけになりそうな気がしています。


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