いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

家庭用パソコンには、「内蔵DVDドライブやOfficeは要らない」のか?


pc.watch.impress.co.jp


 僕が現在メインに使っているのは、3年前に買ったレッツノートブルーレイディスク付き)なのですけど、たしかに、買うときは「ブルーレイ、せめてDVDドライブくらい内蔵していたほうが良いだろう」と思った記憶があります。
 外付けでも良いのでは、という意見に対しては、「なんのかんの言っても、外付けだと、繋ぐひと手間がけっこうめんどくさく感じたり、持ち運ぶときにけっこうかさばったりする、というのもあるんですよね。接続ケーブルとか、必要なときにかぎってなくなるし。
 買うときには、出張先などで録りだめていた番組を観る、というようなことを想定していたわけです。
 これからのものはストリーミング配信でも良いだろうけど、これまでのディスクの蓄積を消化するためには必要だろう、と。
 ソフトも、昔買ったDVDがけっこうたくさんありますし。

 実際に使ってみると、確かにDVDはそんなに使わない。でも、全く使わない、というほどでもない。
 個人的には、「価格差を考えれば、付いているほうを買って正解だった」と思います。
 まあ、今のパソコンの価格を考えると、カスタマイズのレッツノートなんて、パソコンを仕事の道具、あるいは、欠かせない趣味のアイテムだという人が買うものではあるのでしょうけど。


 3か月くらい前に、長男が、パソコンでゲームをしたい、と言い出したのです。
 じゃあ、うちにあるパソコンでやったら?と言ってはみたものの、やりたいゲームの推奨スペックを確認すると、かなり奮発してメモリを増設し、いろんなものを付けたはずのレッツノートなのに、まったく動きそうにない。

 僕自身もパソコンゲームに興味がわいてきたので、ゲーミングPCを購入することになって、専門店に行ったのですが、ゲーミングPCは基本的にものすごく大きいんですね。
 値段はそんなにムチャクチャ高い、というわけじゃないけれど、僕の心の友、初代X68000よりもデカいデスクトップが鎮座しているのをみると、「こんなのじゃなきゃダメなのか……」と驚きました。これじゃあ、寝室に持っていってゴロゴロしながら遊べない。
 もちろん、ノートのゲーミングPCもあったのですが、性能を考えるとデスクトップよりもかなり割高になり、持ち運びに適しているとは思えないサイズでした。
 僕は「それでも持ち運びやすいノートのほうが良いんじゃない?」と提案してみたのですが、息子は「いや、性能が良いほう!」と強く主張したため、結局、巨大なデスクトップPCを買うことに。そう言っていたわりには、息子はニンテンドースイッチがメインで、パソコンは申し訳程度に触っているだけなんですけどね。むしろ喜んでいるのは僕のほうで。
 でも、KOEIのシミュレーションゲームに、ゲーミングPCのスペックが必要なんていうのは、ちょっと腑に落ちない気もします。持っていない人はプレステ4でやれ、ということなのか、中途半端なグラフィックで出したりすると、ガチPCゲーマー勢から、「せっかくパソコンでやるんだから、これじゃ意味ないだろ!」と責められるのか。

 
ちょっと前に、こんなエントリを書きました。

fujipon.hatenablog.com

池上彰さんが、「最近の若者はみんなスマホタブレットを使うため、パソコンが売れなくなっていて、新入社員のパソコンのスキルが落ち、WordやExcelが使えない」という話をされていたのです。


冒頭のエントリにも、パソコンの内蔵DVDドライブよりも、プリインストールされているOfficeのほうが不要なのでは?というブックマークコメントがついていました。

b.hatena.ne.jp


確かに「仕事でOfficeを使う人」以外にとっては、要らないものですよね、しかも、高価だし。

あらためて考えみると、持ち運びやすさやYouTubeAmazonプライムなどの動画観賞、メールやちょっとした買い物やネットサーフィン目的ではれば、スマートフォンタブレット端末で十分なわけです。いちいち電源を入れる手間もないし。
そして、重量級のゲームをやったり、動画を編集したりするには、「モダンPC」では機能的に足りない。

正直なところ、「モダンPC」というのが何を目指しているのか、僕にはよくわからないのです。
逆に言えば、現在の「(非ゲーミングの)家庭用パソコン」の主な守備範囲って、僕のように多量の文章を書きたい人か、多量のメールのやりとりをしなければならない人、Officeを仕事で使う人、家族の写真など日常のデータをこまめに整理したい人、そして、テレビ+DVDレコーダー代わりにしている人、くらいです。

そして、スマートフォンタブレット端末は、どんどん家庭用パソコンにしかできなかったことを減らしていっています。

外国のことはわからないけれど、いまの日本では「Officeや内蔵DVDドライブこそが、家庭用パソコンの存在意義」になっているのです。

時代がひとまわりして、あと20年もすれば、「パソコンを扱えること」そのものが特殊な技能になる時代がくるのかもしれません。


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