いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

僕と「失恋ソング」

2018年3月21日に放送された、NHK-FMの「今日は一日“失恋ソング”三昧2018」がすごく面白かった。

www4.nhk.or.jp


僕も全部聴けたわけじゃなくて、全体の半分くらい(主に後半)しか聴いていないのだけれど、後半の有働由美子さんと山下達郎さんのトークは本当に面白かった。


fujipon.hatenadiary.jp


こちらの方でいろいろ書いてしまったのだけれど、書き足りないところも多々あるので、ここにも書いておこう。

「失恋」じゃない話も多かったのだけれど。
山下さんは、有働さんみたいな理知的というか、感情が溢れつつも、論理も失わない女性が好きというか、話しやすいのかもしれない。


山下さんが「夫婦円満の秘訣は」と問われたときに、「人間というのは、言葉でしかコミュニケーションできない存在だから、言わなくてもわかるだろう、とかじゃなくて、とにかく言葉を尽くして徹底的に議論じゃないけど話し合うこと」と仰っていた。
それに対して、有働さんが、「でも、そういう論理的な姿勢が通じない人もいますよね……」と問いかけると、山下さんがひと言。


「それは、相性が悪い!」


これには思わず布団の上で転げ回ってニヤニヤしてしまいました。


まあ、そうですよね。


でも、それって結局、「相性の良い人を選びなさい」ってことであり、それがわからなかったり、お互いに途中で「こんなはずじゃなかった」ということが起こりうるのが人間関係というやつではあるのでしょう。


僕は基本的に恋愛云々について他者に語れるほど経験豊富ではないし、この年になっても、それがどういうものなのかよくわからないんですよ。
「恋愛相談」とか、したこともされたこともないのは、たぶん、「そういうもの」を惹き付ける引力みたいなものが備わっていないのだと思われます。
恋愛小説も、「歴史小説だったら、もっと効率よくたくさんの人生を読めるのに、時間のムダだな」とか思っていましたすみません。今では、いちおう読んでいるフリくらいはできるようになりました。
ああ、人間失格


そんな僕でも、いちおう、「心に残っている失恋ソング」というのがあるのだな、と、この番組を聴きながら思い出したので、3曲だけ書き残しておきます。というか、この3曲しか思い浮かばない。



ズル休み

ズル休み

誰かを好きになる、ということが長い間よくわからなかった僕が、まわりくどすぎる経過の末に振られてしまったとき、流れてきたのがこの曲でした。
運転しながら涙が止まらなくなって、車を停めてしばらく号泣。
自分のなかでは、うまくいかなかったことだけれど、それはそれで自分の中の壁をひとつ破った、こういうものなのだとわかった、そんな気持ちもあったのです。
でも、その壁の向こうにあったのは、底抜けの淋しさだった。



すばらしい日々

すばらしい日々

♪きみはぼくを忘れるから〜以下のフレーズは、わかるんだけど、わからないというか、なんだか漫画『キャッツアイ』のラストって、そんな話だったよな、とか、そう思いながらも、しんみりしてしまいます。
僕は基本的に「他人からは忘れられたい人間」なのですが、自分自身では、なかなか忘れられないところがある。
いま、あらためて考えると、このフレーズって、「君は僕を忘れないかもしれないから、僕はずっと君に会いに行くことはできない(会いに行ってはいけないんだね)」って意味なのかな、とも思うんですよ。
ユニコーンすごかったな、と最近よく思い出すのですが、この曲は、本当に心に沁みる。沁みすぎて、コンディションが悪いときには、スキップせざるをえない。



ロマンスの神様

ロマンスの神様

かなり救いようのないふられ方をした帰り道、ラジオからこの曲が流れてきたときには、涙ながらに大声で一緒に歌った記憶があります。
また、そういうときにかぎって、流れてくるんですよこれが。
なーにがー ろまんすのかみさま だーーー!
でも、歌い終えたら、少しだけ元気が出たんですよね。
ショック療法、とでも言うべきか。


なんでこんな柄にもない話を書いているかというと、「今日は一日“失恋ソング”三昧2018」があまりに面白かったのと、他に書きたいことが思い浮かばなかったからです。

いいかい、君に同情して泣いたわけじゃないんだ。僕の言いたいのはこういうことなんだ。一度しか言わないからよく聞いておいてくれよ。


僕は・君たちが・好きだ。 (村上春樹風の歌を聴け』)

なんなんだ今日は。
明日からは、猿のDJに戻ります。


fujipon.hatenadiary.com

OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜(通常盤)

OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜(通常盤)

ザ・ベリー・ベスト・オブ・ユニコーン

ザ・ベリー・ベスト・オブ・ユニコーン

アクセスカウンター