今日の昼間、この記事を読んで、けっこうしんみりしていたのです。
2014年7月のエピソード。
スマスマで最後の撮影をして、みんなで四谷の焼肉屋で乾杯して、明け方、外に出て全員でカメラに向けてお尻出して写真撮ったよね。強烈に覚えています。あれが6人で最後のSMAP。
この「外に出て全員でカメラに向けて尻出して写真を撮った」を読んで、ほんと、若いよね、バカだよね、ちくしょう、青春じゃねえか。なんか、SMAPも、こういうときは僕とそんなに変わらないんだな、だって同世代だもんな、とか、自分のこともいろいろと頭に浮かんできて。
あの頃は、SMAPも僕も若かった。
あれから、僕は、何かを信じてこれたかなぁ。
今夜の『SMAP×SMAP』の冒頭は生放送で、「解散騒動」について、5人が並んでコメントしていました。
並び順は、向かって左から、中居、草なぎ、木村、稲垣、香取(敬称略)。
木村拓哉がセンターポジションで、最初の簡単な状況説明と「まとめ」をやっていたのと、リーダーであり、ふだんは真ん中にいることが多い(いつも真ん中、というわけではないのだけれど)中居正広が向かって左端で神妙な表情をしていたのが、今回の事態におけるSMAP内での力関係の変化、みたいなものを象徴しているようにもみえました。
香取慎吾は緊張しているのか、何か釈然としないものを抱えているのか、カメラに向かって斜めに構えて、目線も合わせず、喋っている途中で言葉に詰まっていたんですよね。
冒頭のファンからのメッセージを聞いて、「この流れで『解散します』なんて言ったら鬼畜の所行だろう、これは存続だな」というのは、わかったのだけれど、それにしても、歯切れが悪いというか「SMAPは解散しません!」とは、誰も明言しなかったんだよなあ。
以下、生放送での5人のコメントの書き起こし。
木村拓哉:今日は2016年1月18日です。先週から、われわれSMAPのことで、世間をお騒がせ…しました。そして、たくさんの方々に、たくさんのご心配とご迷惑をおかけしました。
このままの状態だと、SMAPが空中分解になりかねない状態だと思いましたので、今日は、自分たち5人が、しっかり顔をそろえて、みなさんに報告することが、なによりも大切だと思いましたので、本当に勝手だったんですが、このような時間をいただきました。
稲垣吾郎:ええ、このたびは、僕たちのことで、お騒がせしてしまったこと、申し訳なく思っております。これからの自分たちの姿をみていただき、そして、応援していただけるように、精一杯がんばっていきますので、これからも、よろしくおねがいいたします。
香取慎吾:本当にたくさんのファンの方々に心配をかけてしまい、そして、不安にさせてしまい、本当に申し訳ございませんでした。
(しばらく言葉が出ず)
みなさまと一緒にまた、今日から、いっぱい笑顔をつくっていきたいと思っています。よろしくおねがいします。
中居正広:今回の件で、SMAPが、どれだけみなさんに支えていただいているのかということを、あらためて、強く感じました。本当に、申し訳ございませんでした。
これからも、よろしくおねがいいたします。
草彅剛:みなさんの言葉で、気付いたこともたくさんありました。本当に感謝してます。今回、ジャニーさんに謝る機会を木村君がつくってくれて、いま、僕らはここに立ててます。5人でここに集まれたことを、安心してます。
木村拓哉:最後に、これから、自分たちは、何があっても、前を見て、ただ前を見て進みたいと思いますので、みなさん、よろしくおねがいいたします。
中居さんまでの4人のコメントは「騒がせてごめんなさい」と謝ってはいるけれど、「解散しない」とは言っておらず、まだ微妙な情勢なのだろうか、と思ったんですよね。
草彅さんのコメントによって、木村さんの仲介で、4人がとりあえずジャニーさんに直接謝罪したことと、それによって、解散は回避できそうな状況であることは伝わってきました。
そして、この草彅さんのコメントは、巷で報道されていたこと(事務所とのトラブルで解散の危機にあり、木村拓哉だけが残留の方向だった)が基本的には事実であることを認めたものです。
とりあえず、解散を回避できそうなのは良かった。
どうも、僕は自分で思っていたよりもずっと、SMAPのことが好きみたいです。視聴者からの手紙にもあったけれど、僕と同世代の男たち(カッコよさは雲泥の差だけど)が、40歳とかになっても「なんかワチャワチャしてる」のを見ると、自分が年齢とともに失ってきた人間関係のことを、ちょっと思い出すところがあって。
ただ、今日の会見の時点では、5人のあいだに「序列」とか「わだかまり」みたいなものを感じたのも事実で、これからどうなっていくのだろう、とも思うのです。
単に緊張していただけ、なのかもしれないけれど。
報道されていることが事実であれば、中居さんたち4人は「木村さんさえ同意すれば、SMAPのままで独立できる」というところまでいっていたわけで、それが、こういう形で、SMAPを維持するために「4人のほうが、ジャニーさんに謝る」という決着になったことに、無念さはあるはず。
そもそも、SMAPのマネージャーとジャニーズ事務所の「お家騒動」に関しては、外野からみている僕からすれば、どちらが正しい、と言い切れるようなものではありません。
でも、どちらかというと、「血筋」だけで威張っているようにみえる事務所の人より、SMAPのために尽くしてきたマネージャーのほうに共感していたんですよね。
メンバーだって、ずっと現場で支え、アイドル冬の時代に自分たちの居場所をつくってくれた人に恩義は感じてたのだろうし、事務所の偉い人(というか副社長たち)の、このマネージャーへの仕打ちは、あまりにも冷酷にみえました。
ここ数日の新聞社系のニュースをネットでみていて、ものすごく違和感があったのは「SMAP解散を回避するには、世論を味方につけて、独立派の4人が事務所に詫びを入れるしかない」という報じられかたをしていたことです。
今回の解散危機に対する世間の「SMAP解散しないで!」という叫びは、ジャニーズ事務所にも、SMAPのメンバーたちにとっても「予想をはるかに超えていた」のではないかと思われます。
考えてみてください。
「SMAPを解散させない」ためには、「木村拓哉も一緒に独立する」という方法だってあるはずです。
4対1、という比率を考えれば、そのほうがむしろ自然でしょう。
にもかかわらず、マスメディアの多くが、その選択肢は存在しないように振る舞っていました。
事務所はSMAPの名前を使わせない、という可能性もありますが、もし独立したSMAPの側が「使わせてほしい」と懇願すれば、「世論」が強く後押ししてくれるはず。
そうなれば、ジャニーズ事務所も「人気商売」ですから、折れる可能性が高いのではないかと。
もしかしたら、「芸能事務所という魑魅魍魎が跋扈する業界の常識を、世論が変えられるチャンス」を逃してしまったのかもしれません。
なんというか、僕は「解散が回避されてよかった」と思うのと同時に、「こんなふうに外堀を埋められるような形で『存続』することになったのは、彼らにとって、本当によかったのだろうか?」と考え込まずにはいられないのです。
「世論」の希望は「ただ、SMAP解散を回避してほしい」だけで、その世論が、「事務所のお家騒動に伴うSMAP解散をやめさせた」のは間違いない。
でも、「世論は、SMAPをジャニーズ事務所に縛り付けるために利用されてしまった」とも言える。
SMAPについて語っているほとんどの人は、今回のジャニーズ事務所のやりかたに違和感・反感を持っていたようにみえたにもかかわらず。
これだけの騒ぎになりながらも、「バルス」にも耐えたTwitterが久々に落ち、クジラ一匹、という感じで収束に向かっていきそうな今回の騒動なのですが、今回の件で生まれた「序列」は、時限爆弾のようなものかもしれませんね。
そういうのって、一度意識し始めると、どうしてもギクシャクしてしまうのです。
もう、心からの「5人でワチャワチャ」は、できなくなってしまうのだろうか。
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