いつか電池がきれるまで

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「オワコン化した」日本の実写映画で、最近10年間の「いま観ても面白い」7作品


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日本における映画の歴代興行収入ランキングで、「日本の実写映画」として、唯一トップ10に入っていた『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年)が、ついにトップ10から姿を消した。


そうか、ついに「日本の実写映画」が日本の歴代興行収入トップ10には1作もなくなってしまったのか……
けっこう面白い作品もあるのになあ……

確かに、最近の映画界を席巻しているのはアニメ、とくに邦画のアニメ作品で、子どもの頃『東映まんが祭り』で、「『マジンガーZ VS グレートマジンガー』って、どっちが強いのかなあ……えっ、作中では全然勝負してないじゃん。自分たちでケンカして上映時間を稼ぎまくる『アベンジャーズ』を見習えよ!」とか、『ドラえもん』が映画になるのか……タイムマシンがCGで!CGってすごいよなあ……という体験をしてきた世代にとっては、まさに隔世の感があります。
(すみません、『アベンジャーズ』の件は後世の歴史家(僕)による捏造です。ジョン・タイターでもなければそんな感慨は抱けない)


と、おそらく大部分の人にはよくわからない話からはじめてしまったのですが、僕は冒頭の記事を読んで思ったんですよ。
日本の実写映画にも、良い(面白い)作品はたくさんあるのになあ、って。

ということで、夏休みでもありますし、配信サービスなどで過去の作品も観やすい時代ですから、僕のおすすめの日本の実写映画を挙げてみます。

今回は、「2015年から、映画館で僕が観た邦画の実写作品」(近10年に映画館で観た作品)という条件にしました。
「テレビ放映や配信で観た」まで加えると、あまりにも数が多くなりそう+観たときの記録(記憶)が残っていないので。


数が多すぎて、選ぶのに困るよなあ、と予想していたのです。
ところが、実際にブログに残っている「観た映画」の記録を確認してみると、僕はあまり実写の邦画を観ていない、ということがわかりました。

コロナ禍もあり、実写の邦画作品の数が減っていた、とか、日本の実写映画にはマンガや小説が原作のものがほとんどで、人気アイドルをキャスティングしたキャラクターものや青春・恋愛ものが多く、僕は恋愛ものやコメディ映画を積極的には観ない、という事情もあります。
ずっと苦手なんですよね、恋愛ものって。「赤の他人どうしがくっつこうが離れようがどうでもいいや」としか思えない。うーん、基本的に「邦画に向いていない」ということなのでしょう。

というわけで、前置きが長くなりましたが、「(たぶん)2025年に観ても楽しめる、最近10年間の日本の実写映画」7作をご紹介します。


(1)幕が上がる(2015)

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「人気アイドルを起用した青春ものは苦手」と言っておいて、初手にこれかよ!と自分でも思うのですが、原作にあった「恋愛要素」を削ぎ落したことで、あの時期にしか演じられない、『ももクロ』のメンバーたちの「瞬間」とシンクロした青春映画。

これは、きっと「今」しか撮れない映画なんだよなあ。
 あと何十年か後、「ももクロ」の人たちは、そのとき何をやっているかはわからないけれど(芸能界で活躍している可能性はあるけれど、さすがにもう「ももクロ」はやっていないだろう)、きっと、この映画、この5人で教室で話しているシーンのことを、懐かしく思い出すことができるはず。
「あのとき、みんなで一生懸命演技の練習をして、映画を撮ったんだよね」って。
 その記憶は、この先、どんなことがあったとしても、彼女たちの人生を、温め続けてくれるのではないだろうか。
 そして、そういうのって、大なり小なり、「何かをやろうとしてきた人」が、持っているのではなかろうか。

すでに10年経ってしまったのですが、ももクロの人たちは、それぞれ今も活躍されています。
僕の間違った青春を、観るたびに少しだけ上書きしてくれるような映画です。



(2)海街diary(2015)

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いち監督いち作品、ということにしたので、是枝裕和監督は『万引き家族』ではなくて、こちらにしました。

4姉妹が人気若手女優てんこもりのため、「ミーハー映画」だと観られてしまいがちかもしれませんが、これ、本当に良い映画ですよ。ものすごく地味だし、「何も起こらない映画」なんだけど。
 「何も起こらない」のに、2時間観ていて退屈せず、エンドロールが流れはじめたときに、「ああ、これからまたこの『物語』が始まっていくのだな」と思いました。



(3)シン・ゴジラ(2016)

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いまさら『シン・ゴジラ』かよ!と言われるのは百も承知なのですが、選んでいて痛感したのは、結局、僕は凡人で、ミーハーなんだな、ということでした。
「会議ばかりの映画」「庵野監督の個人的趣味色が強い」といわれる、この『シン・ゴジラ』なのですが、僕は『ゴジラ-1.0』(2023年)より、こちらのほうが好きです。

個人的に、いちばん観ていて感動したのは、進化したゴジラが東京の街を破壊し尽くすシーンでした。
ああ、これはまさに巨神兵だ……
怒り、憎しみとか悲しみとかの感情も持たず、ただ、ひたすらに「そこにあるものを破壊すること」に徹しているゴジラと、ゴジラに破壊されていく東京は、(不謹慎ながら)本当に美しい。

正直、僕にとってはゴジラの神々しさを観るための映画ですし、庵野監督が描きたかったのもそれじゃないかなあ。



(4)孤狼の血(2018)

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やっぱり、役所広司さんはすごい。観ているのはあくまでも「演技」のはずなのに、「カメラのないところの役所さんって、ものすごく怖い人なのでは……」と思えてくるのです。
その役所さんの存在感を受けとめている松坂桃李さんも良かった。
「正しさとは何か」「力を伴わない正しさに意味はあるのか」とも考えさせられます。

続編の『孤狼の血 LEVEL2』(2021)もぜひ。映画としての「すさまじさ」は、こちらのほうが上だと思います。
鈴木亮平さんの「極悪っぷり」がすごすぎる(『HK 変態仮面』もぜひおすすめしたい!)。

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(5)ドライブ・マイ・カー(2021)

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いろいろ言いたいことはあるにせよ、僕はこの映画、好きです。
三浦透子さんが演じている、渡利みさきの無口さ、無愛想さが、なんだかとても心地よい。
瀬戸内ののどかな海辺や、雪景色のなかを走る赤いサーブに、見とれてしまう。

いろんな言語、人種、人生経験……

鑑賞後、いろんな感想をネットでみていたら、「多様性の映画」という世評に対して、感想コメントに「色情狂も『多様性』のひとつなのか?」というのを見つけたときには、思わず笑ってしまったのですが。
村上春樹好きには、刺さるのではないかなあ。



(6)キングダム 大将軍の帰還(2024)

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これも、『大将軍の帰還』だけをおすすめしてもしょうがないというか、観るんだったら、原作漫画で予習するか、実写映画『キングダム』の第1作から観ないとわからない、という作品ではあるのですが。


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大将軍の帰還』は、まさに、王騎の、大沢たかおさんの映画になっています。
これだけの大作で、一人の登場人物にスポットがあてられ、それを見事に引き受けてみせた大沢さんはすごい役者だよなあ。
「主役」だからということで、前作までのように信が超人的な活躍をするわけでもないのは、かえって、歴史ものとしての重み、みたいなものも感じたのです。
とにかく、大沢たかおさんの役者力すごい!そして、今回は主役にもかかわらず、王騎の存在感をしっかり「立てる」仕事をしてみせた山崎賢人さんの「役者としての幅の広がり」も感じました。



うーむ。
ここまで書いてきて、あまりのベタさ、ありきたりさに、もうこのエントリは「お蔵入り」にするべきではないか、という気分になってきています。
でも、僕にとっては、この選択もまた「日本の実写映画の現実」ではあるのです。
映画にもっと詳しい、幅広く観ている人は、ぜひ「最近の観ておくべき日本の実写映画」を教えてください。


あらためて考えてみると、最近の映画というのは、まず損益計算をして、手堅く稼げるような作品をつくっているような気がします。経済活動としてはそれで正しいのだろうけれど、そんなにヒットしなくても損しないように、低予算、短期間でつくられた映画と、NetlrixやAmazonプライムビデオが「金に糸目をつけずに(最近はそうもいかないみたいですが)つくった映像作品」の、どちらが限られた時間を使うのに魅力的かと言われると……


ただ、この映画を観て、僕は「まだ日本映画も捨てたものじゃないな」と嬉しくなりました。


(7)国宝(2025)

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現在、2025年でも、時間をかけて主演俳優が役作りをして、圧倒的な映像美や演技で、知らなかった世界への好奇心を刺激できれば、日本の実写映画でも、幅広い層の観客が映画館に足を運んでくれる、ということを証明してくれた作品だと思います。『カメラを止めるな』『侍タイムスリッパー』のような低予算のインディーゲームのような作品が近年は印象的だった日本映画なのですが、お金と時間をかけた大作実写邦画へのニーズというのは、根強くあるような気がします。


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