いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

僕が山田太郎さんを応援することに決めた、いちばんの理由

pikaring.hatenablog.com


 山田太郎議員については、あまりにも持ち上げられすぎているというか、「オタクの味方」という名目で、人気取りをしている人なんじゃないか、という気もしていたんですよね。
 そもそも、「表現の自由」のために動いてくれていたのは、この人だけではないだろう、と。


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 ただ、こういうのを読むと、あまりにも党派性に縛られすぎているというか、実際に山田太郎議員が実現させてきたことを軽んじているのではないか、と考えずにはいられないのです。
 というか、「表現規制に反対する」という目的において、協力しあえる立場のはずの人々を「自分の仲間(党派)じゃないから」と、あえて切り離そうとするのは、得策とは思えないのです。
 誰かが「実際にやってきたこと」には低い評価しか与えず、「これをやってこなかったじゃないか」と足りないところばかりをあげつらうのは、パワハラモラハラ上司のやりかたと同じです。
 万能神じゃないかもしれないけれど、山田太郎議員は、本当に素晴らしい仕事をしてきていると思います。


 その一方で、今回の参院選で山田議員が所属政党について右往左往しているのをみると、もしかしたら、大きな組織のなかの歯車として立ち回ることができない人なのかな、と案じてもいるのです。
 ひとりという単位では最大級の力を発揮するのだけれど、神輿に乗ることも、かつぐこともできないタイプって、いるんですよね。
「自分の名前や顔を前面に出さないと、力を出せない」という人。



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 僕が山田太郎議員を今回の選挙では支持しよう、と思ったのは、この本を読んだことがきっかけでした。
 山田議員がすごいのは、野党議員にありがちな(ように見える)「とにかく何でも反対!」「自分の意見がとにかく正しくて、お前らは全くわかっていない!」というスタンスではなく、自民党議員に問題点を詳しくレクチャーし、対話によって、「落としどころ」を探っていくところなんですよね。


 この問題で、たったひとりの野党議員が、なんでこんなに大きな影響力を発揮することができたのか、というのは、山田議員がタフ・ネゴシエイターであり、「反対のための反対」ではなく、「日本のマンガ・アニメというコンテンツの価値とこの法案のリスクを指摘しながら、相手の面子も立つように配慮したから」なのです。

 交渉事をうまくやるためには「相手をコテンパンに打ちのめす」のが正解ではありません。


 すべての議員が、マンガ、アニメに詳しいわけではないのに、いきなり、幼い女の子が辱められているマンガを見せられたら、「これはちょっと……」と思うのは、致し方ない面もある。


 そこで、「こんなこともわからないのか!」なんていきなり「こちら側の常識」で責めても、話がこじれるばかりで、まとまる交渉もまとまりません。
 人には、面子というものがあるし、政治家という存在が背負っているものを考えると、自分の間違いを指摘されて、はいそうですか、と簡単に認めるわけにはいかない。


 僕は正直、この本の前半部を読みながら、「でも、この人って、人気取りのために、ネットに多くいる『表現の自由』を叫んでいる人たちに迎合しているだけなのでは……」なんて、ちょっと考えていたのです。


 でも、それは大間違いでした。

 私は児童養護の問題にもずっと取り組んでいて、性虐待に関して日本には対応部署がないという指摘も以前から耳にしていました。それが(2016年)1月19日の予算委員会で、官房長官がきちんと日にちまで決めてやると約束した。政府を動かすことができたわけで、政治家冥利に尽きると思っています。


 児童養護と表現規制の問題は裏表の関係にあります。


 マンガ・アニメ・ゲームを性虐待の原因にするというのはおかしい。本当に性虐待を問題視するなら、ちゃんと対策をすべきです。しかし児童の性虐待を理由に表現を規制しようとする側は、いっこうにそれをしようとしない。むしろ、アニメやマンガやゲームが性虐待の原因ではない、という調査結果を恐れて、正確な実態の把握に消極的なように見えます。実際に性虐待の被害にあっている子供のことなどどうでもよく、表現規制の口実にしたいだけなのではないかと思えてしまいます。


 だから、表現の自由を守ろうとする側こそ、根本の問題である性的搾取、性虐待の問題について、まっこうから受け止めて、きちんと対応するべきです。そうした問題がきちんと把握されれば、一体、何が性虐待の本当の原因なのか、アニメやマンガやゲームの影響なのか、ということもわかってくるでしょう。もちろん、性虐待の問題が解決されれば、マンガやアニメやゲームが批判されることもなくなると思います。

 これまで、国の「縦割り行政」の境界にあって、対応部署が無いまま放置されてきたということを、山田議員は公の場で指摘し、菅官房長官は「2016年4月」と期限を決めて対応部署をつくることを明言しました。

 山田議員は、「自分が好きなマンガやアニメを守ろうとする」だけではなく、それ以上に「児童の性的虐待という問題を解決する」ことを重視してきたのです。

 単なる「人気取り」じゃなくて、「子どもたちの幸せ」について、しっかりと目を向けている。

 だからこそ、年長の与党議員たちも、山田さんの話に耳を傾けたのではないでしょうか。
 
 自民党の議員たちだって、子どもたちを幸せにしたい気持ちは変わりないと思う。
 でも、彼らは現実や問題点を把握できないまま、「表現規制」で、状況が改善するのではないかと信じていたのです。
 その誤解を解くことが攻略法だと見抜き、積極的に働きかけることができた人は、他にはいなかった。
 

 僕が山田太郎議員を今回応援することに決めたのは、山田議員が、ひとりの力で(逆に、ひとりだからこそ、与党の人たちも話を聞き入れやすかった面もありそうです。○○党の言うことは聞けない、とかありそうだし)、これだけのことを成し遂げたタフ・ネゴシエイターであることだけが理由ではありません。


 いちばんの理由は、山田議員が「子どもたちを性虐待から救うには、幸せにするには、どうすればいいのか?」をちゃんと考えてくれている人だということです。
 僕は、しっかり調査した結果、児童を描いた創作物と子どもの性虐待に強い因果関係があると証明されるのならば、「表現規制」が行われることにも賛成するつもりです。
(個人的には、因果関係はないだろうと信じていますが)


 僕はあまり「政治的」な人間ではないけれど、今回は山田太郎議員を支持します。
 そもそも、他に応援したい候補者もいないし。


hatena.fut573.com


 選挙っていうのは、「選挙権を大切にしましょう」「投票は義務です」みたいな清く正しいスローガンで語られがちなのですが、国民にとっては、「数少ない政治家を持ち上げたり蹴落としたりできる権利」なんですよ。これ以外に、政治家を脅したり、報酬を与えたりする機会はほとんどない。
 「表現規制への反対や子どもを性虐待から救うことを主張し、実践すれば『票』になる」
 そういうインパクトを政治の世界に与えられたら、きっと、これからも表現の自由は守られやすくなるはずです。


 僕は、政治というのは、党利党略や誰かの名誉欲を満たすためにではなくて、少しでも多くの人が幸せになり、少しでも多くの人が不幸から逃れられる、そのためにあると思っています、というか思いたいのです。


 このエントリも、ぜひ読んでみてください。
yamayoshi.hatenablog.com

 

 休止宣言中だったのですが、この話はどうしても書いておきたかったので、某国の宿泊先で家族が寝静まったのを見計らって書きました。
 まだしばらく休みます。中途半端で、すみません。


note.mu

 

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