いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

『怒り新党』の不自然な最終回に、「テレビ番組は誰のものなのか?」と考えた。


 昨夜、ほとんど毎週観ていた『マツコ&有吉の怒り新党』の最終回が放送されました。

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 アイススケートでのパイルドライバーとか、『チャージマン研!』とか、懐かしい、かつ、もう一度観ても笑ってしまう「新・3大」の傑作選など、この傑作選をDVD化してくれないかな、と思っていたのだけれど、番組の終了時間が近づくにつれて、なんだかちょっと変な感じがしてきたのです。

 僕はこの番組をほとんど毎週観てきたし、ここに何かを書くきっかけにもさせてもらっていたのだが、昨年の3月に「卒業」した、この番組の大功労者のひとり、「総裁秘書」の夏目三久さんの話題や映像が、まったく出てこなかったのです。
 後任の青山愛さんに配慮して、ということも考えたのだけれど、『新・3大』のなかでも、夏目三久さんが涙を流していたブロードアピールスルヤ・ボナリーの回はスルーされていたし、総集編なのに「国民の怒りについてのトーク」の名場面がまったく無いのも不思議な話です。


fujipon.hatenablog.com



クリスマスに放映された回で、「手作りのプレゼントを喜べない」と頷きあっていたマツコ・有吉に、
「それは……おふたりがクズだからだと思います」
といきなりバッサリやったときには、逆にマツコさんと有吉さんが、ちょっと羨ましくなりました。ああ、僕も夏目さんに「クズ」って切り捨てられてみたかった。


僕は青山愛さんもこの番組でけっこう好きになったのですが、番組の「最終回・総集編」なのに、6年のうちの5年間を支えてきた夏目三久さんが「名前を出すことすらNG」の存在として扱われているようにみえたことに、正直、驚きました。
いや、有吉さんとの直接の「共演」が何かと難しい、というのはわからなくもない。
でも、「夏目三久さんをここまでスルーしてしまう」ということに、すごく違和感があるし、かえって、何か後ろ暗いところでもあるのか?と僕は勘ぐってしまうのです。
別に不祥事で降板したわけじゃないはずなのに。
視聴者にとっては、この番組の「主役」のひとりのはずだったのに。
思い返すと『怒り新党』に起用されたときの夏目三久さんは、局アナ時代、交際していた男性との写真が流出してネガティブなイメージがついてしまい、フリーになってもあまり仕事に恵まれず、半ば「干されていた」のですよね。
怒り新党』がマツコさん、有吉さんの共演者として夏目さんを選んだときには「話題作りのために、火中の栗を拾いに行ったのか?」と思いました。
ところが、夏目さんは、この番組がきっかけとなって低迷期を脱し、今では売れっ子司会者です。
そんな「夏目ちゃん」が、この番組の最終回で、名前すら呼ばれることもないとは……
事務所やテレビ局には、いろんな思惑や都合があるのでしょうけど、こうして「触れられない」というのは、普通に振り返られるより、はるかに「夏目三久さんの不在」を視聴者に印象づける結果になったのではないかなあ。
僕の地元のローカル局では、土曜日の昼間に、夏目さん時代の『怒り新党』の再放送をやっているので、「過去の映像もNG」ということではないのだと思うのですが。


裏の事情はいろいろあるのかもしれませんけど(って、思ってしまうのも、やっぱり、「不自然にスルーされてしまったから」なんですよね)、こういうのを観ると「テレビ番組っていうのは、視聴者よりも芸能事務所やテレビ局の都合を優先しているのだなあ」と考えずにはいられません(この件に関しては、スポンサーはあんまり関係ないでしょうし。番組終了には、スポンサーの意向もあったのかもしれませんが)。


ほんと、ここまでやったおかげで、かえって「不在の異常さ」が浮き彫りにされてしまったよなあ。
「無理して触れないようにする」のは、「必要最低限に言及する」より、かえって、その存在を思い起こすものですね。
有吉さんが、泣いている青山アナに「もっと長い人もいるのに……」と言っていたのですが、その「長い人」のなかに、夏目さんも入っていた(あるいは、夏目さんのことだった)ようにも感じました。
マツコさんも有吉さんも、最終回にあたって、「総裁秘書」のことが頭の片隅にも浮かばなかった、とは思えません。
内心を隠してのお芝居でもいいからさ、夏目さんにも「卒業式」に参加してほしかった……


僕はこの番組、ちょっと前のラジオの深夜放送みたいな雰囲気が好きだったのです。
ここでも、よくネタ元として利用させていただきました。
以下にそのなかのいくつかをあげておきます。
fujipon.hatenablog.com
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のはなし にぶんのいち~イヌの巻~ (宝島社文庫 C い 6-1)

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