いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

「『ドラゴンクエスト』が面倒くさい」に、共感せずにはいられない。


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 本当に、「どれだけ『ドラクエ』やり込んでいるんだ!」ってツッコミを入れたくなるエントリではありますよね。

 ただ、僕自身も、「『ドラクエ』がめんどくさい、とくに序盤がめんどくさい」というのは、毎回感じてはいるのです。
 思えば、最初に『ドラゴンクエスト(1)』で遊んだときには、主人公がやられても、ゴールドが半分になるだけで王様のところから再スタート、というシステムが、斬新であり、理不尽にも感じられたものでした。そんな復活システムは、大リーグボール2号よりも非科学的だ、と。

 あらためて考えてみると、『ドラゴンクエスト(1)』までのマイコン(パソコン)のRPGロールプレイングゲーム)って、「キャラクターが死んだら、セーブしたところからやり直し」というのが標準でした。
 なかには、『ウィザードリィ』のように「何か月、あるいは何年もかけてレベルアップしたキャラクターが、ワナに引っかかってロストしてしまう(セーブデータも失われてしまって、復活できない)ことがある、というゲームもあったのです。
 「硬派」なマイコンゲーマーだった僕は、『ドラクエ』を「なんて軟弱なゲームなんだ!」とバカにしていたのですが、自分で遊んでみると、しっかりハマってしまいました。うん、やっぱりこのほうがプレイヤーに優しいよ、と。

 いま、ニンテンドースイッチで、『女神転生V』をやっているのですが、セーブポイントがなくて、なかなかセーブできないまま進めた状態でやられたりすると、思わず本体を投げつけたくなります。僕の1時間を返せ!と。そもそも、セーブしたところから、どのアイテムを取って、何を仲魔にしたか、なんてことを思い出すのが難しいし、同じことをもう1回やらされるのが、ものすごくかったるい。そして、せっかく前と同じように進めたと思ったら、また1時間ノーセーブの状態でザコ敵のクリティカルを食らってやられるんだよこれが。

 死んでもお金が半分になるだけ、とか、どこでもセーブ可、というゲームが、いつのまにか「あたりまえ」になってしまっていた自分に気づかされます。そもそも、「仲魔集め」とか「スキルシステム」とかがすでにめんどくさいんだよ『女神転生』!
 ……そういうゲームだとわかっていたはずなのに、なぜ買ってしまった自分……


『ファイナルファンタタジー』シリーズは「死んだらセーブしたところから」なのですが、「死にそうなところの前にはセーブポイントを置く」ようにしているんですよね。


 年を取ってくると、新しいシステムには抵抗感が強くなるのです。そして、何にでもすぐにめんどくさくなってしまう。
 男性にも更年期があるとは言うけれど、これがそうなのか?

 RPGで新しい街をみつけると、「ここの住民全員に『話しかける』をやらないといけないのか……」とうんざりするし、ポケモンを「入れ替える」のすら、かったるい。『ドラゴンクエスト11』のサブクエストとか「ただでさえ長いのに、こんなのやってられないよ。でも、見つけたものを無視するのも、もったいないというか、値段分楽しんでいない気もするし……」というような感じです。オマケ要素とか多すぎないかね最近。

 RPGどころか、『大逆転裁判』でも、探偵パートでは「ああ、この画面を隅々まで『しらべる』していくのか……」と溜息をつき、裁判では、証言がはじまるたびに、「これを全部『ゆさぶる』しないといけないんだよな……」とうんざり。いや、やるんですけどね、結局。そうしないと先に進まないし。

 それでも、『ドラゴンクエスト』や『逆転裁判』は、まだ、僕自身も長年慣れ親しんだゲームシステムなので、「ここで耐えれば、この先は面白くなるはず」と我慢が効くことが多いのですが、新しいゲームだとかなりつらいです。


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 僕などは、「エリクサーが使えない人間」なので、結局、「使えないなら無いのと同じ」なんですよね。


 ひと昔前、『ファイナルファンタジー10』や『13』あたりは「一本道を辿るだけのJRPG」なんて嘲られていましたが、実際にやってみると「自由度の高いゲームはめんどくさい」と僕は感じていました。

 正直、「RPGとかは、もう、実況動画とかでブログでも書きながら観ればいいんじゃない?」などと思ってもいるのです。
 まあでも、RPGの実況動画って、なんだか味気ないんだよなあ。
 めんどくさいからこそ、達成感がある、というのもまた事実で、そのバランスというか、「このくらいまでなら、めんどくさくても我慢できる」というハードルがどんどん上がってきているのです。
 「オマケ要素」とか「真のエンディング」とか、もう本当に勘弁してほしい。そういうのがあると、そこまでやらないと損をしたような気分になってしまう自分自身も嫌になります。

 テレビゲームが向かない脳になってしまったのではないか、という気もするのです。
 年々、僕にとって「耐えられるめんどくささで、面白いと感じられる」ゲームの範囲は狭くなっていく一方なんだよなあ。


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