どうせデキレースだったんだから、タンバリング疑惑が出たからといって、カープファンに期待を持たせるようなことを言って引き延ばすんじゃねーよ、というのが、僕の正直な気持ちであって、これまでのカープでの丸選手の功績には感謝していますが、これからの野球人生には心から、辛あれ、と願ってやみません。これからはこの3年のカープの映像が流れるたびに、この人の姿をみて、顔をしかめなければならないのか、モザイクかけてほしいよ。でも、そんなことしたら、あと3年もすれば、カープの黄金時代の映像はモザイクだらけになりそうだな。そんなにレベルアップしたいんだったらメジャーリーグに行けよどうせなら。
だいたい日本シリーズであんな体たらくでチームの惨敗に貢献したあげくに「日本一になれなかった」って、日本シリーズの時点ですでに他人事だったんじゃないか?せめて日本一になってから出ていけばいいのに。
5年前、O竹が巨人にFA移籍したときにこんなことを書きました。
fujipon.hatenablog.com
でも、今回は、あのときとは、また違ったやるせなさが僕の中に渦巻いているのです。
5年前には、こう書いています。
カープファンとしては「巨人に移籍して優勝するなんて、ヘリコプターで頂上に降りて『登山した』と言い張るようなものじゃないか」という気がする。
でも、「このまま歩いていても、たぶん、自分に残された時間では、頂上からの風景を見ることはできないだろう」と悟ってしまった人間が「ショートカットしてでも、頂上に行ってみたい」と考えるのは、むしろ、自然なことですらある。
O竹のときには、カープは昔よりは人気もあるし、CSに出られるくらいには強くなったし、年俸も環境もかなりマシになったとはいえ、やっぱり、「巨人には勝てないよな……」という諦めがありました。ファンの僕でさえも。
ところが、この5年間で、黒田・新井の復帰や(マエケンのメジャー挑戦もあったけど)カープ女子をはじめとする「カープブーム」が巻き起こり、日本一にはなれないもののリーグ三連覇を果たし、試合は面白いし、スタジアムは毎試合超満員でファンのすごい声援に包まれ、明るくて切磋琢磨しているチームの雰囲気も、ものすごく良くみえたんですよ。
あとはもう、長年のブランド力とお金、そして地方球団というのが、巨人に比べて劣るところではある。
とはいえ、最近の巨人は不祥事続きで、チームの雰囲気だってそんなに良くはみえないし、FAで来た中途半端な選手たちが軒並み期待外れで死屍累々。ソフトバンクや日本ハム、楽天などの地方球団やDeNAが企業努力で観客を集めているのに比べて、昔からの「巨人様」のイメージだけで殿様商売をしているだけにしか僕には思えなかったのです。
前みたいに巨人戦が地上波で毎試合中継されるような時代でもない。
「地方球団の時代」のように、僕にはみえていた。
西武の炭谷銀仁朗捕手のFA移籍に関しても、少し若くて同じような守備型の小林捕手がいるのに、なぜ?とは思ったんですよ。
西武ではやや干され気味だったので移籍はやむなしとしても、より出場機会を求めるのであれば、巨人という選択はどうなのか、と。
カープファン的には、どんな選手でも、巨人が乗りだしてきたら「終わり」なんですよ。
丸とかいう人が千葉出身というのは知っていたけれど、高卒や大卒で地方に就職して、そこで10年生活していれば、その生活の場のほうが「地元」だと、親も自分も転勤族の僕は思うのだけれど、そういうものではないのだろうか。
それでも、「地元のロッテを強くして、盛り上げたい」というのならわかるけれど、やっぱり巨人なのか、と。
外部から、ファン目線でみるプロ野球チームの「格差」と、選手たちにとってのそれは、こんなに違うものなのか。
でも、そう言うのなら、浅村選手が楽天に移籍した理由はよくわからないし、人が「自分が働く場所」を決める基準って、他者からはよくわからないものだなあ。
いや、丸とかいう人の場合は「やっぱり金と巨人ブランド」ということで、むしろ、ものすごくわかりやすいんですけどね。
カープファンとしては、これだけチームの状態が良くなって、あとはお金だけ、それも、昔よりはずっと適正な金額を出せるようになったにもかかわらず、やっぱりダメなのか……という絶望感が半端ないのです。今のカープでだめなら、もう、どんなカープでもダメだろ……ドコモかauにでも買収されないかぎり、無理。お金があっても、広島にチームがあるかぎり、無理。
カープが独立採算で黒字経営が求められている以上、巨人やソフトバンクのように、「湯水のようにお金をばらまいて選手を獲ってきても宣伝広告費として落とせる」わけではありません。巨人の年俸7億よりも、カープの年俸4億のほうが、よっぽど「出すのが厳しい金」であり、巨人は「別に丸とかいう人が活躍しなくても、カープを弱体化させるだけでもいいや」っていうノリでの「ちょっとした出費」なんだよ。
でもさ、もらう側からすれば、小さな子供が一生懸命ためた1円玉だらけの1000円よりも、ビル・ゲイツが鼻をかんだ1万円札だよね(ビル・ゲイツさん、変なたとえに使ってしまってすみません)。
マネーゲームになれば、カープが巨人やソフトバンクに勝つのは無理。
「結局カネ、という銭ゲバ選手」の前では、カープは何をどうやっても無力。ファンの応援も祈りも無意味。
カープが7億出せば、8億、10億と積んでくる相手とオークションで争ってもしょうがない(……って書こうと思ったけど、どうせそうなら嫌がらせ的にもう少し競ってみてもよかったかも)。
というか、ここまでコケにされるのなら、プロ野球チームとかを応援するのはバカバカしいことだよね。
選手も球団も、ファンを金づるとしか思っていないのだし。
負け組は、所詮、負け組なんだよな。こんなに頑張ってるのに。結果も出してきたのに。
カープファンが必死に貢いだお金は、大金持ちのパパのお小遣いにはかなわない。
金の前には、新井さんが言っていた「家族」など無力。これが現代の家族像。銭ゲバは大事なことを僕に教えてくれた。
新井さんにエルドレッドが退団したうえに、この三文芝居のデキレースに付き合わされたおかげで、僕はもう、次から次へと五虎大将軍を喪っていったときの劉備のような心境になっています。
「サヨナラ」だけがカープファンさ。
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