いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

「このままでは『note』はダメになってしまう!」

penguin-diary.hatenablog.com


最近、「note」っていうサービスが、あらためて話題になっているようです。
note.mu


この「note」が生まれたのは2014年。
生まれた当時はけっこう話題になって、岡田育さんとかfinalventさんなどが有料コンテンツをはじめたり、山本さほさんのように「note発」で単行本を出したマンガ家さんがいたりと、そこそこ盛り上がってはいたのです。
ただし、局所的に。
僕も新しいもの好きなので登録はしてみたのですが、うまく使いこなせていません。

note.mu


「今書いているブログ以外のところ」に、気楽に何かを書きたい人には良いのかもしれないけれど、noteを利用している人は、まだまだ少ない。
「無料」でよくて、「なるべく多くの人に読んでもらいたい」のであれば、『はてなブログ』に書いたほうが良いな、と考えてしまう。
このブログは、すでに「なんでもあり」だし。
noteの雰囲気って、ひとりのクリエイターにフォロワーという取り巻きがついていて、何かアップロードされるために「イイネ!」が押されるという「クリエイターfacebook」みたいなのも、僕にとっては息苦しい。


note.mu


有料コンテンツなどもつくってはみたのですが、正直、お金をとるには申し訳ないレベル(そして、実際に買ってくれる人もそうそういない)なのです。
じゃあ、『琥珀色の戯言』とか『いつか電池がきれるまで』をnoteで有料化したら、誰か読んでくれるのか?と考えてみても、やっぱり厳しいだろうな、と。
そもそも、僕は100円×100人に読んでもらうより、お金をくれなくてもいいから、1000人に読んでもらえるほうが嬉しい。
まあ、それが10万円とか100万円とかになれば、また違うのかもしれないけれど。


冒頭のブログでは、イケダハヤトさんがあまりにも「noteは儲かる」とばかり言っていて、情報商材的なもの(僕的にいえば「ライフスタイルネズミ講」)を売りまくっている状況に「これでいいのかnote!」と警鐘を鳴らしています。


儲け自慢って、あんまり気分が良いものではないのだけれど、実は、noteって、もともと「そういうプラットフォーム」なんですよね。
(内容があまりにも「情報商材的」なものは問題だとは思うけど)
以下の「note」を運営する株式会社ピースオブケイク代表取締役CEO加藤貞顕さん(『もしドラ』を世に出した敏腕編集者として有名)の2015年5月のインタビューを読んでみてください。

「note」が1周年、ネット上に”儲かる仕組み”は作れたか-ピースオブケイク加藤貞顕氏に聞く | HRナビ by リクルート

「noteの使命はネット上のコンテンツに「儲かる仕組み」をもたらすこと」

「noteの2年目以降の目標は『もっと売り上げたい。もっと見てもらいたい』ということに尽きると思っています」


「カネカネカネ」というのではなくて、出版市場が縮小していくなかで、クリエイターが「小商い」で稼げる場をつくっていくことが、「面白いもの」を生み出し続けていくためには必要ではないか、という使命感が加藤さんを動かしている、ということなのだと思います。


「note」は、そんなにカネ臭くていいのか?
という問いに関しては、「それこそが『note』を他のプラットフォームと差別化しているのだ」と。
 実際、僕みたいに「儲からなくてもいいから、多くの人に読んでもらいたい」のであれば、『はてな』とか『アメブロ』のほうが、はるかに裾野は広いし、当たれば多くの人に読んでもらえる。


 だから、「note」って、ある意味「すでにファンがいる人が、ファンクラブ的に使う」のが現状ではいちばんメリットが大きいのではないかと思われます。
 書籍だと、印税1割の世界だから、1000円の本を1冊売って、ようやく100円の収入です。
 本1冊なんて、そうそう書けるものではない(そして、その割には、「本は売れない」)。
 そう考えると、この「直接取引」っていうのは、売れるクリエイターにとっては、本当に「儲かる」はずです。
 イケダハヤトさんやはあちゅうさんというのは、まさにそうしているわけです。
 運営側としては、それで話題になって、利用する人、覗きに来る人が増えれば、「note」は活性化して、また面白いコンテンツを出してくる人も増えるだろう、と。
 そうなると、「note」に「その人のいちばん」が出てくるようになる。
 まずは、多少グレーゾーンな方面からでも「多くの人に認知してもらう」ことが大事ということなのでしょう。
 こういう展開になってきた理由のひとつとして、これまでのやりかたで「note」がいまひとつ伸びてこなかった、というのはあると思うんですよ。
 「note」って、「はてなハイク」みたいになっちゃうんだろうな……というのが、最初の1年くらいの感触でしたから。
 コアな利用者によって、細々と続いていく、「クリエイターfacebook」。


 だから、「このままではnoteはダメになってしまう!」のではなくて、「もうかなり行き詰まっていたので、有名人の力を借りてテコ入れをした」というのが実情ではないかと僕は思っています。
 まあでも、おかげで、イケダハヤトさんやはあちゅうさんのサロンに入っています!みたいな人が僕の泡沫noteまでフォローしてくれて、最近書いてもいないのに、どうしたものか、と考えてしまうんですけどね。
 おそらく、情報商材的なものからでも、とにかく人を集めないとはじまらない、というのが、いまの「note」なのではないかと。
 それは、上場を控えた『はてな』も同じなのかもしれません。
 とりあえず、登録者数やPVが大きいっていうのは、それだけで「宣伝」になりますしね。


d.hatena.ne.jp


これを読んでいただければわかりやすいと思うのですが、どんな宣伝文句よりも、「いま、これが売れている本です! すでにこんなにたくさん売れて、みんな読んでますよ!」というのは、「効果的」なのです。
『アンクル・トムの小屋』の時代から、そうだったのです。


結局、いちばん大事なのは、自分自身がどう使っていくか、ということだと思うんですよ。
他人のことは、いくら「啓蒙」しても、どうしようもないところはあるのだから。
みんなが「自分はそんな情報商材には手を出さない」のであれば、全く売れないわけですし。
まあ、あのくらいの「意識高いセミナー代」なら、1回くらい乗せられてみて免疫をつけてみるのも、悪くないかもしれません。
一部の新興宗教とか民間療法とかに比べたら、むしられる羽根は少ない。
ただ、こういう手法に、ひとつでも引っかかる人は、他の商法にも引っかかりやすいらしいですけど。


僕はイケダハヤトさんのお金の稼ぎ方を全否定はしません。
「年収150万円で生きる」という発想のときはけっこう納得してしまったのに、どうしてこうなってしまったのか、とは思うけどさ。
カネって怖いよね。稼げるようになると、稼ぐことそのものが目的化してしまうこともある。ネットで稼ぐことそのものがけっこう楽しくなってくる、という気持ちは(ほんのわずかだけど)わからなくもない。
ただ、イケダハヤトさんの真似をしても、そこにはもう収穫が終わったあとの畑しか残っていないことは、知っておいたほうが良いと思うのです。
「ライススタイルネズミ講」でも、儲かるのは、ピラミッドの上にいる「親」だけです。
どうせなるんだったら、イケダハヤトの弟子じゃなくて、次世代のイケダハヤトにならなくては、食っていけません。


この「市役所をやめてイケダハヤトさんの弟子になった人」のブログを読んでみてください。

blog.livedoor.jp

35000PV、アフィリエイト収入が5000円……
(師匠のイケダハヤトさんからの「ベーシックインカム」もあるそうですし、アフィリエイト以外にも収入源はあるみたいですけど。半年くらいで成果が出るような世界じゃない、ということなのでしょうか)
公務員という安定した職業を辞めて挑戦している人だし、今回はじめて覗いてみたのですけど、コンテンツの質も悪くないと思うのです。
でも、こんなものなのか。
なんというか、こういう「ブログ飯」系の人のコンテンツて、デザインも何か「フォーマット」みたいなのが決まっているみたいで、どれをみても既視感があるんですよね。
それこそ、この人のブログをみるのなら、師匠のイケダハヤトさんのブログのほうが、まだネタとして突き抜けているというか「不快感を煽られる」という意味での中毒性もあるというか……


ああいうサロンとかセミナーに惹かれている人は「直弟子だって、現状はこんなものなのだ」ということは頭に入れておいて良いのではないかと思います。
師匠がもう高齢で代替わりできそう、とか、独立して自分の教室を持てるような習い事なら良いのでしょうが、ブログって、全国どこでも見られますし、イケダハヤトさんもはあちゅうさんも若い。
というか、彼らだって、ずっとこのままのやり方で死ぬまで食えるとは思っていないでしょうし、今は「焼畑農業」みたいなものではないかと。
稼げるうちに稼いでおこう、と。


最後は「note」からちょっと離れてしまいましたが、少なくとも、「note」は、そんなにブレてはいないと思います。
相性が悪い人は、近づかないのが最良の戦略です。


ところで、末筆になるのですが、最近よく考えているのが、いまのネットでは、「新しいブログ」が大勢の人に継続的に読まれるのは、本当に難しくなっている、ということなんですよ。
「互助会」や「炎上商法」が批判されているし、僕も嫌いなんですが、「じゃあ、新参者が書いた普通のブログは、どうやったらみんなに読んでもらえるのだろうか?」と。
はてな』は「注目のブログ」とかでがんばって発掘しようとしているのが伝わってくるのです。
でも、なかなか定着してくれないし、すぐに「ブログ論」とか「注目のブログに載りました!」とかに走ってしまって、自滅していく。
僕などは、とりあえずキャリアだけは長いので、既得権者としてめぐまれているし、つまんないことを書いても、それなりに読んでくれる人はいる。
そして、互助会や炎上商法を批判している人の多くも「既得権者」なわけです。
新参者は、古参に対して「お前らはいいよな、あんなつまんないの書いてもブックマークしてもらえて」と思っているのではなかろうか。
noteの今回の件も含めて、「新しくて良いものがうまく浮上できない閉塞感」みたいなものが、こういう「なりふりかまわないPV稼ぎ」を生んでいるような気がしてなりません。
この状況って、何か良い打開策があるのだろうか……


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