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いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

黒田博樹、来年も現役続行の「決断」

www.nikkansports.com


このニュースをネットで観て、不意に涙が出てきて、困っています。
ここまで去就を不鮮明にしていて、ここで引退っていうのは、黒田の性格からすると、できないはずだ、前田健太はメジャーに行ってしまうから、自分も今年抜けたらカープの投手陣がどうなるかはわかっているはずだし。
この間の日曜日は、サンフレッチェの試合を観に行って、モチベーションを高めようとしているんだ、と僕なりに楽観視していた、はずだったんですよ。


でも、今シーズンの黒田の凄まじいピッチングを思い出すと、もう「完全燃焼」してしまったと言われたら、返す言葉もなかった。


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鳴り物入りで帰ってきて、帰国初戦は大歓声のなか勝利投手となった黒田だったけれど、怪我もあり、シーズンのなかで、良い状態で投げられた試合は、ほとんど無かったような気がします。
打線の援護も無いし、リリーフ陣は総崩れだし。
チームは序盤の借金をなかなか返すことができず、連勝で調子に乗ってきたかと思ったら連敗と、とにかくもどかしいシーズンで。


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この試合など、9回まで黒田が完璧なピッチングで抑えていて、このまま1−0で完封!と思いきや、最後の最後につかまってサヨナラ負けという結末に、僕は愕然としたものです。
どうして野球の神様は、カープに、黒田にこんなに冷たいのか。
今年くらい、カープを勝たせてくれたって、良いではないか、と。


オールスターの前には怪我で抹消され、その後も万全とは言えない状態で、カープのローテーションを支え続けてきました。
もう40歳なのに、中4日での先発もありました。


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この試合、黒田は8安打を浴びつつも、要所を締めて勝利。
しかし、メジャーリーグでは慣れていた中4日でも、日本の夏場はきつそうでした、リリーフが不安定だから、球数もけっこう多くなってしまうし。
ほんと、こんな起用法だと、黒田が潰れちゃうよ……


……と思いきや、終盤戦は中4日連発だものなあ。
昔からのクセとはいえ、打球に右手を出して打撲したりもしているし。
黒田としては、もう今シーズンで終わってもいい、という覚悟だったのだろうと思う。


今シーズンのカープの黒田の試合のなかで、いちばん記憶に残っているのは、この試合でした。
負けたらCS進出の可能性がなくなる、甲子園での阪神戦。


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この日の黒田は、まさに「鬼神」のようでした。
負けたら終わりの試合で、ビジターの甲子園での阪神戦。
もちろん、阪神側にも「勝たなくては」というプレッシャーがあったと思うのですが(そして、カープも、このあとの最終戦で、同じプレッシャーを味わうことになるのですが)、黒田はマウンドに立っているだけでチームを鼓舞し、このキツい条件での試合をモノにしたのです。
この日は、甲子園だったにもかかわらず、「さすが黒田」という雰囲気が画面越しにも伝わってきました。
自分も登板間隔が短くてキツいはずなのに、大瀬良や中崎を休ませてやりたい、と続投を志願した黒田。
あの最終戦も、いつでも行く、と準備していた黒田……


こうして振り返ってみると、黒田博樹の2015年は、本当に「濃密で苛酷な一年」だったと思います。
40歳の身体で、こんなに精神的にも肉体的にもキツいシーズンを過ごしてきたのです。
黒田は、いつも「これが最後になってもいい」という気持ちでマウンドにあがる、と言っています。
黒田のことを知れば知るほど、「まだその姿を見たい」と、「もう辞めたい、というのなら、引き留めることはできない」という二つの気持ちが、入り乱れました。


カープは、黒田の「心意気」に感謝しているはずです。
でも、マエケンが抜けた後の投手陣からは、ヒースも抜け、現時点での新戦力としては、大商大から入団する岡田投手ら、新人を加えたのみ。
マエケンみたいな投手が、簡単に「補強」できないのはわかっているけれど、サンフレッチェの優勝をみて、「自分たちも」と思っている黒田と、そしてカープファンの「夢」を本気で実現するには、あまりにも無策なのではなかろうか。
リリーフピッチャーは現有戦力の底上げに期待してみたら、みんな怪我や不調で総崩れ、調子が良い選手にばかり負担がかかる、というのは、まさに今年やってしまった失敗なんですよね。学んでくれ、せめて2、3人くらいは、力と実績のある中継ぎ投手を獲得しようよ。
そして、木村昇吾にも再オファーしてやってくれ。なんのかんのいっても、今のカープでショートをまともに守れる選手って、田中か菊池くらいなのに。球団の面子みたいなものにこだわりすぎなんだよ。
最終的な勝敗は運も左右するけれど、せめて人事を尽くそうよ。


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サンフレッチェは、あれだけ毎年主力を浦和とかに連行されても、結果を残しているのだから、やりようはあるはず。監督室でビデオばっかりみても、チームは強くならないよ緒方監督。


思えば数年前に「4本柱」と呼ばれた、前田健太バリントン大竹寛野村祐輔のうち、これで3人がチームを去ることになり、黄忠が死んだときの「五虎の大将軍、すでに逝くもの三虎……」という劉備玄徳のような気分になっていたのですが、黒田残留は、本当に嬉しい。
ただ、黒田もジョンソンも、再来年もカープにいてくれるかどうかはわからない(というか、かなり厳しそう)。
だからこそ、今年優勝しておかなければならなかったのに……と、今さら言っても、しょうがないのだけれど。


ただ、勝負事って、案外、「マエケンが抜けて、もうダメだろ」っていうときに、良い結果が出ることもあるんですよね。
日本ハムは、ダルビッシュが抜けても優勝したし。
まあ、あちらはもとが優勝チーム、こちらはマエケンがいても4位だったのですが……


黒田が残留するにせよ、引退するにせよ、僕には「ありがとう」としか言えなかった。
でも、「残留」のニュースをみて、やっぱり僕は、嬉しかった。
そうか、こんなに嬉しいものだったんだな、諦めたことにして、いざというときに、自分を傷つけないようにしていたんだな。


ありがとう、黒田。


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