いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

このへんなブログたちは まだネットにいるのです。たぶん。

参考リンク:発表! スゴブロ2014「オールタイムベスト20」


なんと、『琥珀色の戯言』が、こちらの「オールタイムベスト20」に入れていただきました。
長くやっているだけで、地味+賞罰無し(ときどきプチ炎上)、丈夫なのがとりえのトウカイトリックみたいなブログなのですが(トウカイトリック引退しちゃいましたね、そういえば)、この記事を読んでいて、なんだかとても嬉しくなってしまって。


もちろん、こうして名だたるブログと並べていただいたことへの感謝というのはあるのですが、それとともに、紹介してくださった方は、僕のブログを、ずっとずっと読んでいてくれたのだなあ、というのが伝わってきて、それがとてもありがたかったのです。


この「オールタイム」で紹介されているブログには、有名どころもあれば、それほど知られていないところもあるのですけど、共通点としては「とにかく書き続けられている」のですよね。
そして、その多くは「長年続けること」が第一の目的ではなくて、起こったことや、観察したことを切り取り、一日一日記録していくうちに、いつのまにか、「歴史」になってしまったものです。


比較的メジャーなテーマから、マイナーなテーマまで、いろいろあるのですが、いずれにしても、対象への愛着が伝わってくるんですよね。
「アクセスを集めたいから書く」というブログを僕は否定しません。
お金だって、もらえるものならもらいたい。


ただ、この『スゴブロ2014「オールタイムベスト20」』で紹介されているブログを眺めていると、「人間って、損得勘定抜きで、『記録していく』ということに喜びを見いだす生き物なんだなあ」なんて、ちょっと嬉しくなってしまうのです。
この人たちは、明日地球が滅亡するとしても、自動販売機や、プラレールの写真を撮り、ブログを書くんじゃないかな、と。


今日、『琥珀色の戯言』のほうにも書いたのですけど、藤子・F・不二雄先生が、こんなことを仰っています。

 ところが、この「人気」というものは、すごぶる正体がとりとめのない漠然としたものです。それでもやっぱり、それぞれの時代にはその時代の人気を集める作品というものが常にあるわけで。じゃあ、その人気まんがをどうやって描いたらいいか。そんなことが一言で言えたら苦労はしないのですが、ただ一つ言えるのは、普通の人であるべきだ、ということです。


 人気のあるまんがを描くということは、決して読者に媚びることではありません、小手先のテクニックで、「こう描けば、人気が出るんじゃないか」とか、「こういうことを描けば、うけるんじゃないか」。そういうやり方では、作れないのです。


 人気まんがというのは、どういうまんがであるか。それは、まんが家の表そうとしているものと読者の求めるものとが、幸運にも一致したケースなのです。つまり、大勢の人が喜ぶということは、共感を持つ部分が、そのまんが家と読者との間にたくさんあった、ということです。かたよったものの見方や考え方をする人は、大勢の共感を得ることはできない。だから、まず最初に普通の人であれ、というのはそういう意味なのです。


 そのうえで、ただ本当に普通の人であったのでは、まんがなんてものは描けません。プラスアルファ、何か自分だけの世界を一つは持っているべきである。それは、必ずしもまんがに直結したものでなくてもいいのです。釣りが上手であるとか、模型作りに熱中するとか、SF小説を読みあさるとか。そういったことが、その人の奥行きになって、しごくありふれたものにプラスして、何か個性みたいなものが生まれてくるんじゃないか、と思うのです。(1984年/第8回 藤子不二雄賞コメント)


また、秋元康さんは『DIME』2010年7月6日号の特集記事「ヒットの法則大研究」のなかで、こんな話をされています。

 「何かがヒットすると、みんな後を追いかけようとします。二番煎じを狙っているわけではないのでしょうが、同じような所に正解があるような気がするのです。
 しかし、流行はまるで、”もぐら叩き”のゲームのように、全く違う場所から頭を出すのです。それを追いかけるのは困難です。
 逆に、ブームとは関係なく同じことを続けていると、それがブームになったりします。壊れて止まっている時計でも1日のうち2回は正確な時を示すことができます。
 何かアイデアが浮かんだとき、まわりを見回す必要などないのです。いまの時代のニーズは? なんて考え始めたら、ヒットは作れません。これはヒット間違いなし!という思い込みが一番重要なのです。もう古いかな? なんて不安に思う必要もありません。


 これは、ブログにもあてはまるのではないか、と僕は思うのです。
 というか「なにかをつくること」一般にも適用できるはず、と。
 もちろん、自分が生きているあいだに、その時刻がめぐってくるかはわからないのですが、ブームを追いかけても、「その時刻」に追いつけるかどうかはわからないのですから、自分がやりたいことをやったほうが楽しい。
 

 なんだか最近、面白いブログって無いよなあ、とお嘆きの皆様、ぜひ、この『スゴブロ2014「オールタイムベスト20」』を覗いてみてください。
 なんだ、まだけっこう「物好きなブロガー」って生き残っているんだな、って思いますよ、きっと。


藤子・F・不二雄の発想術 (小学館新書)

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