いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

「ブログに書かずに、部下に直接言えよ」

参考リンク:お前が言うなよ、ってお話 - 常夏島日記

本文のあと、このエントリについたブックマークコメントを読んだのですが、「ブログに書かずに、部下に直接言えよ」というコメントに「はてなスター」がたくさんついていて、困惑してしまいました。


こういう「身近に起こったことをブログに書く」というのを僕もけっこうやるので。
このタイプのエントリをブログに書くときには、おおまかに分けると、2つのタイプがあります。
ひとつめは、「本人には直接言えないので、憂さ晴らしというか『王様の耳はロバの耳!』ってやりたいとき。
ふたつめは、自分の周囲に起こったことを、ある程度一般的な問題として、他の人に聞いてもらい、考えてもらいたいとき。

どちらか、というケースだけじゃなくて、この両方が入り混じっている場合も多いのですけどね。

ひとつめの場合には、「本人に言えよ!」って言いたくなりますよね。
あるいは、「そんなのネットに書くのは危ないよ!」か。
ふたつめの場合は、とくに当事者に対して強く憤っているとかいうより、「こういうことって、世の中によくあるよね。どうしたらいいんだろうね」という「問題提起のきっかけとなるエピソード」として採り上げているのです。
このエントリの場合は、「自分の部下だけの問題じゃない」という意識があるから、わざわざブログに書いて、公開しているわけです。


各人、ブログの位置づけは異なっているとは思うのですが、これだけSNSが一般化してくると、ブログというのは、ある程度「公に向かって発信するもの」と考える人が多いのではないかと思います。
愚痴なら、facebookや「友人だけ公開」のmixiに書けばいいのだから。
……と書いたあとで、SNSには書けないかやっぱり……と思い直してしまいましたが……
まあ、結局愚痴が許容されるソーシャルネットワークは、夜の居酒屋かチラシの裏だけってことなのでしょう。


ブログで、「実際にあった(かどうかはわからないんですよ本当は。みんなこれが「事実」だと思っているようだけど、それを確かめた人は誰もいない)エピソードを発端に、「いまの世の中の傾向」を憂いている記事を「部下への文句」だと解釈する人がいて、それが支持されるというのは、ブログを書く側としては、寂しい限りです。


この文章の要旨は、部下を責めることではなく、「自分のことを棚上げにして他人に高い要求ばかりする社会は、最終的に自分を苦しめるだけではないか」だってことは、賢いはてなブックマーカー諸子はわかっているはずなのに。


「安倍さんの3500円カレー」についてのいわゆる「庶民感覚」って、「うわー3500円のカツカレーって、けっこう高いねえ!」くらいのものだと思うんですよ。
「3500円のカツカレーなんて贅沢は許せない!」とか、「3500円のカツカレー程度で安倍さんをバッシングするなんてけしからん!」じゃなくて。


マスコミも、ネットで影響力を行使しようとする人たちも、なんだか「うまいこと相手の揚げ足をとる」ことばっかり考えていて、「まず書いてあること、行われていることを素直に読む」ことができなくなっているのではないかと思うのです。
「内容を読む」よりも、「偉そうな人が、揚げ足をとられて茶化されたり、叩かれたりしているのを見る」ほうが楽しいのかもしれないけれど、それってあまりにも悲しくない?


この部下ひとりだけの問題だと思っているのなら、直接言うか、それこそ「チラシの裏」に書いておしまいですよ。
「部下にガツンと言ってやった!」って。


あまりに低次元な「揚げ足取り」って、萎えるんだよなあ。
本当にわからないでやっているのならともかく、この人たちは賢くて「書いている人が言いたいこと」は理解できているはずなのに、わざと「ずらす」ことによって、自分をさらに賢く見せようとしている。
それはある種の「ゲーム」なのかもしれないし、そういう批判が出るようなエントリのほうがブックマークがたくさんついて、人がたくさん来てくれることもあるのも事実なんだけど。


そもそも、「部下に直接言えよ」なら、「じゃあお前もブックマークコメントじゃなくて、直接書いている人(ブロガー)にメールしろよ」って話です。
こういうこと書くと、「じゃあお前もブックマーカーたちに直接メールしろよ」という人があらわれて「千日手」を狙われるのですが、僕は別に個人攻撃したいわけじゃないので、そんな面倒なことはまっぴらごめんです。


できれば、ブログでは、「もっと普遍的なこと」を語りたい。
このSNS時代に、あえて、みんなの目にふれるところで、比較的長い文章を書いているのだから。


ただ、こういうのって、採り上げられている部下が直接読んだら(もし実在していたら、という話ですが)、やっぱりその部下は「すごくイヤな感じ」でしょうね。
それは、書く側としては忘れてはならないことだと思います。

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