この「新社会人にオススメしたい本」、僕もやろうと思っていたのに!でも、この完成度のものを先に出されてしまうと、「後出し」するのは恥ずかしい……
そもそも、紹介しようと思っていた本が2冊かぶってるし!
まあ、こういうのは二番煎じがいくつかあっても大目にみてもらえるんじゃないか、ということで僕も紹介してみます。
具体的な仕事のやり方、というより、新社会人にとっての「心構え」とか「処世の基本」みたいなものを書いた本の紹介です。
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『シーマン』をつくった斎藤由多加さんが書かれた本です。
新入社員相手に、なぜ「社長業」の話?と思われるかもしれませんが、「組織のトップは、どんな人を社員として求めているのか」を教えてくれる本です。
斎藤さんは、社員の採用基準として、こういう話をされています。
二十年にわたる中小企業の社長としての失敗経験を重ねるうちに、自分なりのチェックポイントを三つ持つようになりました。これにひっかかった人の採用は難しい、という判断のポイントです。それは、
(1)質問した内容と答えが微妙にズレている人
(2)「知らない」と言えない人
(3)携帯電話で自分の今いる場所を上手に伝えられない人です。
それ以外の判断は現場の長に任せるようにしているので、僕はここだけを見極めるようにしているわけですが、この三つのポイントに至った僕の経験談などを紹介します。
社員側からすれば、この(1)(2)(3)を最低限こなせることを意識しておくべきだ、ということなんですよね。
これ、簡単そうにみえて、けっこう難しいことなんですけど。
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広告業界の本なのですが、それだけはなくて「何か創造的な仕事をしたい人すべて」に基本的なことを教えてくれているのではないかと。さまざまな名コピーがポスターなどとともに紹介され、読んでいて楽しいですし。
1回だけの勝負では、アマチュアに負けることもある。でも、クライアントから依頼があったときには、かならずある一定以上のレベルのコピーを、何度でも書くことができる。それがコピーライターに求められる、大切な資質ではないでしょうか。
「あるレベル以上のものをくり返し書く」ために必要なのは、自分の書いたコピーがなぜいいのか、どこがいいのか正しく認識できていることです。
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僕にとっては、本当に「身につまされる本」でした(そのあたりのことは、上記の感想を読んでみていただければ)。
「偉い人のゴルフや宴席につきあって、せっかくの休みを潰すなんて、バカバカしい」
「同業者の会なんて、気は遣うし、若手は便利に使われるだけじゃないか」
「何の建設的な意見も出ない会議になんて、出ても時間のムダ。本でも読もう」
この年齢になって気づいたのは、「そういうこと」を堅実にこなして、人との繋がりや信頼を築いてきた人は、「教授」や「社長」になれなかったとしても、「第二の人生」において、有利なグリッドからスタートできる、ということなんですよね。
著者は「会社人生を失敗してしまった経験」を、この本のなかで、かなり赤裸々に語っています。
無能だから失敗したんじゃないし、周囲に対して、過剰に攻撃的で傲慢だったわけじゃない。
でも、妥協を嫌がり、自分を知ってもらうことに重きを置かなかった。
「付き合いやすい人」になろうとしなかった。
ネットで「会社耳年増」になってしまって、働く前から「わかっている」つもりの人へ。
あなたはきっと、まだ何も知らない。
先人の苦い経験談に、耳を傾けてみてほしい。
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率直なところ、都築さんのような雑誌や編集の世界への関わり方ができたのは、いまから40年くらい前の、雑誌が右肩上がりで、やる気のある人間をどんどん受け入れられる勢いがあった時代だったから、だとも思うんですよ。
ただ、どこの雑誌でも、あるいはネットの記事でも「どこかで検索してつくったような、横並びの内容」ばかりになってしまっているからこそ、「食べログ」に頼らない、「聞く耳を持たない人」が求められているんですよね。
「食べログ」で事前に調べて店を決める人間か、まずは自分で選んで食べてみる人間なのかで、そのひとの仕事は分かれる気がする。なぜなら「食べログ」は、どんな分野にもあるから。
美術でも文学でも音楽でも、他人の評価ではなくて、自分でドアを開けてみないと、経験が積み上げられない。そうやって成功と失敗を繰り返しているうちに、いつのまにか、自分が「いい」と思ったものは、だれがなんと言おうと、いいと言い切れる日がやってくる。そうやって場数を踏んでいくことで、「聞く耳持たないようになる」のが、実はものすごく大切なことだ。
だって、けっきょくのところ、ハズして笑われるより、先にだれかにやられて悔しいほうが、イヤでしょ。そう思わない編集者は、別の仕事を見つけたほうがいい。
僕は以前、『ど真剣に生きる』という稲盛さんの著書を読んで、「すごい人だなあ」と圧倒されたんですよね。
正直、稲盛さんの言葉を読んでいると、「これは『道徳の時間』か?」という気分になりますし、稲盛さんのようには生きられない自分が(「生きようとしていない」とも言えるのでしょうけど)、情けなくもなってくるのです。
いやでもほんとうに、これだけ「正しいことを、本当に実行している人が直球で主張している本」というのは、ありそうでなかなか無いかもしれません。
みんなが真似できるようなものではないけれど、これが向いている人だっているだろうし、一部を取り入れることだってできるはず。
「働く」ことをやめられないのなら、イヤイヤやるよりは、そこに「やりがい」を見出したほうが人生そのものも楽しいに決まっていますし。
「こういう精神論的なのは苦手」だからこそ、相手の(実際に偉くなっている人の)考え方を知っておくべき、でもあるんですよね。生存戦略的にも。
以上、思いついた本、5冊挙げてみました。
「仕事に直接役立つ」というよりは、発想のヒントになるとか、社会人としての処世について考える、というものが多いのですが、どれも「読み物」としても面白いです。というか、そちらを重視してしまったかも(ただし、『生き方』は、大部分の「そんなに意識が高くない」人にとっては、あまり「面白くはない」です。「敵を知る」つもりで読んでみるといいかも)。
社会って本当にめんどくさいところではあるのですが、(僕にとっては)体育の授業はないし、自分でお金を稼いで、自分で使い道を決められるのは(っていうほど、最初は余裕ないですけどね)、けっこう新鮮であり、「自由」を感じることができた記憶があります。ああ、でもそれは、最初の2年間溺れまくって、ようやく息継ぎのしかたを覚えてから、だったかな……
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