参考リンク(1):イケダハヤトさんがまさかのアウトロー宣言 - Hagex-day info
このエントリ、読み始めた時点では「こんなにいろんな人に一挙手一投足を注視され、直接書いてもいないことまで行間を読まれて、『実際にあったこと』のように責められるイケダハヤトさんって、さすがにかわいそうだな……」と思ったんですよね。
でも、さすがにこれを読んで「ドン引き」しました。
法律なんてのは、なんら絶対的ではないルールないのに。法律の方が間違っている、遅れていることだって、歴史を見ればごくごく普通にあります。順番としては、法律を大切にするより、まず己の倫理観を大切にすべきだとぼくは思いますね。匿名アカウントで粘着するのは、善いのか悪いのか、と。
— イケダハヤト (@IHayato) 2014, 6月 18
ここでイケダさんが書いていることそのものが間違っているというわけではないのです。
「いまの社会からみると、法律のほうが間違っている、遅れているのではないかということ」って、たしかにあります。
尊属殺人規定だとか(「尊属殺」についての規定は1995年の刑法改正時に削除されていますので、ここでの例示は不適切でした。id:K-Onoさんの御指摘に感謝いたします)、相続に関する嫡出子の問題だとか、同性婚についてとかは、揺らいでいるところではありますよね。
しかしながら、イケダさんがアジテーションをしている案件が「飲酒して自転車を運転すること」に対してだということに、僕は失笑を禁じ得ないのです。
書いてもいないことを「想像」され、「飲酒運転だろ!」って言われて腹が立つのもわかるんだけど、これでは、イケダハヤトさんが「飲酒して自転車を運転することが『倫理的にOK』だと思っている」あるいは「飲酒自転車運転が認められないのは、法律が遅れているのだ」と主張しているようにしかみえないんですよね。
法律の絶対視への疑問や、いちいち「法律」を持ち出してきて粘着してくる人への反発そのものは理解できなくもないんだけど、「なぜそんな重要な問題を、自分の『飲酒自転車運転疑惑』への反論という目的のために持ち出してくるんだ……」と僕は呆れてしまいました。
法律云々以前に、それこそ「倫理的に」酒飲んで自転車を運転するのは危ないに決まってるだろ、と。
これって、「言葉が足りませんでした。帰りは歩きかタクシーを使っています」と釈明すれば済む話ですよね。
そもそも、いちいち言い返さなくても、証拠なんてありはしないので、放っておけばいいのに……
ちなみに、自転車の飲酒運転の量刑は、けっして軽いものではないです。
参考リンク(2):自転車の飲酒運転も犯罪です!(All About)
ただし、実際の運用は、かなり柔軟になされているようです。少なくとも現時点では。
参考リンク(3):自転車での飲酒運転で警察に捕まった人っているのでしょうか。(Yahoo質問箱)
「自転車は免許制ではないので、免停などの処罰がない。そのかわり、罪を問うとなると、いきなり厳しい刑罰になってしまう」という面もあるのです。
むしろ、警察の側のほうが「現実にのっとって法律をフレキシブルに運用し、あまり過剰に取り締まりすぎないようにしている」のではないかとさえ思われます。
「飲酒自転車運転は、重大事故の加害者にはなりにくい」とはいえ、もし事故の被害者になってしまったら、本人だけではなく、加害者の人生をも台無しにしてしまう可能性が高いので、それこそ「倫理的にも」やってはいけない行為でしょう。
ところで、こういう「飲酒運転疑惑」については、僕も苦い思い出があって。
以前(5年前)、日記にこんなことを書いたんですよね。
三連休の中日。この連休中は珍しく当直もないので、一日くらいどこかに行こう、ということになり、車で一時間くらいのビール工場に付属のコスモス園へ。11時くらいに着いたので、そんなに人はいないだろうと思いきや、園内はコスモスはまだ5分咲き程度なのに大賑わいだった。
1時間ほど待って、園内のビアレストランで料理と生ビール2杯。しかし、息子と食事をするのはなかなか大変。たまにこういう行楽地に来てみると、日本は少子化が進んでいるとはいうものの、小さい子供もたくさんいるよなあ、と驚く。
さっさと帰ってくるつもりだったのに、結局家に戻ってきたのは17時過ぎで、ビールの酔いもあり、それからまた少し寝てしまった。22時過ぎに起きだしてお茶漬けを食べ、東野圭吾の『新参者』を読んで、23時に本格的に就寝。
この文章に対して、「七氏」さんから、こんなコメントがつきました。
飲酒運転ですか?
その時は多少ムカつきつつも、「誤解を招く内容だったのか?」と何度も読み返してみたのですが……
うーむ、少なくとも「飲酒運転した」とは書いていない(ただし「飲酒運転していない」とも書いていません。飲酒運転しないなんていうのはごく当たり前のことなので、そんな予防線が必要だとすら思っていなかったので)。
実際はこのとき、お酒を飲まない妻が運転してくれていたのです。
この「七氏」さんにまともにリアクションするのもどうかと思って、返答はしなかったのですけど、こういうのって、誤解を避けるために「車の運転は妻がしてくれました」って書いておいたほうが良いのだろうか?とは思ったんですよね。
ただ、そうやって、「誤解を受けそうなところを潰す」というのを突き詰めていくと、文章はどんどん説明や注釈だらけになり、読みにくくなってしまいます。
そもそも「妻が運転してくれた」というのでも「奥様に運転させてひとりで飲むなんて、あなたは酷い人ですね」とか言われかねない、とかも考えてしまって。
悪いように解釈しようという相手には、何を書いても、責められるような気がしてくるのです。
この点に関しては、イケダさんに同情してしまうのですよね。
僕の場合、この件があってからは、「飲み会への交通手段とかは、話のテーマに関係なければ、いちいち言及しないように心がける」ようになりました。
最大の「自衛手段」は、「何も書かないこと」なんですけどね、それは確実に。