いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

北陸新幹線開業の日に、あえて九州新幹線をアピールしてみる。

今日、2015年3月14日は、北陸新幹線の開業日。
東京から金沢まで、新幹線が通ることになるのです。
とはいっても、九州在住の僕にとっては、ほとんど関係ないというか、これから生きているうちに一度くらい乗る機会があるかどうか、という路線ではありますが。


この数日のニュースやワイドショーを観ていると、北陸新幹線のニュースが大きく採り上げられていることに驚きました。
九州では4年前、2011年に、九州新幹線(鹿児島ルート)が、博多駅鹿児島中央駅の区間で開通し、ローカルニュースではけっこう盛り上がりを見せていたのですが、全国ニュースではあまり話題になっていませんでした。
今回の北陸新幹線でのフィーバーには、「やっぱり、どこかが『東京と』繋がるというのは、ニュースバリューが圧倒的に違うのだな」と思い知らされます。
でもさ、東京関連のニュースは日本中で見せられるのに、こっちの話は向こうではけっこうスルーされるのって、なんかちょっと不公平感がある。


九州新幹線は、全線開通が、2011年3月12日。
さまざまなイベントも予定されていたのですが、その前日に、東日本大震災が発生したため、「それどころではなくなった」ということもありました。


そんなこともあったとはいえ、九州新幹線の開通は、予想以上の効果をもたらしているようです。
事前のメディアでの悲観的な経済効果予測とは裏腹に、九州新幹線は大きな成功を収めています。


『新幹線とナショナリズム』(朝日新書)によると、

 そもそも、博多ー鹿児島間は、かつて在来線で行けば3時間40分もかかっていましたが、新幹線開通後には、実に1時間19分で行けるようになりました。所要時間は2時間20分も短縮され、半分どころか3分の1に迫るほどの勢いで、劇的に時間が短縮したのです。


 この時間短縮のインパクトは、実に大きなものでした。

 博多ー熊本間の鉄道利用者は半年間で約1.4倍、熊本ー鹿児島間では実に1.64倍になっています。定期利用だけに限れば、開通後1年で、博多ー熊本間において、実に「20倍」程度にまで増えています。

 つまり、九州内の人の流れは、確実に活性化したのです。

 しかも、活性化したのは、九州エリア内の人の流れだけではありません。関西をはじめとした諸地域と九州との間の流動も飛躍的に増加しています。

 例えば、京阪神と熊本との間で、飛行機や鉄道で移動した「総旅客数」は、開通前に比べて開通1年後には約4割も増加しています。

 そして、「JR西日本」は、大変大きな収益増の恩恵にあずかることになりました。


 いまさら新幹線なんて……と思っていたのだけれども、それまで3時間以上かかっていた、博多-鹿児島間が、1時間半もかからなくなったというのは、かなり大きかったようです。
 僕も、はじめて博多ー鹿児島を新幹線で移動したときには「九州って、こんなに狭かったのか!」と感動しました。
 これじゃ、本を一冊読む時間もないくらいだな!って。


 交通費はかかるとしても、コンサートとかスポーツ観戦に、鹿児島や熊本から、博多に日帰りで行けるようにもなりましたし。

 その一方で、鹿児島や熊本でも「博多に買い物に行く」という人が増えてきて、九州のなかでの博多への一極集中が、さらに強まってきているのも事実です。

 福岡と鹿児島のあいだで起こっていることが、東京と金沢(あるいは富山)のあいだでも、これから起こってくるのではないかと思われます。


 『とくダネ』で、出演者たちがみんな北陸新幹線に「乗りた〜い!」と言っているのを観ていて、「僕も乗りたい!」と思うのと同時に、鉄道好きのうちの長男が、「九州新幹線に乗りたい!」と強く希望してようやく休みをつくって乗った新幹線で、ホームに入ってくるときは「新幹線だ!!」と写真を撮りまくっていたくせに、中に乗って動き始め、10分も経たないうちに、「たいくつ〜まだ着かないの〜?」と言い出し、すぐに爆睡したことを思い出しました。
 うちの長男は「撮り鉄」ではあったものの、「乗り鉄」ではなかったようです。
 というか、いくら乗り物好きでも、ずっと乗っている時間そのものが楽しい人って、そんなにいないんだよなあ、と。
 僕は長時間の移動って割と平気なんですけど、それは「本を集中して読むのにはすごく良いから」であって、車窓の風景を楽しんでいるわけではないですし。
 極端な話、スターバックスでも変わりないのかもしれません。


 いいところですよね金沢!
 僕がはじめて一人旅に出かけた場所でもあり、外食しようと思って街まで出かけたものの、一人で店に入る勇気がなく、「ほっかほっか亭」で弁当を買って帰ってホテルで食べながら、「何やってんだ……」と思ったことと、兼六園でなぜか外国人に5組くらい連続して「カメラのシャッターを押してくれ」と頼まれたことをよく覚えています。
 とか書くと、なんか根に持っているみたいですけど、そんなことはなくて、そういうのもまた旅の思い出だったりするわけですよ。


 でも、鹿児島にもジンベエザメがいる「かごしま水族館」とか、コアラ(昼間はいつも寝ている)やホワイトタイガーがいる「平川動物園」とか、桜島とか、かすたどんとか、黒豚しゃぶしゃぶとか、しろくまはてなの人じゃないです。かなりボリュームのある、真っ白で甘くてやさしい味のかき氷)とか魅力的なスポットがたくさんありますので、たまには新幹線を乗り継いで九州にお出かけになるのもよろしいのではないかと。まだ北陸新幹線もしばらくは混んでますでしょうし。


 と、鹿児島人でもないのにとりとめもなく書いてみたりしつつ、この大変ダラダラとしたオチのない話を終わろうと思います。
 北陸新幹線開業おめでとう!そして、開業を派手に祝う機会を失ってしまった九州新幹線のほうもよろしくね、というステマ(誤用)のエントリでした。



新幹線とナショナリズム (朝日新書)

新幹線とナショナリズム (朝日新書)

新幹線とナショナリズム

新幹線とナショナリズム