いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

武雄市図書館に(今更ながら)行ってきた。

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※今回はこの参考リンクの記事を先に読んでいただくと、「武雄市図書館」の特徴と話題になっている理由がわかりやすいと思います。
 
 
平日に時間ができたので、”TSUTAYA図書館”として知られる武雄市図書館に行ってみました。
車を使えば半日で往復できる距離なのだが、なんとか時間がとれたので。
昼下がりに到着したのだけれど、平日だというのに、駐車場はほぼ満車でした。
内部は図書館というよりは、スターバックス併設のTSUTAYAという感じです。
明るくて清潔感があり、多くの人がコーヒーを飲みながら読書中。
けっこうお洒落な雰囲気で、この地域にこれがあったら、地元の本好きの人は嬉しいだろうな、と思います。
大型書店がたくさんある都会と違って、「座って本が読める書店」そのものが少ないですからねえ、人口数万人レベルの地方都市では。
いや、最近は「書店そのものが存在しない地方都市」というのも、けっこうたくさんあるみたいですし。
 
ちょっと驚いたのが、TSUTAYAの販売コーナーと図書館の貸し出し本のエリアがつながっており、「あっ、こんな新刊も入っているのか!」と思ったら販売の本だったこと。貸し出し用の目印がついているので、確認すれば図書館の本か販売本かはわかるのだけれども、ここまで一体化しているとは予想外でした。

実は、公設図書館というところに来たのは10年ぶりくらいだったのですが(武雄市図書館は21時まで開いています)、けっこういろんな本が置いてあることに感心しつつも、新刊が少なかったり(人気があるものは貸し出し中なのかもしれません)、思ったより「これ読みたい!」という本を探すのに手間取ってしまったんですよね。
「買う」のではなくて、「借りる」のだから、普段は買わないというか、読まないような本を、あえて選んでみようと思っていたのですが、そういう「自分の好みを外した選択」というのは、けっこう難しいものですね。
実際に図書館を歩き回ってみると、書架の上のほうの本は手が届かないしタイトルも見づらいので、「指名借り」じゃなければ手にとることはなさそうです。ちょっともったいない感じがします。

あと、武雄市図書館の本は、ハードカバーが多くて、ちょっと気軽に読めるような文庫や新書は少なめでした。まあ、図書館というのはそういうものなのでしょうけど、すぐ近くにTSUTAYAの販売コーナーがあると、そういうのは販売のほうで買ってくれ、と言われているような。
というか、僕としては、この武雄市図書館の本の販売コーナーのほうが気になったのです。
こういう地方の書店としては珍しい、「読書」とか、テーマ別に平台にディスプレイされているコーナーがあったりして、「ああ、都会の書店っぽい!」なんて、妙に感心してしまいました。
もちろん、『紀伊国屋書店的な専門書の充実度」ではないのですが、新書や文庫、マンガ、ビジネス書などはかなり充実していて、図書館の蔵書とお互いに補完しあっているかのよう。
タダで本が借りられるところに、書店が併設されていても……と思っていたのですが、図書館の中にいて、「読書モード」に入っていると、通りすがりに見える販売のほうの本にも「あっ、これ読みたいなあ」なんて惹かれてしまうのです。
今月はお金がないから図書館に来たっていうのに、これは危険すぎる……
たぶん、本好きな人が集まってくるでしょうから、「つい買ってしまう」という場合も多いのではないでしょうか。
 
あと、BGMが流れていることの是非が問題となっていたようですが、僕が行ったときには、BGMは「うっすらと流れていて、意識しないとBGMの存在に気づかない人も多いのではないか」というくらいでした。
そして、学習室は無音で、資格の勉強をしている人も大勢いました。
平日の午後だったので、家族連れはほとんど見かけなかったのですけど。
 
ちなみに、中はそんなに広くはありませんし、蔵書も「2時間くらいかけてひとまわりしたら、だいたいのラインナップは把握できる」くらいでした。
 
ああ、図書館って、楽しいな。
久々に来たんですけど、とりあえず僕は、本に囲まれているだけで幸せです。
本探しに夢中になってしまい、スターバックスは利用できなかったのが心残りではありますが、とりあえず満足です。
ただ、この図書館をいちばん満喫できるのは、僕みたいに「本がたくさんあれば満足」っていう利用者じゃなくて、「ブックカフェで優雅な時間を過ごしたい人」なのかもしれませんね。
 
個人的には「地元の人に喜ばれている、居心地の良い図書館」だと感じました。
スタッフの対応も親切でしたし。
セルフでの貸出機も使い方は簡単。
「公立図書館」としての問題点を指摘する声も少なからずあるようですが、多くの人、とくに本マニアじゃない人が興味を持って、本に接してくれる場所になっているっていうのは、すごいことなんじゃないかな。
今日も「夫に無理矢理連れてこられたおばさん」が、「きれいねえ〜」なんて言いながら、珍しそうに書架を眺めていましたよ。
 
 

 

 

 

 

 

つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み (ちくま新書)

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