今週のお題「読書の夏」
「誰が新刊書を買っているのか?」と問われれば、「とりあえず僕は買ってます」と答えるしかないのです。
僕の場合は新刊書を買うだけでなく、図書館、電子書籍も利用しているのですけど。
ちなみに、優先順位としては、すぐに読みたい本は、電子書籍があれば、電子書籍版を購入。装丁に魅力があったり、ずっと手元に置いておきたい場合は紙の本を購入(写真集とか絵本とか仕事に使う本など、紙のほうが使いやすい場合には紙優先)としています。
考えてみれば、電子書籍のほうが「ずっと手元に置いておける」のですけどね。まあ、古い人間なので。
ここ1年くらい、図書館を利用するようになって、本を汚してちょっと迷惑をかけてしまったこともありつつも、本にかかるお金がだいぶ減りました。
ちなみに、読む本は、月に30冊+αくらいなので、たいした量ではありませんが、いまの生活では、これくらいが限界というか、これ以上やるには、仕事か家庭かブログを捨てなければなりません。
で、図書館はどんなふうに使っているかというと、「読みたい本が順番待ちになっている場合、予約して順番を待ってから借りる」ということは、ほとんどないし、これからもないと思います。
そこまでして読みたいのならば、買います。
誰にも参考にはならないかもしれませんが、僕なりの図書館の利用法について書いてみます。
本も安くはないので、いきなり知らない作家の著書を「衝動買い」するのはためらわれますよね。
図書館なら、「最初はタダ」ですから、「これはあんまり好きじゃないかもしれない」ものでも、とりあえず読んでみることが可能です。
極論すれば、ちょっと気になるのを5冊借りてきて、つまらなければその本は途中でも読むのをやめる、というくらいで良いと思うんですよ。最後まで読んだのは1冊だけだった、とかでも。
やっぱり、自腹だと、そこまで思いきれませんし。
自分でお金を出すときには「同じような傾向の本ばかり買って読んでしまう」ということになりがちです。
僕の場合は、外食の際も「保守的な注文しかしない(いつも似たようなメニューしか頼まない)」と妻に指摘されていますので、常に「読んだことのない作家優先」という人もいるのでしょうけど。
ちょっとしたテクニックとして、図書館でランダムにひとつの棚の前に立ち、「とりあえずこの目の前の棚のなかで、いちばん読みたい本を今日は借りて帰る」というような遊びをやることもあります。
そういう「新規開拓」の場所として、図書館を利用しているのです。
おかげで、これまでは読まなかったような本も、少しずつ読むようになってきました。
そうやって気に入った作家の本の次回作は、書店やKindleで購入したりもしています。
「そこまでして、無理に読む本のジャンルを広げなくても良いのではないか」とも思うんですけどね。
人生はそんなに長くないので、好きなものをひたすら極めていくだけでも、時間は足りないくらいですし、「つまらない本を我慢して読む」くらいなら、他にやるべきことはたくさんあるような気もするので。
人口5万人程度の地方都市(都市、とは言えないか……)の図書館での本のラインナップをみていると、図書館に置いてある本だけでは、僕の読みたい本を読みたいときに読むのは難しい。「予約待ち」をすると、いつかは読めるのでしょうけど、自分で読みたいときに読んでおきたい。
又吉直樹さんの『火花』とか、「今読んで、他の人の読みと比べてみるのが面白い」ってところもあるじゃないですか。
その一方で、図書館では、ベストセラーでも、ちょっと時間が経つと、借り放題になっているものも少なくないのです。
だから、一昔前のベストセラーを読んで、「こんな本だったのか……」と確認することもあります。
僕は以前、「ものを借りる」というのが苦手で(借りた瞬間に、返すことへのプレッシャーがかかってしまうんです)、図書館も利用していなかったのですが、新刊書店の平台とか棚のつくりかたと、図書館が購入する本のちがい、みたいなものを比較するのも、なかなか面白いのです。
どっちが偉いとか正しいとかいうんじゃなくて、うまく使い分ければ良いのではないかなあ。
ちなみに、近くには古本屋はなく、新古書店(ブックオフ)には、めったに行きません。
昔某作家が「ブックオフ批判」をしていたのを読んで、なんとなく引っかかっているのと、僕のなかでは、「読んでしまったか、あえて読もうとは思わない本」ばかりのような気がするので。
とか言いながら、たまに行くと、けっこうたくさん購入することもあるんですけどね。
まあ、ブックオフも今は近くには無いからなあ。
僕が(紙の)新刊書を買う理由というのは「読みたいときに読めるから」「著者を応援したい、というか、ちゃんと対価を払って、自作につなげたいから」、そして何よりも「誰も読んでいない、綺麗な本をめくるときって、ワクワクするから」なのです。
「情報」としては同じなのかもしれないけれど、やっぱり、そういう気持ちの問題は大きい。
もちろん、みんなが新刊書を買ってくれたら、本はもっと安くなってくれるのではないか、などと考えたりもするのですが、どちらかというと、「好きだから買っているし、応援しているだけ」で、他の人に何かを強要しようとは思いません。
これは、「新刊書を買って、出版業界を応援している自分」に酔っているだけなのかも。
僕だって、ファンの人に「お前がCD買ってくれないと、AKBグループが潰れちゃうから買ってくれ」って言われても、「気持ちはわかるが、自腹で買うのはちょっと……」としか、返事しようがないのです。
でも、歌番組に出ていれば、わざわざチャンネルを変えたりもしない。
お金を払っているのは、僕にとってはそれに見合った価値があるからで、それ以上の意味はないのです。
本を買うのは、僕にとっては、とても有意義なお金のつかいかたです。
「作家を支えている自分に酔える」というのも含めて。
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個人的な見解としては、人生ってそんなに長くはないので、よほどの本好き以外は「お金を出してでも読みたい」という本だけ、読みたいときに読めば十分だと思います。
「お金を払いたくない本」を読むのは、それが趣味でないかぎり、あまりにもコストパフォーマンスが悪すぎるんじゃないかな。
ちなみに「図書館」に関しては、この本がとても印象深いものでした。d.hatena.ne.jp
子どもにとっては(たぶん大人にとっても)、図書館という「本に囲まれる空間」があるだけでいい、そういう面もあるのだなあ、と。
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