いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

「で、あなたは、どこに投票するつもりなの?」

昨日は衆議院議員選挙の投票日でした。
こういう、「どこに投票しても、ちょっと心にネガティブな引っかかりを残してしまいそうな選挙」でも、いちおう、選挙権は行使しておくべきだ、と考えてはいるので、家族で買物に行くついでに(ついでに、とか書いたら、怒られるのかな)、投票所に行くことにしたのです。


普段から、家であまり政治に関することを口にすることがないせいか、「投票しに行こう」という僕に対して、妻は、やや意外そうでした。
長年の付き合いから判断すれば、「あなたが本当に『投票』しに行きたいのは、衆議院選挙の候補者ではなくて、今日のG1レースの勝ち馬に対してではないのか」という感じだったのではないかと。
まあ、そっちのほうは、いまはインターネット投票がありますし。
日本の国政選挙も、ネット投票があればいいのにねえ。


生まれたばかりの赤ん坊がいることもあり、妻は「今回は気乗りしないなあ」という雰囲気だったのですが、「選挙になんか行かない」と言うほどアナーキーな人間でもないので、「それなら投票所に寄っていきましょう」ということになりました。

その会話のなかで、妻が、何気なく僕に聞いてきたのです。


「で、あなたは、どこに投票するつもりなの?」


うーむ、僕はどこかの党員というわけでもなく、これまでも、そのときどきの印象で投票先を決めてきました。
いわゆる「無党派層」ってやつですね。
で、今回も、自分なりに考えて、投票先を決めてはいたのですけど、妻の質問に対して、どう答えていいのか、わからなくて。
「○○さん」とか「××党」って、サラッと答えてしまえばよかったのかもしれないけれど、相手が配偶者であっても、そういうのって、ちょっと言いづらいな、とか考えてしまったのです。
でも、そこで、「そんなこと夫婦でも言う必要ないだろ!」とケンカ腰になるような話でもない。
そもそも、妻だって、特定の候補者に思い入れがあるわけではなさそうだし、「で、野球チームは、どこのファンなの?」みたいな感じだったと思うんですよ。
もしかしたら、彼女自身も、どこに投票しようかと迷っていて、僕の意見を聞きたかったのかもしれない。


それに、家族であれば、お互いの支持政党の情報くらいは共有していても、おかしくはないですよね。
世の中には、家族ぐるみで特定の政党を応援している人だっているわけだし。
でも、その時の僕は、そういうのは、プライバシーに属することだと、判断したのです。


で、結果としては、「うーん、考えてはいるんだけどねえ……」とかいう感じでお茶を濁して、その話を終わらせてしまった、と。
僕自身も妻がどこに入れたかはわからないし、知る必要もないと思っています。
ただ、それが「家族」として適切なのか、相手が「知りたい」のならば、頑なに「個人の思想信条に属することだから」と拒絶するのも大人げないのかなあ、とか、ちょっとモヤモヤしてしまってもいるのです。


そもそも、妻の側だって、「瞬間的に興味がわいただけ」だったのでしょうけどね。


個人的には、この手の質問って、僕は苦手というか、なるべく避けたい。
とはいえ、聞いてくる側は、カジュアルな質問だと認識していることが多いのがまた、めんどくさいんだよなあ。


そういえば、僕の父親は、「どこに投票したの?」と尋ねられるたびに、
共産党
と答えていました。


僕が知る範囲では、積極的な共産党支持者ではなかったことは確かなので、本当にそうだったのか、何らかのフェイクとしてそう言っていたのかは、わからないんですけどね。