いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

私選:「何か面白い本ない?」と思ったあなたのための本当に面白い本30選(2026年・春)


anond.hatelabo.jp


『はてな匿名ダイアリー』でこんなエントリが話題になっていた。
僕もやってみようと、とりあえず思いついた本30冊に、ひとことコメントと読書難易度を★1つ(読みやすい)★2つ(中間)、★3つ(面白いが長い、難しいなどややハードルが高い)をつけてあげてみる。★の数は、このエントリでは作品の内容や面白さへの評価ではないことをお断りしておく。ジャンルも順番も「思いついたものから」以上の意味はありません。


1.岩田さん: 岩田聡はこんなことを話していた。(ほぼ日刊イトイ新聞)★

岩田聡さんが好きだ、というか憧れている。何のために仕事をするのか、わけがわからなくなったときに効く。



2.旅のラゴス(筒井康隆)★★


ラゴスのように生きたい、と願い、ラゴスのようには生きられない、と悟る。「勉強しかできないやつ」には刺さる。



3.銀河英雄伝説(田中芳樹)★★


一周して「民主主義」についてあらためて考えさせられるSFエンタメになった気がする。ユリアンと同世代ではじめて読み、いまや僕より登場人物て年上なのはメルカッツ、ビュコック両提督くらいになりました。



4.蒼穹の昴(浅田次郎)★★


歴史好きにとっては歴史を舞台にした小説の醍醐味を味わいつくせる作品。浅田さんは『壬生義士伝』と迷った。



5.三国志(吉川英治)★★★


『三国志演義本』は数あれど、やっぱり中学時代に読んだこれになってしまう。孔明が死んでしまうのがつらくて、ショックを和らげるために先にその場面だけ読んだのを思い出す。



6.ポケットに名言を(寺山修司)★


ずっと手元に置いてあって、ときどきページをめくってみる。「ゼロだよ、ゼロに賭けるんだ!」なんか覚えてしまった。



7.夜と霧(ヴィクトール・フランクル)★★


ナチスの強制収容所での体験を記録した本。戦争の、差別の悲惨さとともに、人間とは何か、月を眺めて考えずにはいられなくなる。



8.フェルマーの最終定理(サイモン・シン)★★★


「数学界最大の難問」に挑んだ数学者たちの物語。僕みたいに数学が苦手でも面白い。というか、数学に興味がわきます。



9.ねじまき鳥クロニクル(村上春樹)★★★


現時点での村上春樹の最高傑作だと思う。読み終えたら、自分の「読書力」が少しレベルアップしたように感じる、『エルデンリング』みたいな小説。


10.七帝柔道記(増田俊也)★


「体育会系」嫌いの僕が、思わず引きずりこまれて眠れなくなってしまった、「大学時代の部活」の熱い、熱苦しいくらい熱い小説。ああ、僕は体育会系が羨ましかったんだな。



11.蜜蜂と遠雷(恩田陸)★


「音楽が見える」小説。マンガよりマンガ的な面白さを感じる。恩田さんは『夜のピクニック』と迷った。



12.紳士と淑女のコロシアム 「競技ダンス」へようこそ ★★


学生時代の部活って、なんであの頃、あんなに部活が人生のすべてだったんだろう?と思いますよね。その「答え合わせ」をしてくれる本。


13.赤朽葉家の伝説(桜庭一樹) ★★★


僕は「世代交代を描いた作品」が好きなんですが、「面白さ」も含めて、これは桜庭一樹さんの現時点での最高傑作だと思います。



14.銀の夢 オグリキャップに賭けた人々(渡瀬夏彦) ★★


結局、オグリキャップは種牡馬として成功しなかったけれど、人々の記憶に残り、語り継がれているという意味では、「血は残らなくても、伝説は残した」馬ですよね。シンデレラグレイを観ていると「オグリキャップの物語は強い!」と。



15.猫を抱いて象と泳ぐ(小川洋子) ★★


やや残酷なおとぎ話、という感じの小説ではあるのですが、「ゲーム」というものの美しさが凝縮されていると思います。



16.チェルシー・テラスへの道(ジェフリー・アーチャー) ★★


10代の頃に読んだのですが、ものすごく心地よい「成り上がり」小説。ベタだな、と思いつつも、元気が出ます。



17.そして誰もいなくなった(アガサ・クリスティ) ★★


アガサ・クリスティは、ミステリの類型をひとりでつくってしまった人なんですよね。今読むとシンプルな物語なんですが、ラストまで「ミステリの骨格」みたいな作品です。



18.インシテミル(米澤穂信) ★★


米澤穂信さんの作品も名作はいろいろあるんですが、僕はこのリアリティとか蹴っ飛ばしてエンタメに徹した本が好きです。



19.日本軍兵士(吉田裕)★★


「あの戦争」は、どこまで「仕方がなかった」のか? 風化し、美化する前に、事実を知っておきたい。



20.わたしを離さないで(カズオ・イシグロ) ★★


人間らしさ、とは何なのか、カズオ・イシグロさんは、神話を書いている近作よりもこれと『日の名残り』が好き。



21.のはなし(伊集院光) ★


伊集院光さんはエッセイも滅法面白い。最近は文章の仕事は『ファミ通』の連載くらいみたいなのでまたエッセイ書いてほしい。



22.月と六ペンス(サマセット・モーム) ★★


いま『X』にストリックランド夫人が、夫のことをポストしたら夫は大炎上しそう。僕は「人は生きたいようにしか生きられないんだな」と年齢とともに考えてしまうようになりました。



23.学歴狂の詩(佐川恭一) ★


あらためて考えてみると、「勉強がものすごくできる」って、「正規分布から外れていること」で、「異常」だよね。だから「面白い」とも言えるのだけれど。



24.スティーブ・ジョブズ(ウォルター・アイザックソン) ★★


パワハラ、モラハラおやじであり天才的な審美眼の持ち主であったジョブズ。僕自身同時代を生きた人間として、そういう「暗部」も含めて書かれています。僕がいちばん心に残っている「偉人」だし、いちばんおもしろい「伝記」だと思う。



25.ストーナー(ジョン・ウィリアムズ) ★★★

どこにでもいそうな内向的な男の人生記。家族との関係とかリアルすぎる。僕も、これを読んで、「なんだこの暗くて平坦な話」と一蹴できる人生だったらよかったんだけどねえ。刺さった。



26.天才はあきらめた(山里亮太) ★


「自分は才能がないから」と思っている人に読んでほしい。タイトルは「天才はあきらめた」だけれど、「生まれつきの才能だけでずっとやっていける人なんていない」し、「あきらめない人が天才になっていく」。しかし気持ちいいくらい性格悪い!



27.「叱れば人は育つ」は幻想(村中直人) ★★



このタイトルだけでも覚えて、「叱り」たくなったときに、心の中で唱えてほしい。僕もそうしています。



28.サーカスの子(稲泉連) ★★


子ども時代をサーカス団のなかで過ごした著者がその思い出とサーカスの人たちの現在を書いた本。こんな人生もあるんだな、って。



29.安楽死が合法の国で起こっていること(児玉真美) ★★


ネットでは「日本でも『安楽死』を認めろ」みたいな話をする人がけっこう多いのですが、「合法化」は「金がかかるやつは安楽死させちまえ」みたいな状況を引き起こす可能性があるのです。



30.独裁者の料理人:厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓(ヴィトルト・シャブウォフスキ)★★


みんなに恐れられた独裁者は、身近な人からはどんなふうに見えていたのか? 結局のところ、「どんな角度からみても善人、悪人」という人はいないから、人間を語るのは難しい。



書き始めて10冊目くらいまでは「うーん、30冊けっこう大変だな」とか思っていたのですが、30冊が近づいてくるにつれ、「あの本も、この本も忘れていた!」という感じになってきました。ようやくエンジンがかかってきたところで終わってしまった。100冊くらいまではすぐにいけそうだし、ジャンルも、もう少し「役に立つ」本を入れるべきだったかも(4月のはじめだし……)とか考えてしまうのですが、勢いが大事、ということで今回はこれで。難易度表記はあくまでも参考までに。


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