僕は最近、電子マネーを使うことが多いです。
nanacoとか、一度つくってしまえば便利ですよね。小銭のやりとりはしなくて済むし、ポイントもつくし。
まあ、突き詰めて考えれば、そんなポイント云々を気にするくらいなら、ちょっと足を延ばして近くのドラッグストアとかディスカウントストアでまとめ買いしろよ、って話ではあるのですけど。
最近カード会社から、「お客様のカードの不正使用の疑いがある。ネットでディズニーランドのチケットが購入されているのだが、同様のケースが多数報告されているため、カードをつくりなおしたい」という電話があったんですよね。
そんなに怪しいところでカードを使って買い物をした覚えはないし、amazonのマーケットプレイスとかでもいまは暗号化されたやりとりをしているはずなので、なんでそんなことになったのだろう、とは思うのだけれど、そうなったら、もう一度利用停止して、つくりなおすしかないわけです。
そこまで、ちゃんと利用状況をチェックしてくれているんだな、と安心はしたのですが、現実問題として、銀行のキャッシュカードと一体化したクレジットカードだったので、作り直すにはかなりの手間がかかり、利用停止して新しいのができるまでの間は、カードが使えない期間もできるので、けっこうめんどくさいものではありました。
実際の話、いくら電子マネーだクレジットカードだといってみても、そのカードが「物理的なもの」であるかぎり、まだまだ、いろんなリスクや手間はあるわけです。紛失とか盗難、なんていうのも当然あるわけで。
そういえば、先日、セブンイレブンから封書がきていて、何だろう?と開けてみると、保険勧誘のお知らせでした。
nanacoの個人情報から送ってきているのでしょうけど、正直、あんまり良い感じはしないというか、見張られてる感があるんですよね。
個人的に、nanacoをつくっていちばん便利になったのは、レジでいちいち「nanacoつくりませんか?」というやりとりをしなくて済むようになったこと、だとも思っています。
Tポイントカードと一緒だよなあ。
ああいうのって、「まだ結婚しないの?」って言われなくなるのが結婚の一番のメリット、というのと似ている。
このあいだ、ホームセキュリティ会社の人と話をする機会があったのですが、「最近はみんな電話(携帯電話も含む)に出てくれなくなった」と言っていました。家を訪ねても、応答してくれなくなった、とも。
ただし、その人は「まあ、僕自身も、知らない番号からの電話とか、アポなしでチャイムを鳴らす人とかは、まずは無視することが多いので、しょうがないんですけどね」とも話してくれました。
実際、知らない番号やアポなしの訪問で、何かものすごくハッピーなことが起こるケースはまずありえません。
セールスや宗教の勧誘に対応するリスクと手間を考えると、応答しないのが得策だというのは、よくわかります。
電話だって、本当に用事がある人は、留守電に何かメッセージを残すだろうし。
そういう意味では、病院からの緊急の電話も、なかなか受けてもらえない、というケースもあるんですけどね。
これもLINEとかにしたほうが良いのかもしれないし、早晩、そうなるのではなかろうか。
最初のカードの話に戻りますが、カードを薦める人がたくさんいればいるほど、それによって、誰かが甘い汁を吸うために、自分は何かひどい目に遭うのではないか、という不安を感じる人が、少なからず存在するのではないかと僕は思うのです。
この本の冒頭に、こんなクイズが出てきます。
【問題】あなたは、銀行から年利12%で100万円借りました。銀行から「返済が大変でしょうから、返済は月々1万円でいいですよ」と言われます。毎月の返済額が減るのは、あなたにとっても嬉しいことであり、さっそくその条件で契約しました。さて、あなたが借金を返済し終わるのは、何年後のことでしょうか?
(※なお、金利は「単利」とする)
A 5年
B 8.3年
C 10年
さて、いかがでしょう? 電卓を使わなくても、暗算で解ける問題です。
僕はクレジットカードは便利なものだと思うし、いまの世の中には必要不可欠だと考えています。
ただし、カード(ローン)というのは、その便利さの裏側に、「仕組みをうまく理解できない人からは、容赦なく搾取するシステム」も内包しています。
実際、どこかにメリットがあるからこそ、カード会社も、あんなに一生懸命勧誘しているわけです。
上記の【問題】を解けない人は、一生、利息を払い続けるしかない。
家に訪問する人、携帯にいきなり電話をかけてくる人のすべてが「悪」なわけではないけれど、「うまく丸め込まれて、ひどい目に遭わされる」リスクを避けようと思えば、「まずはすべてシャットアウトする」というのは、「自分ならうまく対応できると過信して自力で取捨選択する」よりも、はるかにマシなリスクマネージメントではあります。
基本的に「〇〇しないなんて、バカじゃないの?」とか言う人は、信用しないほうがいいです。
というか、中途半端に賢くなったつもりのふるまいというのは、いちばんリスクが高い。
いまの世の中って、ネットのおかげで、そんなに手間もかけずに多くの人を絨毯爆撃できるようになりました。
「とにかく興味を持たせて、うまく引っかけたもの勝ち」みたいな勧誘者がやたらとたくさんいるのです。
VALUの件にしても、「まだ無名で、何かをやりたいのだけれど、現時点では具体的に提供できるものを持たない人への支援の方法」としては、けっして悪いことではないと思うんですよ。
いや、理念としてはむしろ素晴らしいと僕は感じていました。
「他人の評価を知りたい」のは、FA宣言する野球選手だけじゃないだろうし。
でも、そこに群がってきた、いつもの「ネットハゲタカ」たちのおかげで、「関わるのはリスクが高すぎる世界」になってしまった。
これ言うと炎上する感じだろうけど、貧乏人にはVALUの価値はわからないんじゃないかな……。「コンテンツ力」「信頼」「メンタル」「お金」に余裕がない人には、VALUが持つ価値を体験することすらできないという。匿名アカウントが一生懸命批判しているのは象徴的ですな。
— イケハヤ@ブログ年商1.5億円 (@IHayato) 2017年8月18日
VALUって、本来は、「まだ何者でもない人」を支援し、成長を期待するシステムじゃなかったのだろうか……
この発言って、「既得権者が他者から搾取するためのシステムだ」と認識しているようにしか思えないんですよ。
そして、こういうプレイヤーがいることによって、VALU本来の理念は失われ、実体なきマネーゲームの場になってしまった。
僕はこれを読んで、「投資家」と村上世彰さんへのイメージがかなり変わりました。
「投資」というものに興味がある人は、ぜひ一度読んでみていただきたい。
私の投資スタイルは、割安に評価されていて、リスク度合いに比して高い利益が見込めるもの、すなわち投資の「期待値」が高いものに投資をすることだ。投資判断の基本はすべて「期待値」にある。いろいろな投資案件において、きわめて冷静に分析や研究をして、自分独自の「期待値」を割り出している。たとえば、百円を投資する場合の「期待値」の計算方法は、次のようになる。
・0円になる可能性が20%、200円になる可能性が80%であれば、期待値は1.6(0×20%+2×80%=1.6)
・0円になる可能性が50%、200円になる可能性が50%であれば、期待値は1.0。
・0円になる可能性が80%、200円になる可能性が20%であれば、期待値は0.4。
期待値1.0を超えないと、金銭的には投資する意味がない。この「期待値」を的確に判断できることが、投資家に重要な資質だと私は考えている。
ちなみに、VALUを「投資」として考えた場合、いま、評価額が高い人の多くは、僕には「知名度によって、実体よりも高値がついていて、期待値は低い」ように感じます。
イケダハヤトさんの場合は、「メンタル」や「お金」はさておき、「コンテンツ力」がそんなにあるのか?と思いますし、ネットでの「有料と無料のコンテンツの棲み分け」というのはかなり難しい。
人気アイドルのファンクラブレベルの規模と見返りがなければ、「自信のあるコンテンツは、無料で多くの人に読んでもらったほうが、結果的にはプラスになる」ことが多いはずです。
また長々と書いてしまいましたが、結論としては、「〇〇しないやつはバカ」と言っている人は信頼しない、そして、その「〇〇」には関わらないほうがいい、ということだけなんですけどね、本当に言いたいことは。
あなたの「なにか騙されるんじゃないか感」は、たぶん、正しい。だから、「バカ」とか言われても、「バカって言うやつのほうが、バカだもんねー!」って、小学生方式で無視して良いと思いますよ。

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