僕はこの「安倍晋三首相の街頭演説で『辞めろ』とコールした聴衆を、『共謀罪』の疑いで『逮捕すべし!』と求めるフェイスブック(FB)の投稿」には全く賛同できませんし、この衆院議員は「脇が甘い」とは思うんですよ。
でも、議員本人がフェイスブックにこの内容を投稿したわけではなく、この内容の投稿に「いいね!」したという理由で、『朝日新聞デジタル』で「トップニュース」になってしまうのか、と驚きました。
何年か前に、ネットの揉め事で、「自分の悪口を言ったエントリをブックマークした!」「自分に批判的なブックマークコメントにスターをつけた!」という理由でかなりしつこく絡まれたのを僕は思い出したのです。
ちなみに、ブックマークは「コメントなし」で、スターについては、正直、ちょっとすっきりした、という気持ちでつけたものです。
まあ、スターのほうは、ほめられた行為じゃないですよね。でも、スターそのものは「いいね!」とイコールでもないと思うんだけどなあ。それこそ、僕の「脇が甘かった」のだろうけど。
そもそも、「いいね!」だって、「友達としての儀礼」や「ちょっと胸がスッとした」「とりあえず読んだ」というような、いろんな理由で押されているはずです。押すハードルや事情も、人それぞれ。
ブックマークそのものは、別に善悪の判断をしていたつもりはないのですが、「ブックマーク」=「アクセスアップにつながる」ということなのだろうか。
当時は、そんなことは全く考えずに、興味があるものを脊髄反射的にブックマークしていました。
僕の場合は、Twitterと連携して、ブックマークすると原則的にtwitterのつぶやきにもなるので、最近はブックマークも「あの人はこんなのをブックマークしている」と他者からみられているのを意識せざるをえないんですけどね。
僕自身にとっては「よそいきのブックマーク」になってしまっているところもあるのです。
僕はあまりにも誹謗中傷的なコメントをつける人を見かけると、その人のブックマークをチェックするようにしているのですが、「ひたすら自分の気に入らないものをブックマークして、批判コメントをつけている人」って、けっこう多いですよね。
実際は、そういう人は可視化されてやすいだけで、多くのユーザーは何も考えずに栞として使っているだけなのかもしれませんが。
ブックマークの位置づけも「栞」の人もいれば、「うっぷん晴らしのツール」の人もいて、「宣伝に使う商売道具」の人もいる。
お互いに接点がなければ良いのでしょうが、現実的にはそうもいかない。
冒頭のニュースに関して思うのは、国会議員ともなれば、「いいね!」をつけるのも慎重にするべき時代になった、ということなんですよ。
「無名の人」であれば、みんながスルーすることでも、国会議員なら問題視されるのは致し方ない面もある。
ただ、無名の人だったら「思想信条の範囲内」なのに、有名人だったら、「いいね!」だけでも朝日新聞案件になるのか、とは思います。
インターネットでの「罪」の範囲って、どこまでなのか?
暴言を吐いたり、差別発言をしたり、わざとデマを広げたり、自らの問題行動を誇らしげに写真や動画でみせたりすれば、「アウト」であることは、もう周知と考えてよさそうです。
では、他者のそういう行為に「いいね!」や「はてなスター」をつけたり、ブックマークしたり、リツイートするのは「有罪」なのか?
そういう場合、元記事を書いた人の罪が100とするならば、リツイートした人やブックマークした人の罪は、どのくらいなのか?
個人的には、ツイッターでの拡散なら30くらい、ブックマークやスターに関しては、肯定的なコメント付きでなければ、無罪だと思うのですが。
実際は「ネタ元よりも、それをリツイートした有名人の影響力で拡散されてしまうデマ」みたいなものもあるわけで、一概には言えないでしょうけど。
言及される側としては、自分の悪口を言っているエントリやコメントに肯定的な対応をしている人には「あなたもですか……」みたいな気分にはなるんですけどね、やっぱり。
でも、僕が自分に対して決めたルールでは、悪口を言っているエントリそのものに反応や対応することがあっても、「お前、あれにブックマークしただろ!」というのは、やらないことにしています。不毛だし、悪意を疑い始めたら、キリがないから。
「エゴサーチはしない」「見たら負け」と。
そうは言うものの、こういうのって、一度「印象」を植え付けてしまうと、それを払しょくするのは難しい。
プライベートモードで書いた悪口でも、そこで見た誰かが拡散してしまえば、「みんなには読まれないように書いた」と言い訳しても、それを見る前の気持ちには戻れない。
偉くなるつもりの人は、自分のネットでの経歴をなるべくキレイにしておいたほうがいいですよ。
「あいつは5年前にデマをリツイートしていた!」とバッシングされかねない時代だから。
これからのインターネットでは「反応しない練習」が大事なのだな、と、あらためて思い知らされる一件でした。
反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
- 作者: 草薙龍瞬
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版
- 発売日: 2015/07/31
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (6件) を見る
- 作者: ジョン・ロンソン
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/02/17
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る