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ドラマ『カルテット』の視聴率、第1話から、9.8%、9.6、7.8、7.2と、「右肩下がり」ですか……個人的には、「ちょっとこれは感じ悪いなあ、とか、なんでこんな使い古された「ダメな人」シーンを入れるのだろう、と思いつつも、けっこう面白がってみているのですが……
ネットでも、『カルテット』の感想って、けっこう盛り上がっているような気がするのに、視聴率はどんどん下がってしまっています。
昔みたいに、高視聴率ドラマが30%とか獲れる時代じゃなくなり、20%でも大成功になってはいるのですが、それにしても、7.2%は「成功」とは言いがたいですよね。でも、近年でも『家政婦のミタ』とか『半沢直樹』とか、ツボに嵌れば30%とか40%までいくことがあるのも、テレビドラマなんだよなあ。
ドラマといえば、去年の10月からの四半期では、新垣結衣さん、星野源さん主演の『逃げるは恥だが役に立つ』が大評判で、『恋ダンス』を忘年会でも飽きるほど見ました。でもあれ、ちゃんと踊ろうとすると、けっこう難しいんだよね。
番組プロデューサーの那須田淳氏も「最終回の視聴率を受けて・・・ただただビックリしています」とコメントしている。
いまのドラマの制作側って、20%超えで、「ただただビックリ」というくらいの「期待値」のようです。
まあ、この記事にもあるように、いまは「リアルタイム視聴」って、Twitterで観ながら何かコメントしたい、という人でもないかぎり、あまりこだわりがないのかもしれませんね。
ちなみに、かなり話題にもなって、「ナレ死」が年末年始のいろんな番組でネタにもされていた『真田丸』の最終回も14.7%。この程度なのか……BSや再放送などで観ていた人も含めると、実質的な視聴率はもう少し高くなるのだとしても。
僕にとっては『逃げ恥』や『真田丸』で久々に盛り上がった2016年10月からのドラマなのですが、実は最も視聴率が高かったのは、このドラマだったのです(「実は」なんて書かなくても「知ってるよ!」って言われそうだけど)
そんなに人気なのか、『ドクターX』って。
僕は基本的に「医療ドラマが苦手」なのです。
「こんなの違う!」ってディテールに文句をつけたくなるか、登場人物のあまりの理想の医者っぷりに「僕も医者になればよかった!」と劣等感を抱いてしまったりしてしまうので。
このシリーズも、何度か観たことはあるのですが「絶対に失敗しない」っていう医者、かえって怖くないか?とか思ってしまうんですよね。そういうハッタリが信頼関係を築くために大事なこともあるんだろうけどさ、いやそもそもエンターテインメントにそんな深刻になるなよ、と。
『HERO』とか観て、本職の検事はどう思っているのだろうか。
しかしこの『ドクターX』、僕がよく観ている範囲のブログでは、同じくらいの視聴率の『逃げ恥』に比べて、いや、はるかに視聴率が低いはずの『真田丸』に比べても、語られることが少ないように感じます。
それは僕の観測範囲に『はてなブログ』が多いからで、Googleで『ドクターX 感想』で検索してみると、アメブロとかライブドアではけっこう感想が書かれてはいるみたいなんですけどね。
シリーズ物で、ある種の「マンネリ」「お約束」が魅力であり、みんな「ある程度わかっている筋書きをなぞるのが快感」でもあるのかもしれません。
まあ、『水戸黄門』みたいなもんですよね。
水戸黄門がいきなり欲情して大奥に潜入し、将軍の正妻と寝ちゃうような展開を大部分の視聴者は望んでいない。
それにしても『カルテット』は、観ている人の評判は良いみたいなのに、なぜこんなに「右肩下がり」なのか?
雰囲気が暗いし、出演者が地味だし、1話見逃すと途中から入るのは難しい、というようなマイナスポイントはあるとしても、7.2%はちょっとかわいそうな感じもするのです。
ただ、このドラマって、コメディとしては、あまりにも笑えないというか、ある程度以上の年齢の大人としては、「心の傷のかさぶた」をはがすような状況が、毎回出てくるんですよね。
親子や夫婦の断絶とか、離婚と子どもの問題とか、夢をあきらめられない大人だとか、いい歳して「恋愛」のことばっかり考えている連中とか……
こういうのから、全く無縁な「普通の大人」って、ほとんどいないはず。
家族で観ていたら、「気まずくなるシーン」が1話に何度か必ず出てきます。
脚本を書いている人は「コメディタッチ」のつもりなのだろうけれど、こちらは顔を引きつらせて、さりげなく『報道ステーション』にチャンネルを替えるしかない。
そもそも、小洒落た会話劇をつくろうとして、「婚姻届はデスノートですよ」なんてベタなことを言ってしまうところが、「私ってサブカル好きなんです!」と言っている女子の「好きなアーティストは大槻ケンヂ」みたいな、「本人だけが『私って個性的!』と勘違いしている人の痛々しさに似ているんだよなあ。
作っている側は、テレビドラマって、このくらいのわかりやすさがないと誰も観てくれないよね、って思っているのだろうか。
いや、それは実際にそうなのかもしれないけれど。
ただ、それが中途半端になってしまっていて、「観ていて楽しくもなければ、怖くもない、名優たちの困った人演技合戦に、なんか気まずい思いばかりさせられて観る側は困惑している」のが現状ではないかと。
こういう「匙加減」って難しいですよね。
そもそも、僕もこうやって文句ばっかり書いているのですが、ここまで4話全部観ているわけですし、「面白がってはいる」のです。
これを書いているのだって、「7.2%はちょっと低すぎるのではないか」と思ったのがきっかけなのだし、こういうドラマがもっと評価されても良いのでは、とも言いたいのです。
一部では、熱狂的に評価されているのかもしれないけどさ。
そして、ネットというのは、利用者の都合の良いように偏りやすいのだな、ということも考えさせられます。
僕はほとんど観たことがない『ドクターX』だけれど、日本全体では、僕のTwitterのタイムラインを埋め尽くしていた『逃げ恥』と同じくらいの人が、テレビの前で観ていたんですよね。
世界のもう半分は『ドクターX』で、できている。
(というのも偏見で、実際は「テレビドラマそのものが好きで、両方観ている」という人のほうが多数派かもしれません、こういう「分断されている感」を煽りたくなるのも「ネット的」ではありますね)
はたして、『カルテット』は、今後、(視聴率的に)巻き返せるのか?
うーん、ネットでも結局、人気になるコンテンツは「面白いか、役に立つかのどちらかにあてはまる」と言われていますし、このままの路線では難しいかもしれませんね。
だからこそ、このまま行き着くところまで行ってほしい、とも思うのですけど。
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