いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

『日曜美術館40周年特集「ゆく美 くる美」』が面白かった!(再放送予定あり)

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。


www4.nhk.or.jp
www.cinra.net


昨夜、1月1日を迎えたあと、さてどうしようか、と思いつつテレビを眺めていると、Eテレの『日曜美術館40周年特集「ゆく美 くる美」』という番組をみかけました。
タイトルだけみると、「いくよ・くるよ」? みたいな感じなのですが、NHKで40年もやっている、アートや展覧会に関する番組『日曜美術館』の特別企画で、2016年のさまざまな美術展の振り返りと、2017年注目の美術展や美術館の紹介を1時間にまとめたものだったのです。
僕は「美術館に行くのは好きだけれど、アートについて自信を持って語れるほどの知識はない」という「アートの横好き」くらいの人間なのですが、こういう「1年間に日本で観られた(観られる)展覧会の全体像を短い時間でまとめたテレビ番組」というのは見たことがなかったので、すごく面白かった。
出演していた、いろんな美術館のキュレーターたちの話も興味深いものでした。


番組の中では、2016年の注目の美術展として、「350分待ち!」とかでも話題になった若冲展がと挙げられていたんですよね。
(僕は行っていないのですが)


番組内で紹介されていた「2016年の美術展・観客動員数ランキング」は以下の通り。

5位 カラヴァッジョ展(国立西洋美術館
4位 若冲展(東京都美術館
3位 始皇帝と大兵馬俑展(東京国立博物館
2位 恐竜博(東京・北九州・大阪(大阪は2017年1月9日まで)
1位 ルノワール展(国立新美術館


あれだけ話題になった『若冲展』が4位にとどまったのは、「会期が1ヵ月あまりと短かったから」だそうです。
2位の恐竜博とかは、たしかに会場も3カ所だし、期間も長いし、子どもも連れていきやすいしね。
若冲展』は、並ぶ時間と混み具合だけで、家族連れには難しい。


そして、平日の作品の写真撮影がOKになる作品や美術展が増えてきた(SNSでの拡散の狙いもあり)、というような最近の美術展の動きも紹介されていました。
全国各地での芸術祭ラッシュと、その問題点(地元での認知度の低さなど)も。
僕もノルウェーオスロ美術館に行ったとき、ムンクの『叫び』が撮影OKだったことに、けっこう驚いたんですよね。
日本人が多くて、みんなあの『叫び』のポーズを真似して、楽しそうに写真を撮っていたんですよね(フラッシュ撮影は禁止です)。


ちなみに、出演していた人たちが選んだ「2017年注目の美術展」として、これらが紹介されていました。

www.mucha2017.jp
babel2017.jp
wakuwaku-nara.com
www.kyohaku.go.jp


ブリューゲルの『バベルの塔』見たい!


しかし、こうして並べてみると、なんのかんの言っても「生のアートに触れる機会」には、東京と地方に大きな「格差」があるなあ、と思わずにはいられません。
地方の美術館にも、素晴らしい作品は所蔵されているのですけど(番組内で、ある地方美術館のキュレーターが「わたしたちは2010年に『若冲展』をやっていたので、『今なんだ……』ってちょっと思いました」と仰っていました)。


ちなみにこの番組、2017年1月7日の15:00〜16:00まで再放送されますので、興味を持たれたかたは、ぜひ。
bh.pid.nhk.or.jp


井浦新の日曜美術館

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