いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

松山ケンイチさんから勝手に学んだ仕事術

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えっ、あの『珍遊記』が映画化、しかも実写?
それ、エイプリルフールネタとかじゃなくて?


主演は松山ケンイチ? ああ、それはなんか納得。
というかもう、松山ケンイチさんって、最近のテレビドラマで、「あまりに個性が強すぎて、役者的にはやりづらいんじゃないか、その後のイメージもあるだろうし……」っていうキャラを「総取り」しているようにさえみえます。


そのスタートとなったのが、2006年の映画『デスノート』のL役。
この映画をみたときには、「おお、松山ケンイチ、やるなあ!」って感心しました。
これが「演技派俳優の昔の武勇伝」的な仕事かと思いきや、その後も松山さんのところには、「人外キャラ」の仕事が次々に舞い込んでくるのです。

2007年には、テレビドラマ『セクシーボイスアンドロボ』の「ロボ」
2008年 映画『デトロイト・メタル・シティ』の根岸崇一(= ヨハネ・クラウザー2世)
2009年 テレビドラマ『銭ゲバ』の蒲郡風太
2010年 映画『ノルウェイの森』の主役・ワタナベ
2010年 映画『GANTZ』の加藤勝
2011年 小雪さんと結婚
2012年 NHK大河ドラマ平清盛』主演
2015年 テレビドラマ『ど根性ガエル』のひろし

そして、
2016年 映画『珍遊記


まあなんというか、幅広い役柄というか、振り幅が大きすぎる、というか。
子ども3人もいるし、稼がなきゃいけないのかなあ。


僕は正直なところ、「松山さん、仕事選んだほうが良いんじゃないかなあ」なんて、ずっと思っていたんですよ。
独特の存在感がある役者さんだし、ちょっとフワッとした感じの普通(?)の人の役も上手い。
なのに、なぜこんな、ネタっぽいところにばかりキャスティングされてしまうのか。
「悪役」って面白い、と役者さんは言うけれど、『銭ゲバ』とか、マンガ的なキャラクターで、安達祐実さんの『家なき子』みたいな、「ものすごくシリアスな設定のはずなんだけど、笑いがこみあげてくる」ような感じだったし(といっても、何回かしか観てませんすみません)。


しかし、こうしてこの10年間の松山さんの仕事をみていると、「来た仕事を選り好みせずにやってみる」って、けっこう有効な戦略なのかな、という気がしてきました。
いまや日本の実写ネタキャラ界を、鈴木亮平さんとダブルエースとして牽引している松山さん。
「そんな仕事しか来なくなるんじゃないか」と言う人もいましたが、実際はそんなことはないみたいですし、逆に「ネタキャラなら、松山ケンイチが第一選択」みたいな雰囲気になってきました。
むしろ、『ど根性ガエル』のときは、「ピョン吉の役じゃないのか」と思ったくらいです。
これぞまさに、ブルーオーシャン
これからも、こういう「なぜこれを映像化するんだ?」というテレビドラマや映画が無くなることはないでしょうし、松山さんが仕事にあぶれることもなさそうです。


僕が、松山ケンイチさんから勝手に学んだ仕事術

1. 自分に来た仕事を選り好みするな
2.「自分のイメージと違う」と思いこんでいるのは自分だけ
3.「人がやりたがらない仕事」をできる人は仕事が途切れない
4.「ヘンなことをやる人」は、それを続ければ、「ヘンなことをやり続けられる人」として愛される


以前、「松山ケンイチは、『デスノート』のLのイメージが強くなりすぎていることに悩んでいる」という話を聞いたことがあります。
でも、そこで、「もうそういうマンガのキャラクターはやりません!」っていうのではなく、とにかくいろいろやってみたことが、松山さんの面白い役者人生につながっているのでしょうね。
これだけ「何でもあり」だと、Lもクラウザーさんもone of themでしかなくなってしまう。


「自分のイメージ」とか「自分らしさ」に固執しなかったことが、かえって、現在の「松山ケンイチという唯一無二のポジション」をつくっているのです。
もちろん、誰にでも真似できることじゃないとは思いますが、仕事とか個性って、案外、こういうものなのかもしれませんね。


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