いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

「○○ほどゲームが楽しかった時代はない」

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そうか、プレイステーションか……
こういうのはまさに「人それぞれ」ではあるのですが、小学校時代にゲームウオッチスペースインベーダーの洗礼を受け、シャープX1で「家でテレビゲームが遊べる」喜びにうちふるえた僕にとっての「ゲームがいちばん楽しかった時代は、1980年代前半なんですよね。


fujipon.hatenablog.com


この頃は、『ログイン』の広告や『マイコンBASICマガジン』の「チャレンジ!AVG&RPG』が毎号楽しみで、広告を眺めているだけで、2週間くらいは幸せな気分になれました。
Apple2の『TIME ZONE』、やってみたかったな……
しかし、あの頃の僕に教えてあげたいよ、あれから30年経っても、山下章さんが攻略本を作り続けていることを。
当時は「一橋大学にまで入って、そんなにゲームばっかりやってて良いのか山下さん!」とか、思っていたものです。
昔のゲームについて語りだすと、また例のごとく、余談ばかりになってしまいますね。


で、僕にとっては、マイコンゲーム黎明期、1980年代前半が「ゲームが楽しかった時代」であり、ファミコンなんて気軽に遊べるゲームは邪道だ、とか言いつつも、ファミコンでも遊んでいたわけです。
いろいろクソゲーも掴まされましたが、そういうのも含めて、とにかく面白い時代だったし、技術的な進歩や新しいアイディアがどんどん生まれていたんですよね。


ただ、この元エントリの「初代プレイステーションがいちばん面白かった」というのもわかる。
僕が1980年代のマイコンゲーム大好きなのは、当時は本当に一日中マイコンの前に座ってゲームばかりしていたし、それができるくらいの自由な時間が自分にあったから、ではあるんですよね。
高橋名人の「ゲームは1日1時間!」に、そんな短時間じゃ、何もクリアできないよ、と反発していた僕も、こうして社会人となり、家庭持ちになると、「バーロー!1日に1時間もゲームができる自由時間とか無いよ!こうして座っているだけで、長男は遊んでくれとアピールし、次男は泣いてオムツ交換のタイミングを教えてくれるっていうのに!」とか言いたくもなるわけで。


やっぱりさ、物事には「出会いの時期」ってあるよね。
僕などは、産湯から上がったら、『PON』が目の前にあったくらいの世代なのですが、一緒に仕事をしている若手に聞くと「物心ついたとき、最初に遊んだゲームが、スーパーファミコンの『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』だとか言うので悶絶してしまいました。
こういう世代に、『デゼニランド』の魅力を理解してもらうのは難しかろうと思う。


最近、レトロフリークとか出てきて、僕もこれでいま遊ぶとしたら、どのゲームにしようかな、なんて考えるのですが、ニンテンドーeショップとかを眺めていると、ファミコン以降の名作ゲームって、バーチャルコンソール化されているものがかなり多いのです。
スーパーマリオ』や『ドラゴンクエスト』、『ファイナルファンタジー』がリメイクされたり、「コレクション」としてまとめて売られているのは周知だと思うのですが、『つっぱり大相撲』とか『フィールドコンバット』だって、500円くらいで買えるんですよね。


僕などは、つい「昔のゲームは良かった」なんて言いたくなってしまうのですが、現実的には、こうして昔のゲームを入手することが簡単になったにもかかわらず、それで遊ぶことはほとんどない。


昔を懐かしむことはできても、今遊ぶとしたら、基本的には新作ゲームを選ぶというのが、率直なところです。
もちろん、昔のゲームで、今遊んでも面白いものは少なからず存在しているのですが、「思い出補正」抜きでは厳しいレトロゲームのほうが多数派でしょう。


ただ、この元エントリの人が「プレイステーションの時代」を挙げているのは、オールドゲーマーの僕にも、ちょっとわかるような気がするんですよね。
プレイステーションのグラフィックとサウンド、そして、スーパーファミコンのカセットが大作では1本1万円を越えていた時代に、ゲームが1作5800円とかで売られていたこと、それまでの「任天堂が厳しく品質管理していたゲームたち」の時代から、プレイステーションでは、玉石混合の、かなりカオスな、ジャンル横断的なゲームが出てきたことなど、かなり大きな変化があった時代ではあったのです。
発売当初、セガのサターンとどちらを買うべきか、と悩んだのも懐かしい。
闘神伝』と『バーチャファイター2』を見比べて、「そりゃ、『バーチャ』に決まってるだろ!」と断言したアイツは、今頃どうしているだろうか。


日本の据え置きゲーム機のなかで、いちばん売れたのはプレイステーション2なのだそうです。約2198万台が売れています(三才ブックスファミコンクエスト』掲載のデータより)。
ほぼ同じくらい売れたのが、プレイステーション(2159万台)。
そして、初代ファミコンが1935万台で、これに続いています。スーパーファミコンは、1717万台。
最近の据え置き機種では、Wiiの1274万台が目立つくらいです。
(ちなみに、歴代ゲーム機のなかでいちばん売れたのは、ニンテンドーDSの3286万台。2位がゲームボーイの3247万台です。プレイステーション2が3位。やはり、「ひとり一台」の携帯機が強いようです)


プレイステーションの全盛期って、僕にとっては、ちょうど研修医時代で、家に帰れるのは毎日日付が替わるくらいでした。
「今日は『プロ野球ニュース』前に帰ってこられた!」「もう『ドォーモ』も終わってるじゃねえか……(九州人限定ネタ)」などという生活で、お風呂に入りながら、「もう明日が来なければいいのにな……」とか、毎晩ぼやいていたのです。


社会人になって、自分で稼いだお金を使えるようになったので、プレステのゲームはたくさん買ったんですよね。
ほとんど「積みゲー」になっていたけれど。
そういえば、家に帰ったら、いきなり、僕自身は一度もまだ遊んでいなかった、『ファイナルファンタジー7』のエンディングらしき画面が流れていて、驚愕したこともありました。
当時の彼女(現妻)が、あまりにも僕が毎晩遅い時間にしか帰ってこないので、いつのまにかクリアしていたんですよね。
まあしかし、ゲームがあったおかげで、あのとき、待ち時間の長さに愛想をつかされなかったのかもしれず、プレイステーションには感謝すべきなのでしょう。
そういえば、当時の現妻は『サルゲッチュ』の全サル捕獲、とかもやってたな、ゲーム好きすぎるだろ……
いただきストリート』も全面クリアしてたな。


ゲーム機のことを思い出すと、なんだか、当時の暮らしぶり、みたいなものを一緒に思い出してしまいますね。
まだテレビゲームが「男のオタクのマニアックな趣味」だった時代からのつき合いの僕としては、まあ、みんなそれぞれ思い入れがあるのだろうけど、それはそれで、みんなが自分のいちばん好きなゲームやゲーム機の話を持ち寄れば良いんじゃないか、と考えています。
好きなものの話で、仲良く喧嘩するのも、また楽しい。



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