いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

「dislike」は、フェイスブックの「終わりの始まり」かもしれない。

www.afpbb.com


そうか、ついに「それは良くないね」が試験導入されるのか……
さて、この「dislike」、実装されることになるのかどうか。


d.hatena.ne.jp

2011年に日本でも出版された、マーク・ザッカーバーグさんの伝記には、ザッカーバーグさんをはじめとする、フェイスブックの理念が、こう紹介されています。

「本当の自分にならない限りフェイスブックにはいられない」

 フェイスブックの透明性急進派のメンバーたちは、ザッカーバーグを含め、可視性を高くすればするほど良い人間になれる、と信じていた。たとえば、フェイスブックのおかげで、最近の若者たちは彼氏や彼女をだますのが難しくなったという人もいる。さらには、透明性が高いほど寛容な社会が生まれ、誰もが時に悪いことや見苦しいこともする、ということをやがて受け入れるようになるとも言う。透明性が不可避であるという前提は、2006年9月にニュースフィードを開始した時にも真剣に検討された。透明性は人の行動をすべて同一に扱い、その結果個人のアイデンティティーのすべてを、どんな状況からでも同じ情報のストリームへと伸縮させる。


 日本では「旅行とご飯の話しか紹介されていない」とか、「美談に騙される人が多い」なんて言われることもあるフェイスブックなのですが、実名でのコミュニケーションとなると、あまりネガティブなことは書きづらいのは事実なんですよね。
 僕はあまり性に合わないので、ほとんど使っていないのですが、メンバーのなかでも「どんどん自分の周りのことを発信する人」「義理的に『いいね!』をつけているだけの人」「なるべくログインしないようにしている人」に、けっこう分かれてきているように思われます。
 これはフェイスブックに限らず、twitterなどのSNSで、共通して起こっていること、なのかもしれませんが。


 もし、フェイスブックが右肩上がりを続けているようならば、「dislike」のような諸刃の剣の機能の導入は、「検討されることはあっても、実行されることはなかった」はずです。
 でも、近年のフェイスブックは、「停滞」しており、なんらかの変革を打ち出す必要が出てきているのでしょう。


gigazine.net


 もともと、圧倒的なユーザー数を誇っていて、成長の余地が少なかったところはあるとしても、「フェイスブックは面白くない」と考えている人が増えてきている。
 ちょっと前に日本でも言われていた「mixi疲れ」みたいなことが、欧米のフェイスブックでも起こってきているのです。
 一度つながってしまったばかりに、その人に見られていることを意識してSNS上で行動しなければならなかったり、『いいね!』をつけることが義務のようになってしまったり。


 僕はこの「dislike」って、試験は行われても、実装される可能性は低いと思っています。
 「炎上」の温床になるか、みんな自分が「ネットイナゴ」であるとみなされるのをおそれて使用しないかで、どちらにしても、あまり良い効果は生まないのではなかろうか。
 「dislike」という機能そのものは、その気になればいつでも装備することは可能だったはずで、「フェイスブックの創業者たちは、あえてその機能は付けない選択をしていた」のです。
 それが、フェイスブックの「矜持」のはずだった。
 できないことをやれるようにするのと同じくらい、あるいはそれ以上に「できることを、あえてやらない、要らないもの、マイナスになるものを省く」というのは大事なことです。
 フェイスブックとしては、今の閉塞感を打破するために、とりあえずやれることを試してみよう、ということなのではないかと。
 とりあえず、話題にもなるしね。
 ザッカーバーグさんたちは「悪いニュースへの負の感情を共有するための機能」だと位置づけているようですが、こういう「Like」と「dislike」の使い分け、みたいなのって、それはそれでめんどくさそうだし、危険な気もします。
 いままでだったら、「Likeしかなかったから」で済んでいたのに。
 フェイスブックが「炎上の温床」になってしまったら、企業からの広告も獲得しづらくなりそう。


 正直、このニュースをみて感じたのは、「フェイスブック、袋小路に入っているのかな」ということだけだったんですよ。
 というか、SNSをはじめとするネットコミュニケーションが、すでに「dislike」を押される時代になってきたのかもしれませんね。



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