いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

「世界は二人のために」のインパクト

昨日、AMのラジオ番組で、還暦よりちょっと上くらいの男性パーソナリティが、こんな話をしていました。

1967年に大ヒットした佐良直美さんの『世界は二人のために』という曲があるんですが、この曲、長年結婚式ソングの定番になっていました。
いま聴くと、なんだか甘ったるいだけのラブソングだな、という印象を持たれるのではないかと思うのですが、この曲が世に出た当時は、すごく衝撃的だったんですよ。
当時の一般的な「結婚」に対する意識は、「これから二人で、『世界のために』頑張っていこう」だったんですよね。
そんななかで、「二人のために世界がある」と言い切ってしまったことに、みんなものすごく驚いたんです。
今の新婚カップルの感覚では、それが「当たり前のこと」なのかもしれませんが、当時は、本当に衝撃的な曲だったんですよ。


「ふーたりーのためーせーかいはあるのー」
という曲、若い世代の人たちも、どこかで一度や二度は耳にしたことがあるのではないかと思います。
僕にとっても、自分が生まれる前の曲で、大ヒットしたときの「時代の空気」みたいなものは全く知りませんでした。
「懐メロ」としてこの曲を聴くと、なんか、昔の人たちは、「幸せいっぱいの甘ったるい恋愛観、結婚観を持っていたんだなあ」なんて感じていたのですが、実際にこれが流行した当時の人たちにとっては、「あまーい!」というよりは、「革命的な恋愛観・結婚観」だったからこそ、大ヒットしたんですね。


こういう話を聴くと、「昔流行ったもの」を後世の感覚で評価することの難しさを、あらためて考えさせられます。

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