参考リンク(1):「ナイナイのオールナイトニッポン」終了 20年6か月の歴史に幕(J-CASTニュース)
「ナインティナインのオールナイトニッポン(99ANN)」が終わることが、2014年8月22日の放送のエンディングで本人たちから発表されました。
僕自身は、最近はヘビーリスナーではなく、夜、眠れない時に流すことがある、という程度のつきあいだったのですけどね。
それにしても、あの『笑福亭都鶴光のオールナイトニッポン』がそれまで保持していた最長記録が「11年6ヶ月」だそうですから、その倍近く、「番組開始時に生まれた子どもが、成人式を迎える」のだから、すごいとしか言いようがありません。
週1回、深夜の生放送で、今となっては珍しい「一部を除いて、ネタはハガキによる投稿のみ」というスタイルを貫いている番組でもありました。
岡村隆史さんは、ときには何千通も来るネタハガキに、自ら目を通して採用するハガキを決めていたそうです。
そりゃキツイよね……
この、ゴールデンタイムのテレビ番組などに比べたら、はるかに届いている人が少ないであろうラジオのことを、ナインティナインは、本当に大切にしてきたのです。
ラジオ番組って、テレビに比べると、パーソナリティのことをリスナーが身近に感じやすくて、根強いファンをつくることができる媒体でもありますし。
福山雅治さんも、ラジオで「見た目はカッコいいけど、くだけた話や下ネタもサラッとできてしまう兄貴」的なイメージを確立したおかげで、かなりファンを広げているはずです。
福山さんの番組って、僕が聴いても「くっそー、なんであんなにカッコいいのに、話まで面白いんだよ、反則だろ……」と言いたくなります(もちろん褒めてます)。
この一報を聴いて、僕が思ったのは「なぜ、今、ナインティナインはオールナイトニッポンをやめることにしたのだろう?」ということだったんですよ。
「局側の都合での打ち切り」という可能性だって、ゼロではないかもしれませんが、オールナイトニッポンそのものが終了して全面リニューアル、ということでもなければ、看板番組を打ち切ることはなさそうです。
この番組でナインティナインが言ったことは、しばしばネットでも採り上げられて、オールナイトニッポンという番組の宣伝にもなっていたはず。
本人たちの現時点でのコメントからも、「打ち切り」というよりは「自主的な降板」のようですし。
今年(2014年)の6月で、通算1000回を達成したし、週1回の生放送もきつくなってきたから、なのかなあ……もう20年番組をやっているとはいえ、まだ40代前半のふたりなら、「まだまだやれるはず」と思うのは、外部の人間の思い込みではあるのかも。
とはいえ、「多忙でもラジオの仕事を優先する」というくらいの意気込みを、この番組には感じていましたし、「芸人」としての根っこのような存在だったようにも見えていたのです。
そもそも、「きついから終わる」というのであれば、岡村さんの病気休養のときに、終わっていてもおかしくなかったわけで。
いや、ああいうときって、「だからこそ、ここで止めるわけにはいかない」とがんばるもので、ようやく落ち着いて、一息ついたときに、なんとなく続けるモチベーションが消えていることに気づいた、ということも考えられます。
僕自身の経験からも、いちばんきついときって、けっこう、「ここで負けたくない」とか、頑張ろうとしてしまうんですよね。
それで、難局は乗り切ったのだけれども、終わってみると、燃え尽きてしまったようになってしまう。
あとは、矢部さんの家庭のことも、あるんじゃないかな。
青木裕子さんと結婚され、息子が生まれた矢部さん。息子さんは2014年の3月19日生まれですから、いま、5ヵ月くらいです。
ああ、夜泣きもするだろうし、奥様も矢部さんも大変だろうな、と。
それで、少しでも子どもと長く一緒にいてあげたい、奥様をサポートしたい、という理由もあるのではないかと僕は想像しています。
親にとっては、キツイ時期ですからね、本当に……
僕は自分が結婚するまで、「仕事は仕事、家庭は家庭」だと思い込んでいましたし、「家庭の問題が仕事に影響するなんて、覚悟が足りん!」みたいなことを内心考えていたんですよ。
でも、自分が結婚して、親になってみると、家庭の問題って、すごく大きい。
プライベートがある程度落ち着いていないと、良い仕事ってできないものだなあ、と痛感しました。
プロスポーツ選手の成績が悪いと「家庭で何か問題が生じているのだろうか?」と、まず思ってしまうくらいに。
世の中の「ちょっと最近様子がおかしい人」とか、「結果が出なくなった人」の背景には、そういう「プライベートでの不均衡」みたいなのが、少なからずあるような気がします。
それは「夫婦仲の問題」とかだけじゃなくて、「親の病気や介護」とか、「子どもの学校での問題」とか。
そういうのは、仕事と「切り分けられるべき」なのだろうけど、それを完璧にできる人は、ごく一部の「仕事の鬼」だけ。
とはいえ、周囲にとっては、「そんなプライベートなことで、仕事に穴をあけられてもねえ……」というのも、率直な気持ちでしょう。
自分が「そちら側」に行く可能性が想像できるようになるには、それなりの「痛みの体験」が必要だしね。
そもそも、当事者が「そういう事情を周囲に明かすのは良くないこと」だと思い込みがちなんですよ。
事情を知れば、周囲も「それならしょうがないよね」と納得できるようなことなのに、隠してしまうから「あの人、最近ヘンだよね」と、理解不能の人のレッテルを貼られてしまうこともある。
病気のような「身内の不幸」という話なら納得してくれても、「育児」とかだと、「俺は子どものおしめとか、さわったこともない。仕事が忙しかったからな。奥さんへの教育が足りん!」なんて言う「前世代の遺物のような上司」とかもいるわけです。
ただ、病院だと「ずっと集中治療室にこもって、目が離せない患者さんをみている若い医者」とかもいるんですよね……
かなり脱線してしまいましたが、ナインティナインのことですから、8月28日深夜の番組のなかで、はっきりとその「理由」を語るはずです。
(ですから、僕がここで書いたことは、勝手な「推測」でしかありません)
個人的には、ラジオの歴史をつくった番組のとりあえずの幕引きが、なるべく幸福なものであれば良いなあ、と願っております。
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