いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

「ガラケー」を知らない大人たち

ガラケーって、『ガラパゴス携帯』のことなんだね。今日はじめて聞いたんだけど」
 夜、妻と話していて、こんな話が出てきて驚きました。


「えっ、知らないの、ガラケー
「うん。習い事に行った先で、他の人たちが携帯電話の話をしていたんだけど、何だかわかんなかったんだよね。今使っているこれが、『スマホ』っていうのは知ってたんだけど。
 『ガラパゴス』って、どういう携帯なの?スマホの前に使っていたような折りたたみみたいなやつ?」


 もちろん僕は「ガラケー」を知っているのだけれども、高齢者や子どもならともかく、自分と同世代の人(というか、自分の妻)に「聞いたことない」と言われたのは、すごく意外でした。
 ネット上では、「ガラケー」という言葉に解説がつけられていることは、もうほとんどありませんしね。
 でも、「メールとAmazonと旅行の予約くらいにしかネットを利用しない」僕の妻にとっては、「ガラケー」というのは、耳慣れないどころか、「初耳」だったのです。
 『ガラパゴス携帯』まではわかっても、「えっ、『ガラパゴス』って、どういうこと? なんで携帯が『ガラパゴス』なの? ガラパゴス諸島で作っているわけじゃないでしょ?」って悩んでいましたし。


 実際、僕自身も日常会話で「ガラケー」って言葉は、ほとんど使ったことも聞いたことがないんですよね。
 「(普通の)携帯電話」と「スマートフォン」くらいの区分で。
 もっとも、最近は、「スマートフォンのほうが普通」になってきていますけど。


 ネット慣れしてしまうと、けっこう、言葉の常識が「IT寄り」になってしまうというというのは、注意しておくべきかのかもしれません。
 最近も、ふた世代くらい下(20代前半くらい)の女性に「アマゾンで買えばいいんじゃない?」って言うと、「アマゾンって、ブラジルの?なんでわざわざそんなところで?」なんて返されて、絶句したことがありました。
 若いから、必ず知っているというわけでもない。
 別に彼女が無知だというわけじゃなくて、通販というシステムそのものを使わない人、興味がない人は、少なからずいます。
 知らない人は、知らないのです。
 知る必要も、感じていない。
 そしてそれは別に、責められるようなことじゃありません。


 いまの日本では、Amazonと、『ジャパネットたかた』だったら、どちらのほうが「よく知られている」のだろうか?


 ネットで「常識」として、よく使われている言葉って、けっこう、世間一般では「よくわからない専門用語」と認識されているのかもしれないな、と思い知らされる出来事でした。

アクセスカウンター