いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

子どもがみる「こわい夢」が気になります。

昨日の早朝、隣で眠っていた息子が「パパ、起きて」と、身体をつついてきた。
日頃は、よほどのことがないと、周りを起こすことなどはないし、まだ外は真っ暗なので、どうしたのかとややボーッとしながら耳を傾けてみると「こわい夢をみた」とのこと。


僕は「小さな子供の夢」に、ちょっと興味があるのだ。
もちろん、本格的な研究とかじゃないのだけれども。
ほとんどの人は、夢をみる(はずだ)。
夢の内容って、いままでの自分の人生経験+外部から得た知識によって構成されるはずじゃないですか、基本的には。
とすると、赤ん坊のように「人生経験の量も種類も少ない人間」はどんな夢をみるのだろうか?
もちろん、言葉を発する前の赤子にインタビューはできない。
でもやっぱり気にはなるので、近似値として、僕は自分の息子が眠りながら楽しそうに笑っていたり、「こわい夢」をみたときには「どんな夢だったのか?」を詳しく訊ねてみることにしているのです。
シンプルに言えば「5歳児にとってのこわい夢って、どんな内容なのか」が知りたかった。


で、訊ねてみると、「戦いの夢だった」「剣を持った人が斬りかかってきて、人が水にボチャーンと落ちた」という内容だったそうです。
うーむ、なんだかよくわからん。そもそも、斬りかかられた人が、第三者なのか、息子本人なのかもはっきりしない感じです。しかも、夢というのは記憶からすぐに抹消されていくようで、聞いているうちに、忘れていくような感じ(これは大人にもそういう傾向があるのですけど)。
まあ、本人が「怖い」と起きてくるような話を、根掘り葉掘り繰り返し訊ねるわけにもいかないしねえ。


結局、家にある「ドリームキャッチャー」を枕元に置き、手をつないでもう一度寝かしつけたわけなのですが、とりあえず、5歳児にとっての「怖い夢」のひとつに、「戦い」があるということはわかりました。
まあ、実体験というより、絵本とかアニメの影響が強い夢だったのではないかと。
たぶん、これからさらに「たのしい」や「こわい」の種類がたくさん増えていって、夢にもいろんなバリエーションができていくのだろうなあ。


でもまあほんと、「笑うこと」をようやく覚えた、ミルクしか飲んでいないような赤ん坊の「夢」って、どんな感じなんでしょうかねえ。
そもそも「夢」をみていたのか。
「夢」をみていないのだとしたら、「あばばばばあ」なんて急に笑い出したりするのは、何なのだろうか。
僕だって経験しているはずのことなのに、残念ながらまったく記憶にないのです、実にもったいない。
個人的には、夢ってやっぱり「経験」に左右されるものではないかと思うし、「産道の記憶がある」なんていう有名作家の話も、信じてはいないんですけどね。
これからさらに年を取ったら、夢も「熟年向け」になっていくのかどうか、せめてそれは気にかけておこうと思っています。

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