いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

大晦日年越しスペシャル『絶対に「この本どこにあるの?」と聞いてはいけない書店』

参考リンク(1):書店で「この本どこ?」と聞いてはいけない事が店員のツイートで発覚「欲しい本くらいてめえで探せ。(ハムスター速報)


個人的には「書店で欲しい本がどこに置いてあるのか探すのも楽しみのうち」という感じなので、書店員さんに訊ねることって、ほとんど無いのですけどね。
最近の大型書店には、検索できる機械が置いてあるところが多いし、見つからなければ、Amazonで「指名買い」するし。
でも、こういうのって、僕の「なるべく人に聞きたくない性格」によるものでもあって、「わからないものは、知っている人(この場合は書店員さん)に訊ねたほうが速い」というのも事実です。


で、問題になっているのが、このツイート。


まあ、このひと一人を槍玉に挙げて「書店員さんは、みんなこうだ!」みたいに考えることそのものがバカげているのですが、客商売というのは、(内心はさておき)笑顔で丁寧に接客するというのが推奨されていますから、ネットで発信するには、不適切すぎる内容だった、としか言いようがないですね。


実は、このエントリのあとに、こんなツイートがあります。


これを読むと、ああ、レジ待ちのお客さんがたくさんいるときに、横から「この本どこ」って聞かれたら、そりゃ困るよね。自分がレジを待っている客の側でも怒るなあ、と感じたのです。
それで、「twitterって、ひとつのツイートだけが突出して世間に広まって、話の前後関係とかが見えないまま誤解されがちだから、注意が必要だよね」っていう結論の話にするつもり、だったのですが……



「検証」するつもりで、この人のタイムラインを読んでいたら、こりゃいくらなんでも酷い。
むしろ、こっちのほうが「Amazonで買え」よりも酷い。
置いてある商品を買っただけで「うぜえ」とか言われるのかよ……なら置くな……
うーむ、「誤解」されるような人は、やっぱり、あまりにも「脇が甘い」ことが多いのかもな……なんて、考えてしまいました。


「炎上」しているツイートのほうは、「レジを待っているお客さんが並んでいるときには、お探しの本のお尋ねは、少しだけ待っていただけると助かります」って言えば、別に誰も怒らないというか、「マナーがなってない客」が批判される話なのだろうけど。


まあ、いちおう本人は撤回されている、ということは記しておきます。
でもこれ、撤回するべきポイントがずれているのでは……


ところで、あえてこの話をしたのは、「リアル書店」の危機が叫ばれているなかで、現場にはまだまだ意識が低い人がいるのだな、と感じたから、なんですよ。
先日読んだ『善き書店員』という本での現役書店員さんへのインタビューでは、多くの人が(といっても、全部で6人へのインタビュー本なのですが)、「書店員は、本への愛着や商品知識だけでなく、接客を重視すべきではないか」と仰っていたんですよね。
「人と人とのふれあいが、リアル書店に残された、最大の『Amazonと差別化できるところ』ではないか」と。
実は、リアル書店の「生き残りの鍵」は、「こういう店員さんの意識を変えること」にあるのかもしれません。
みんな忙しすぎて、「余計な仕事を増やすな!」っていうのが本音なのかもしれないけど。
アルバイトだと、本が売れようが売れまいが、自分の短期的なバイト代には影響しないだろうし。


経営側は、「効率化」だけで勝負しようとするのは、限界があると思うのです。
そもそも「効率化勝負」で、あのAmazonにかなうわけがない。
「わからない本はすぐに私に訊ねてください!」っていう本のコンシェルジュがいる書店とか、検索端末の操作が苦手な高齢者や子どもにはウケるのではないかと思うし。
(そもそも、書店のタッチパネル式の検索端末って、激烈に使いづらいですよね。タッチパネルだけじゃなくて、キーボードをつけてくれるだけでも、だいぶストレスは軽減されそうなものなのに)
客って、ちょっと店員さんの対応が良いと、それで店のファンになって、「買うならココ!」とか思ったりもしますしね。


「書店好き」としてはかなりムカつく話ではあったのですが、とりあえず、思ったことを書いてみました。

ネットって、本当に「自分が見えなくなるツール」だと思うよ……



参考リンク(2):【読書感想】善き書店員(琥珀色の戯言)

善き書店員

善き書店員

これらのツイートを読んで、「書店員って、酷い連中だ……」と思った人は、これを読んでクールダウンしてほしいなあ。

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