いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

本当は怖い掲示板とかSNSの話

参考リンク(1):2ちゃん創設者を起訴猶予=麻薬特例法ほう助容疑―東京地検(Yahooニュース-時事通信)

西村元管理人は、2011年5月7日に密売人の男(55)=実刑判決=が、覚せい剤0.2グラムを1万円で譲渡するという趣旨の隠語での書き込みをしたことを知りながら、削除せずに放置したとして書類送検されていた。 


 『2ちゃんねる』の元管理人「ひろゆき」こと西村博之さんは起訴猶予に。
 書類送検されたのは「2011年に覚せい剤の密売人が覚せい剤の取引を隠語で書き込んでいたの削除せずに放置した」からだそうなのだが、もしこれで起訴されるのなら、掲示板の管理人なんてやってられないよなあ。「2ちゃんねる」のような巨大掲示板群となるとなおさら。
 記事には「知りながら」と書いてあるのですが、あの巨大掲示板群で、隠語での書き込みを本当に知っていたのだろうか?
 仮にこのケースでは「知っていた」としても、そういう書き込みを全部消してしまうことが、本当に可能なのだろうか?
 それにしても、僕だったら書類送検されたというだけでも、掲示板を閉鎖してしまうと思うので、肝が据わっている人ではあります。
 この書類送検には「見せしめ」的な狙いもあったのだろうし。
 競馬で大儲けした人への追徴課税と同じだよね。
 それを徹底的に根絶させるのは難しいので、生贄をつくることによって、多くの「同じようなことを、もっと小規模にやっている人たち」を萎縮させる目的。
 生贄になった人は、たまらないだろうけど。


 それにしても、掲示板の管理人には、どこまで責任があるのだろうか。
 たとえば、自分のブログのコメント欄に書かれた他人への誹謗中傷を削除しなければ、やはり責任があるのか?それがもう何年も前から更新していない、放置ブログであっても。
 あるいは、twitterでデマやウソをリツイートしたことで、それを読んで影響を受けた人がいたら?


参考リンク(2):「患者さんを見捨てて逃げた」というのは誤報です。(琥珀色の戯言)

 この事件についても、マスコミの責任はもちろんなのですが、twitterでのリツイートなどによって時間のことを「双葉病院事件」のことを知ったという人は多いはずです。
 では、リツイートした人たちは、「メディアに騙された被害者」なのか、それとも、フォロワーにデマを流した「加害者」なのか?
 あるいは、「そのどちらでもない「どちらでもある」のか?
 フォロワーが1人と100万人の人がそれぞれリツイートしたら、後者のほうが罪が重くなるのか?

 いやほんと、こういう場合、一度「叩いていいモード」に突入してしまうと、なかなか名誉を回復するのは困難なのです。
 そもそも、どんなに汚名返上のために頑張っても、最高の結果が「マイナスからゼロ」ですからね……


参考リンク(3):院長「謝罪の必要ない」 怒りの遺族、退席相次ぐ 双葉病院50人死亡

 僕はあの事件のことを詳細に取材した本(『なぜ院長は「逃亡犯」にされたのか』(森功著/講談社))も読んだのですが、経緯を追っていくと、院長は患者を見捨ててもいないし、あの状況下で、よくあれだけ踏ん張ったものだなあ、と思いました。
 伝えられ方しだいで、「英雄的行為」と賞賛されていてもおかしくないくらいです。


 ちょっと脱線してしまいましたが、ひろゆきさんは「見せしめ」だったとしても、このSNS時代では、誰にでも「デマや誹謗中傷、他人に被害を与えること」を拡散してしまうリスクを追っている、ということなんですよね。
 僕自身も、これまでウソやデマを信じて、リツイートしてしまったことがあります。ご迷惑おかけしました。気をつけているつもりなんですが、つくづく、自分のリテラシーなんてアテにならないものだなと思います。
 でもまあ、リツイートってやつもなかなか難しくて、賞賛や批判の意図はなく「こんなヘンな話があるよ」ってリツイートしたつもりでも「こいつはリツイートしたから、この意見に『賛成している』のだ」なんて思い込まれたりする場合もありますしね……

 いまは「自分がウソやデマを遮断するという意思」が大事な時代なのだと思います。
 ついつい「こんな情報も持っているアピール」をしたくなるんだけど、そこをいかに我慢するか、なんだよなあ。

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