いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

ガソリンスタンドの「現金歓迎」の読みかた

ガソリンスタンドに入ると、よく大きく表示されているじゃないですか「現金歓迎」って。
僕が車を運転するようになったのは、もう20年以上前なのですが、ずっと気になっていたんですよ、あれが。
「現金歓迎」って、わざわざ書いてあるっていうことは「本当はスタンド側としては現金払いは望んでいないのではないか?」あるいは「現金払いをする客は、少数派なのか?」
そんなことを考えてしまって、現金で払うときに(というか、あんまりカードって使わないようにしているんです。どうしても使い過ぎてしまいそうなので)、ちょっと緊張していました。
「ああ、嫌がられているのかな、現金だと」って。


最近、ガソリンスタンドを経営している人と話をする機会があって、ちょっと聞いてみたんですよ。
「やっぱり、現金って本当はイヤなんですか?」って。
すると、その人はちょっと唖然としながら、教えてくれました。
「いや、あれは本当に現金のほうがありがたいし、歓迎しているんですよ。だって、カード払いだと、割引があったり、カード会社に手数料を払ったりもしなけいけない。「貸し倒れ」の可能性だってゼロじゃないから、そりゃあもう、その場で現金のほうがいいに決まっています。そうか、そんなふうに受け取る人もいるんですね……」


ああ、あれは素直に受け取っていいんだな、と20年来の疑問が氷解しました。
というか、そんなことを20年も気にしていた自分がバカバカしいというか。


「裏を読む」ことばかり考えて生きていると、どうしても、「書いてあることを、素直に受け止める」ことができなくなってしまうみたいです。
しかし、簡単に、シンプルに書いてあるようなことでも、相手に誤解されたり、かえって複雑に受け止められてしまうことというのは、この「現金歓迎」に限らず、けっこうあるのかもしれませんね。
「本当に現金歓迎しています!』とか書かれていたら、それはそれで怪しくもありますし。

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