いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

2019年の「第16回本屋大賞」は、瀬尾まいこさん『そして、バトンは渡された』


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 下馬評通り、という結果でしたね。
 ちなみにノミネート10作の順位はこちら。


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 2位が『ひと』、3位が『ベルリンは晴れているか』、4位『熱帯』、5位『ある男』と続くのですが、点数をみてみると、『そして、バトンは渡された』が圧倒的に強くて、あとはそんなに変わらない点数だったようです。
 最下位は『フーガはユーガ』だったのですが、正直、この作品でいまさら伊坂さんをノミネートしてしまったことが残念、っていう気もします。
 あと、森見登美彦さんは書店員さんに根強い人気がありますね。
 『熱帯』は意欲作・実験作であるのと同時に、僕は失敗作だと思うのですが、森見さんの挑戦と帰還に、これだけの人がエールを贈ったことに、なんだか感動もしています。

 
fujipon.hatenablog.com


 恒例のノミネート10作すべての感想および個人ランキングと順位予想を今年もやったのですが、順位予想のほうは、とりあえず1位は当たったのでまずまず、といったところでしょうか。今年は本命が順当にゴールテープを切ったので、自慢にはならないけれども。
 この結果をみると、虐待とか毒親というようなニュースやネットでの議論が溢れているなかで、「普通の人の、普通の幸せを噛みしめる」あるいは、「ちょっと普通じゃなくても、それなりに人と人はつながって、支え合って生きている」という話が上位を占めた感じがします。
 まさに、「善き人たちのための、善き小説」の回だったな、と。
 世の中に「異常」や「過剰」があふれているなかで、本に求められているものは何か、とあらためて考えさせられました。


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bunshun.jp


 瀬尾まいこさん、受賞おめでとうございます。
 『そして、バトンは渡された』は、浜辺美波さん主演で映画化されるに一票!


本屋大賞2019

本屋大賞2019

ひと

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ベルリンは晴れているか

ベルリンは晴れているか

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