いつか電池がきれるまで

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バンダイナムコホールディングスの決算から読み取れるのは、『妖怪ウォッチ』のオワコン化だけなのか?

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グループ全体の売上高トップは「機動戦士ガンダム」。前年度(786億円)からはマイナスだったものの、743億円を売り上げた。国内トイホビー事業でも264億円とトップだった。


 大きく伸ばしたのがドラゴンボール。グループ全体で前年度から1.75倍の611億円に拡大した。世界展開しているスマートフォン向けゲーム「ドラゴンボールZドッカンバトル」などが好調だったためで、定番コンテンツの強さを改めて示した。

 一方、落ち込みが激しかったのが妖怪ウォッチ。前年度は329億円だったのに対し、16年度は104億円と、大幅にマイナスだった。ピークの14年度(552億円)からは5分の1に縮小した計算だ。17年度は63億円と予測しており、さらに落ち込む。


 このニュース、『妖怪ウォッチ』のブーム終焉による凋落と『ガンダム』『ドラゴンボール』といった、定番コンテンツの強さが浮き彫りにされた、というものだという捉え方がされているようです。
 僕としては、長男との思い出の多くに『妖怪ウォッチ』が絡んでいるので、もうちょっとがんばってほしいなあ、なんて考えてしまうのですが、そんなこと言っているうちに、子供のほうが『妖怪ウォッチ』から卒業しつつある、という気もします。
 まあ、それが人間の成長というものでしょうし、長男が10年後も『妖怪ウォッチ』に夢中だったら、それはそれで困ったものではありますが。
 それを考えると、『ポケモン』ってすごいですよね本当に。
 一時は、『妖怪ウォッチ』にとってかわられるのではないか、なんて言われてもいたのに。


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 ああ、『妖怪ウォッチ』もオワコンなのかなあ、それにちても、『ガンダム』や『ドラゴンボール』は強いねえ、なんて思っていたのですが、この記事を読んでいて気になったのは、最後のこの部分でした。

バンダイナムコホールディングスの16年度決算は、売上高が7.7%増の6200億円、営業利益が27.4%増の632億円になるなど、好調。ドラゴンボールに加え「ワンピース」「アイドルマスター」などのスマホゲームが人気だったネットワークエンターテインメント事業が売上高の約6割を稼ぎ出した。


株式会社バンダイナムコホールディングスの「セグメント別業績」のページをみてみると、こんな感じなんですね。
www.bandainamco.co.jp


トイホビーの売上高は
2015年3月期  2310億円
2016年3月期 2060億円円
2017年3月期  1930億円


ネットワークエンターテインメントは
2015年3月期  2960億円
2016年3月期 3210億円
2017年3月期  3800億円


ネットワークエンターテインメントの売上高は、2015年がトイホビーの1.3倍程度だったのが、2017年は、ほぼ2倍となっています。
営業利益も、2017年3月のトイホビーが110億円に対して、ネットワークエンターテインメントは443億円となっています。


ちなみに、「トイホビー」と「ネットワークエンターテインメント」に属するのは、それぞれこういった商品だそうです。


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ネットワークを利用しないテレビゲームは「トイホビー」なのか、「ネットワークエンターテインメント」なのか、と疑問だったのですが、これは「ネットワークエンターテインメント」に入るようです。
浅草花やしき」もネットワークエンターテインメントなのか!


この「関連市場データ」をみると、日本国内では、ゲームアプリの市場が右肩上がりなのに比べて、トイホビーはほぼ横ばい、ゲームセンター、映像ソフトなどの市場は年々下り坂であることがわかります。
テレビゲームソフトに関しては、ここに数字は紹介されていませんが、『ファミ通』の資料をみると、2016年の家庭用ゲーム機市場は約3000億円だそうです。
http://www.enterbrain.co.jp/files/pdf/release170105.pdf

これをみると、「オワコン」だと言われている『妖怪ウォッチ』も、ゲームソフトとしては、けっして「終わってはいない」とも言えるのです。次もこんなに売れるかどうかはさておき。
妖怪ウォッチ3』は評判があまり良くないんですよね。ただ、レベルファイブもそのあたりはかなり意識しているのか、最近も無償での大型アップデートを行って、『妖怪ウォッチ』ブランドのイメージアップをはかっているようです。


こうしてあれこれみていると『妖怪ウォッチ』は一時の人気がすごすぎただけで、まあ、それなりにがんばっている、とも言えそうです。
そして、『ガンダム』や『ドラゴンボール』が強いとは言うけれど、これらのキャラクターが稼いでいるのは、スマホゲームがヒットしていることが大きく影響しているのだということがわかります。
もちろん、キャラクターの人気が、スマホゲームの人気にも反映されているのは事実なのでしょうけど。
妖怪ウォッチ』や『アンパンマン』に関しては、ファンの年齢層が低いこともあって、スマートフォンでは、積極的に課金を狙うゲームを発表していないんですよね。
「根強い人気」というよりは、むしろ、今、スマホゲームにお金を使える年齢層に人気がある(あった)キャラクターのほうが、アピールしやすい、という面もありそうです。
妖怪ウォッチ ぷにぷに』は、けっこう人気はあるみたいですが、無課金でも十分遊べますし(お金を使って、効率よく頂点を狙う、とかいうのなら別として)。
しかし、スマホゲームの市場も、そろそろ飽和してきそうですし、一部のモンスターアプリを除くと、栄枯盛衰が激しい世界でもあります。

 バンダイナムコのような巨大エンターテインメント企業の経営の柱がスマホゲームになってきていて、既存の「おもちゃ」との差がさらに広がりつつあるというのは、『ガンプラ』のバンダイ、『パックマン』『ゼビウス』のナムコの時代からみてきた僕としては、時代の移り変わりを感じずにはいられませんでした。


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