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いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

「結婚20年で、約束通り離婚した」というタクシー運転手さんの話

headlines.yahoo.co.jp


一昨日(2017年1月30日)のお昼頃、ラジオを聴いていたら、この「東京でタクシーの初乗り運賃が410円になった」という話題をパーソナリティの女性がしていたのです。


「みなさんは、タクシーの運転手さんに話しかけられるのって好きですか? 眠いときなんかはつらいし、めんどくさい、っていう人も多いみたいですけど、私は日頃話す機会がないような人と話ができて、けっこう好きなんですよ」という前置きで、彼女はこんな話をはじめました。

 先日乗ったタクシーの運転手さんなんですけど、自分から、「離婚した話」をしてくれたんですよ。それも「円満離婚」だった、ってことで。
 奥様(元妻)と若くして結婚したとき、お互いに年をとってから、もう一度恋愛をしたくなるかもしれないから、20年経ったら離婚しよう、って約束していて、その約束通りに、結婚20年で離婚したそうです。
 離婚後も元の家族とは仲良くしていて、子どもの結婚式にも出席してお祝いをしたとか。
 いやあ、結婚観っていうのも、いろいろあるものですねえ。


 パーソナリティの女性も、この話に対して、善悪を判断していたのではなくて、なんと言っていいのかわからないけれど、世の中にはそういうこともあるんですねえ、というような語り口でした。


 僕はこれを車の中で聞きながら、正直、僕はちょっとこういうのはできないというか、20年間、「あと何年で離婚」とか思いながら結婚生活をおくっていたのかなあ、なんて考え込んでしまいました。
 これも一種の「契約結婚」(というか、結婚そのものがある種の「契約」ではあるわけですが)だし、本人たちがそれで良ければ、周りがその善悪を判断する筋合いはないのは百も承知で、やっぱり、そういう結婚生活って、なんだかなあ、と思わずにはいられなかったのです。
 そもそも、そんなに「恋愛」とかしたいのかな、とも思いました(ただ、これは僕が基本的に「恋愛体質ではない」からかもしれません)。
 最初はそんな約束をしていたとしても、20年一緒に過ごしていれば、情もうつるというか、「もう今さら離婚しなくてもいいや」と思うか、もっと早いうちに破綻するか、どちらかじゃないのかなあ。


 ふと思い出したのが『バンド臨終図鑑』という本に載っていた、デーモン小暮閣下の話でした。

fujipon.hatenadiary.com


 聖飢魔Ⅱは、デビュー翌年から「売れなくても世紀末までは解散しない、売れていても世紀末には解散する」と宣言しており、その言葉どおり、1999年12月31日23時59分59秒に解散したのです。

 解散前のインタビューでデーモン小暮は解散時期について「いいポイントに定めていたんだなって、最近非常に感じる。5、6年前ではもったいなさ過ぎるし、10年先だったらちょっとしんどいかもな」と語っている。それまでにも解散の危機は度々あったが、活動期間を定めておいたおかげで結果的にバンドが長く続いたのだという。

 個人的には、すごく違和感がある話なのですが、この運転手さんの結婚も、20年間と「活動期間」を決めておいたからこそうまくいった、というケースなのかなあ。


 それにしても、こんな話を、いきなりタクシーの中でされたら、どんなリアクションを取るべきか、悩みそうですね。
 実際にそうなったら、僕の場合は「すごいですね!」とか言いそうですけど(心のなかで「何がすごいかわからないけど!」とかつぶやきながら)。


潜入ルポ 東京タクシー運転手 (文春新書)

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