いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

狩野英孝さんの「17歳との淫行疑惑」と芸能人スキャンダルに対する世間のリテラシーについて


www.sponichi.co.jp


こちらで会見の全編映像が観られます。
thepage.jp


この件で、今日狩野さんの会見が行われると聞いて、ネットでも大炎上しているかと思いきや、最初の記事でのYahoo!ニュースのコメント欄をみてみると、意外とそうでもないな、と。


こちらからコメント欄を見ることができます。
headlines.yahoo.co.jp


Yahoo!ニュースのコメント欄って、けっこう荒れやすくて、けっこう容赦ない「叩きコメント」が支持を集めがちなんですよね。
ところが、この狩野さんの件に関しては、そんなに燃え上がっていない印象です。


それで、元はどんな記事だったのかと、この件を報じた『FRIDAY』も確認してみました。
(以下はネットの記事ですが、雑誌に掲載されていたのも読んでいます)

zasshi.news.yahoo.co.jp

 その相手とは、千葉県の通信制高校に通うMさん(17)。彼女の身を案じて取材に応じた知人・A氏はこう明かす。


「Mはもともと狩野のライブに差し入れするほどのファンだったんです。もちろん彼のツイッターもフォローしていた。ライブに通うMのことが気に入ったのか、去年5月に狩野のほうからツイッターで『いつも応援してくれてありがとう』とDM(ダイレクトメール)が送られてきたそうです。それからDMを通して連絡を取り合うようになった」


 A氏が続ける。


「最初は、狩野が後輩と飲んでいる時にMを呼び、ご飯を食べるだけの関係でした。ところが7月に入って、狩野からLINEで『会いたい』とメッセージが来たんです。Mは彼の自宅に行き、その時から二人は急接近したようです。」

 ちなみに、『FRIDAY』本誌には、Mさんと狩野さんの写真(とされているもの)も掲載されているのですが、これも「Mさんが鍵アカウント付きのツイッターに投稿したものを、A氏経由で入手した」そうです。
 つまり、「仲間内でしか見られないようにしていたものを、その『仲間』だったはずのA氏がFRIDAYに『告発』し、結果的にその写真が拡散された」ということなんですね。
 Mさん、友達選べよ……


 狩野さんが会見で全部本当のことを話しているとは限らないし、Mさんのご両親が「ずっと応援している」と仰っているのも、なんらかの力(慰謝料とか迷惑料とかですね)が働いている可能性はあります。
 とはいえ、伝えられていることが事実だとすれば、狩野さんはそんなに悪いことをしたのか?という気もするんですよね。
 でも、付き合おうっていう相手の生年月日くらいは、ふだんの会話の流れのなかで、どこかで聞くだろう、と言われれば、僕の常識ではそうだよね、とは思う。
 というか、よく知らない人といきなりそういう関係にならない。
 狩野英孝さんの芸能人という立場やこれまでの恋愛関係のトラブル歴を考えると、「脇が甘かった」のも間違いないでしょう。


 とはいえ、それは僕側の「常識」であって、絶対にそうしなければならないというものではないし、大人びた外見で「22歳」と言われれば、そこでいちいちネットで個人情報を検索(地下アイドルだったみたいなので)し、年齢を確認する、なんていうこともないですよね。
 相手もファンだった、ということで、無理矢理とかいうわけでもなさそうだし、経緯からいえば「恋愛だったんです!」と言われれば、それを否定する要素もない。
 何より、当事者たちが揉めているわけでもなさそうです。


 17歳の現役女子高生と関係を持ったというのが、こうして報道されれば社会的制裁を受けるのは致し方ないことでしょう。
 しかし、この件に関しては、「狩野さんはもちろん、Mさんにとっても、何一つメリットのない『告発』だよなあ」と、いたたまれない気持ちになります。


 ただ、これで狩野さんは「恋愛にだらしない男」という「持ち芸」を笑いにつなげることはできなくなりました(そもそも、極楽山本さんの場合を考えると、復帰できるかどうかも微妙でしょう)。
 もし復帰の声がかかったとしても、「笑えなくなった芸人」に、需要があるのかどうか。
 相手が「大人」であれば「しょうもない人だなあ」とみんな苦笑しつつも、「まあ、相手の女性もある程度そういう人だって、わかってやってるところもあるんだろうし」と消化できていたのだろうけど。


headlines.yahoo.co.jp
でもまあ、狩野さんは基本的に「懲りない人」なんだろうな、あるいは、本物の「天然」なのか。こんな場で「野生の勘」とか言ってちょっと笑いをとりにいくというのは。



www.daily.co.jp


ちなみに「相手を未成年と認識していなければ、条例違反にはならない」とのことです。お金のやりとりがあった場合はまた別だそうですが。

その上で「故意かどうかの判断は難しく、警察の取り調べを受ける可能性はある。相手の見た目とか、ツイッター等のプロフィル欄に生年月日が記載していなかったか、制服姿を見たことがなかったか、などが判断の材料になると思われます」とした。
 条例の対象者は「既婚者ではない未成年」とされている。徳原弁護士は「結婚を前提とした交際など、真摯(しんし)な付き合いであることが明白な場合は、処罰の対象にはならない」と解説。「婚約しているとか、明確な証明があればわかりやすいですが、証明するのは容易ではない」と分析した。

これを読むと「知らなかったと主張するだけ」で許されるほど甘くもないみたいです。


こんな民法改正案が今国会で提出されそうです。
www.nikkei.com
たしかに、結婚できる年齢が女性は16歳というのは、今の感覚では「若すぎる」ので、男女とも18歳にするというのは妥当ではないかと。


最後はダラダラと書いてしまいましたが、個人的には、芸能人スキャンダルに対する世間のリテラシーみたいなものは、けっこう上がってきているのではないか、とも感じたんですよね。
多くの人が、ただバッシングするだけじゃなく、けっこう冷静にみているんだな、と。
それには、ワイドショーでの報道だけでなく、会見の映像がネットで全部見られるようになったり、いろんな人の見方を知ることができるようになった影響が大きいはずです。
これはまさに「ネット社会がもたらしたもの」ではなかろうか。
その一方で、ベッキーさんみたいに「センテンススプリング!」とかやって初期対応を誤る(あるいは、世の中を甘くみていることが伝わってしまう)と、燎原の火のごとく、悪評が広まってしまうこともある。


しかし、女性の年齢って、正直見た目だけじゃわからないよね。とくに芸能人とかの場合はそうなんじゃないかな。
いや、僕の場合、男性の年齢もよくわからない。
外来でいろんな人をみていると、見た目と年齢って、必ずしも比例してはいないのです。
本人を目にして、カルテの年齢を再確認することもときどきありますし。
もちろん、全体として、一定の傾向みたいなものはあるけれど、個体差はけっこう大きいよ。


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