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いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

『朝まで!ドキュメント72時間2016』の視聴者人気ベスト10を観た。


www4.nhk.or.jp



今年のテレビ番組のなかで、通年では『真田丸』と並んで楽しみにしていたのが、この『ドキュメント72時間』でした。
「面白い人を見つけて追いかける」番組が多いなかで、ひとつの場所にカメラを据えて、そこに来る人々を定点観測していく、というスタイルで好事家たちに人気になっているこの番組。
12月29日の夜から、5時間半にわたるスペシャル番組「視聴者投票による人気ベスト10の再放送と登場した人々の『その後』」が放送されました。


視聴者投票によるベスト10が発表されるということで、僕も事前に「個人的ベスト3」を考えてみたのですが、それは『長崎の花火屋さん』と『赤羽のおでん屋さん』『四国の海がみえる無人駅』だったんですよね。
さて、結果はいかに。



3位『四国 海だけの小さな駅で』
www.nhk.or.jp


これ、観たときには、「なんか期待していたほどすごくなかったな」って思ったんですよ。
でも、なんだかときどき見返してみたくなるんですよね。
灘駅愛媛県伊予市にある、JR四国予讃線の駅)の定点観測なのですが、この駅から海を観た人は「うわっ」てなるのかもしれないし、逆に「わざわざこんなところまで来たのに、こんなもんか」って、少し拍子抜けするかもしれない。
ものすごい絶景っていっても、グランドキャニオンだって、15分くらい眺めていたら、「もういいかな」って思うものなあ。
その「最初の一瞬」のために、観光というのはあるのかもしれないけれど。
それも含めての「いろんな人が集まる場所」なのかな、って。
「こういう場所に来ることを考え、実行してしまう人とその内心、みたいなものについて、考えてしまうんですよね。
一度この番組で観てから、僕も一度行ってみたい場所になりました。



2位『ゆきゆきて 酷道439』
www.nhk.or.jp


ああ、これがあったか!
「定点観測」とは言いがたいし、『ドキュメント72時間』としては異色の「珍道中」っぽい回なのですが、まだまだ、世の中には「VOW的なもの」を愛する人がたくさんいるのだな、と思い知らされました。
というか、この人形おばちゃんすごいよ!
これって所さんの番組とかでやるべきものじゃないの?
「集落から人が去り、クジャクとガチョウだけが残った」
マムシの丸焼きとか出てくるし、個人的にはトラウマ回だなこれ。
「3桁国道」には、けっこうすごい道があるっていうけど、ノルウェーの山道はすごかったぞ!みんなすれ違えなくて、そごい距離を猛スピードでバックしていくんだから!って言おうと思ったけど、この番組を観たかぎりでは、「439の勝ち!」でした。



第1位『長崎 お盆はド派手に花火屋で』
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長崎のお盆の花火屋の3日間。
僕も大学時代に、部活の知人に連れられて長崎のお盆を観に行ったときは、なんなんだこの騒々しさは、と驚いたのを思い出しながら観ていました。
でも、「賑やかに見送ってあげたい」と、涙を流しながら花火を持ち、爆竹を鳴らしている人たちをみていると、そこに「悼む気持ち」があれば、その方法はどんな形でもいいのかもしれないな、と思えてくるのです。
地元の人たちは、けっこうこのイベント(?)を楽しみにしているんですよね。
街中でこんなに派手にドンパチやれる機会なんて、そうそうあるもんじゃない(まあ、市街戦にでもなれば、という話ではありますが、それはちょっと勘弁)。
あの爆竹の大音量、けっこう癖になるものでもあり。
耳栓してまでやらなくても……とは、ちょっと思わなくもないけれど。
死者を「悼む」にも、さまざまな流儀があって、どれが正解というものではないのだ、ということを考えさせられる回でもありました。
派手に、とか笑って見送ってほしい、っていう人は、たぶん、けっこういるよね。あらためて考えてみると。
しかしこれ、けっこうな出費だよなあ。



2016年ベスト10を観て、この番組のファンは、やっぱり「わかってる」なあ!って、ちょっと嬉しくなりました。
冒頭に放送作家の鈴木おさむさんも仰っていたのですが、2016年は新たな試みとして、『ポケモンGO』で人が集まった東京・錦糸町の公園とか、『ハロウィン』の六本木、といった「時事もの」「ニュースになるような場所」も扱われていたのです。
でも、そういう回は、ランクインしていませんでした。
やっぱり、そういう「ハレの場所」は、この番組でやる必要はない、と感じる人が多いのだな。と。
僕もそういう回は「なんか違う」感じがしていたので、納得してしまいました。
とはいえ、こういう番組は、時事ネタも取り入れていかないと、どんどん「ネタ切れ」になってしまう可能性は高いですよね。


観られなかった方のために、「ベスト10」をタイトルだけご紹介しておきます。
このスペシャルも再放送されれば良いのだけれど。


第10位 真冬の東京 その名は”はな子”
第9位 福岡・中州 真夜中の保育園
第7位 札幌 聖夜のバスターミナル
第7位 さらば!俺たちの船橋オート
第6位 京都 青春の鴨川デルタ
第5位 囲碁の魔力に囚われて
第4位 冬・津軽 100円の温泉で
第3位 四国 海だけの小さな駅で
第2位 ゆきゆきて 酷道439
第1位 長崎 お盆はド派手に花火屋で


何はともあれ、今年も『ドキュメント72時間』には楽しませていただきました。
1本が30分にも満たない番組で、「ちょっと観る」にはちょうど良いサイズでもあるのも嬉しい。


川べりの家

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fujipon.hatenablog.com
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